ミッター・デル・ムンド:赤道上にある記念碑としての博物館

南アメリカの国エクアドルにあるミッター・デル・ムンド。赤道上に建造された高さ30mの巨大な記念碑です。エクアドルで屈指の観光スポットとなっている記念碑には博物館やプラネタリウムが併設されており、連日多くの観光客が足を運んでいます。また、近隣には赤道の真の魅力が楽しめるインティニャン・ミュージアムがあり、合わせて訪れるのがおすすめです。ミッター・デル・ムンドの歴史や見どころを紹介します。

ミッター・デル・ムンドとは

ミッター・デル・ムンドがあるのは、南アメリカの国エクアドルです。正式名称はエクアドル共和国、通称エクアドルは南アメリカ西部に位置する共和制国家。コロンビアとペルーに国境が接しており、独自の生態系を維持するガラパゴス諸島があることでも知られています。首都のキトは、発祥が紀元前1,000年までさかのぼる歴史ある街です。新市街と旧市街から構成されており、旧市街はキリスト教布教の拠点として「アメリカ大陸の修道院」と呼ばれていました。

そんな歴史あるキトの中心地から北におよそ23kmの地点にあるのが、赤道上の記念碑ミッター・デル・ムンドです。スペイン語で「世界の真ん中」を意味しており、北半球と南半球を分ける赤道上に建てられています。1935年に建造されてから、エクアドル屈指の観光名所として人気と注目を集めてきました。そもそもエクアドルはスペイン語で「赤道」を意味する言葉ですので、ミッター・デル・ムンドがエクアドルに建てられたのは、必然ともいえるでしょう。

赤道上とされている場所には黄色のラインが敷かれており、連日大勢の人たちが記念写真を撮影するために利用しています。ただ、実はこの場所は正確には赤道直下ではないということが、1997年になって判明しました。測量技術の発達によって、本当の赤道は記念碑がある場所から240mほど北側にあることが判明したのです。その事実は大きく知られているにも関わらず、ミッター・デル・ムンドには変わらず大勢の人々が足を運んでいます。

ミッター・デル・ムンドは高さ30mの記念碑を中心として、周辺に公園や礼拝堂が整備された複合施設です。記念碑の頂上には地球を模した模型が設置され、中央に赤道をイメージしたラインが敷かれています。見上げるような巨大なモニュメントは、威風堂々の迫力でしょう。内部にはエレベーターが設置されており、頂上から360度のパノラマ絶景が楽しめます。頂上では北半球と南半球にまたがる(少しずれてはいますが)稀有な体験もできるでしょう。

ミッター・デル・ムンドの見どころ

ミッター・デル・ムンドの頂上からは、階段を使って降りていきます。その道すがら通ることになるのが赤道に関する歴史や事実など、エクアドルの先住民や植民地時代の歴史を紹介した博物館です。解説や展示のほか、赤道にまつわる体験型のアトラクションもあります。まるで科学館のような相互体験型の、遊んで学べる展示がたくさん公開されています。

(※画像はラ・コンパニーア聖堂です)

キトの街並みを再現した模型

植民地時代のキトの様子を再現した「赤道村」と呼ばれる模型は必見です。キトの旧市街は、サント・ドミンゴ聖堂やラ・コンパニーア聖堂などの歴史的建造物が豊富に立ち並んでいます。その街並みは高い評価を受け、1978年に世界で初めてのユネスコ世界遺産として認定されました。そんなキトの様子を再現した模型は、高い完成度を誇っています。

プラネタリウム

記念碑を含む地域一帯にあるプラネタリウムも、ミッター・デル・ムンドを訪れたらぜひ足を運んでおきたいスポットです。上映時間はおよそ20分。ドイツ製の最新型プラネタリウムを使った圧巻の宇宙遊泳は、あなたを神秘の渦に巻き込んでくれるでしょう。めくるめく銀河の壮大なスケールに、ぜひ飲み込まれてみてください。暑さをしのぐ休憩スポットとしてもおすすめです。

また、ミッター・デル・ムンドには、本物のカカオが試食できるカカオ博物館やフランスの測量の歴史を展示した博物館もあり、バー、レストラン、ギフトショップも併設されています。

本物の赤道上にある博物館「インティニャン・ミュージアム」

ミッター・デル・ムンドから約250mの距離にあるのが、本物の赤道上にオープンした博物館、インティニャン・ミュージアムです。ミッター・デル・ムンドからは徒歩でアクセスできるので、一緒に訪れておくことをおすすめします。インティニャン・ミュージアムは入場料を支払うとガイドが随行して解説をしてくれます。エクアドルの民族の歴史や逸話を学ぶことができるでしょう。ガイドは英語かスペイン語で開催されています。

また、インティニャン・ミュージアムでは、本物の赤道上ならではの貴重な体験ができるアトラクションが沢山あります。水を落とす実験では、まっすぐに水が落ちる光景を見ることができるでしょう。通常シンクに落ちた水は北半球では反時計回りに、南半球では時計回りに回りながら落ちていきます。ですが、赤道上で試してみると水は回ることなく、垂直に落ちていくのです。赤道上を歩くと自転の影響で体が傾くなど、インティニャン・ミュージアムでしか味わえない体験ができます。

赤道上とそうでない所で、ここまで違いがあるのかと驚愕することは間違いありません。インティニャン・ミュージアムでしか体験できないこの場所に、ぜひ足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

おわりに

エクアドルにあるミッター・デル・ムンドの歴史や見どころを紹介してきました。赤道上ならではの不可思議な実験を満喫してみてください。また、記念写真を撮ったり、頂上からのパノラマ絶景を堪能したり、建物内にある博物館をじっくりと見学してみましょう。ユニークな経験ができることを、お約束します。また、徒歩圏内にはインティニャン・ミュージアムがあり、こちらが本物の赤道直下です。さまざまな体験があなたを待っています。

新市街と旧市街のコントラストが美しいエクアドルの首都キトには、ミッター・デル・ムンド以外にも観光名所があります。なかでも「エクアドルのピカソ」とも称される、オスワルド・グアヤサミンの自宅兼アトリエに隣接した、グアヤサミン美術館はおすすめです。苦しみや怒りを画面に込めた独特のタッチは、世界中の美術愛好家を魅了してやみません。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

関連記事一覧