ラオ・テキスタイル博物館:ラオス伝統の織物のための博物館

ラオスの首都ヴェエンチャンにある、ラオ・テキスタイル博物館。ラオスの伝統的な織物の歴史を紹介する施設です。ひっそりと庭のなかにたたずむ建物には織り機や染料など、織物にまつわるさまざまな展示や器具が設置されています。職人による実演はもちろん、自分で織物をする体験をすることもできます。ラオス伝統の織物文化を感じるのに、ここ以上の場所はないでしょう。ラオスのヴィエンチャンにあるラオ・テキスタイル博物館の魅力を紹介します。

ラオ・テキスタイル博物館とは

ラオ・テキスタイル博物館があるのは東南アジアの国ラオスです。ラオスは中国やベトナム、カンボジアやタイなど、周辺をアジアの国々に囲まれた内陸国です。自然豊かな風光明媚な景観、寺院や遺跡などが多く残る歴史の国としても知られています。首都のヴィエンチャンは仏教国の首都として栄え、現在のラオス文化をリードする街。ヴィエンチャン最古の寺院・ワット・シーサケットや、黄金の仏塔・タート・ルアンがランドマークとなっています。

そんなヴィエンチャンの中心地から車で約20分。ラオ・テキスタイル博物館があるのは自然豊かな庭園の一角です。高床式の倉庫を使用した建物は歴史を感じながらも、丁寧に管理されており上品な雰囲気が漂います。茶色の外観はまるで庭園の一部のように一体化しており、ラオスの自然との共生を暗に表現しています。外の光が差し込む館内の明るさは秀逸でしょう。風通しもよく、くつろぐスペースも確保されているため、ゆっくりと過ごすことができます。

天井が高く開放的な館内では、ラオス伝統の織物文化に関する展示が充実しています。一階には織物を生み出すための機械・織り機や糸を巻くための機械などが展示されています。これらの機械は展示品として置かれているわけではなく、現役で使用されているものです。機械は外に向けて置かれているので、職人は外の景色を眺めながら作業に没頭できるのだとか。職人による実演もされていますので、間近で織物が作られる光景を目の当たりにできます。

二階に展示されているのは、織り機を使って生み出されたテキスタイルの数々です。茶色を基調とした空間は、センスよくまとめられています。展示されているテキスタイルの種類や模様は多岐にわたり、見慣れたような幾何学模様からラオス伝統の珍しいものまでさまざまです。ひとつひとつの糸を染料で染め、それらを組み合わせて生み出された職人技の結晶。複雑な模様は、すべてハンドメイドで生み出されたものです。その繊細さに驚くことは必至でしょう。

またテキスタイル以外にも、染められたカラフルな糸の数々も見逃せません。赤、青、黄色とバリエーション豊かな色使いは、カラフルな布を作るためには欠かすことができない立役者。これらの糸から美しい模様が生まれると考えると、好奇心が抑えられなくなるはずです。

ラオスの織物文化を伝える博物館、その見どころはいったいどのようなものなのでしょうか?

ラオ・テキスタイル博物館の見どころ

開放的な空間でラオスの伝統的な、職人技術が学べるラオ・テキスタイル博物館。ひとつひとつの糸から紡がれる美しい模様の数々は、ラオスの人々のみならず海外から訪れた大勢の人々を魅了し続けています。博物館内では、ぜひ織り機の実演を見学したり、自分で体験したり、また染めの実演を見たりしてみてください。博物館の主要な見どころを紹介します。

織り機の実演

博物館内に展示されているテキスタイルは、それぞれが職人の技術の結晶です。博物館ではそんな職人技を間近で見学することができます。木製の織り機は歴史を感じる風情あるたたずまいが特徴。手入れが行き届いておりホコリひとつ見当たりません。職人が手を動かすたびに機械は少しずつ進み、糸を通してはそれを叩き、再び機械を進めていきます。途方もなく時間のかかる作業ですが、この積み重ねによってラオスの伝統的な織物は完成していきます。

テキスタイルの種類によっては完成までに数週間を要することもあるのだとか。見た目はシンプルな模様であっても、そのなかには職人の魂が込められているのです。また、博物館では織り機の体験もさせてもらえます。自分で実践してみると、機械の扱いの難しさに気付くでしょう。進もうにも進まず、しどろもどろになってしまいます。自分で体験することで、職人の技術力がどれだけ高いものか実感することができるでしょう。

染めの実演

博物館では、染料を使った染めの実演をおこなっていることがあります。壺にたっぷりと入った藍(あい)の染料は、合成染料のインディゴの登場によって希少なものになりました。博物館ではこの希少な藍を使って染めをおこなっており、その一部始終を見学することができます。みるみるうちに染まっていく糸や布の美しさたるや、言葉にならないほどです。織り機の扱い同様に、染めも職人技の結晶でしょう。その美しさにぜひ魅了されてみてください。

博物館で至福のティータイム

博物館では染料に使用するチョウマメを使用したお茶をいただくことができます。お茶の色は澄んだ青色ですが、ライムの汁を落とすことであざやかな紫色に変化します。馴染みのない人には珍しいものですが、東南アジアでは比較的親しまれている飲み方だそうです。風が吹き抜ける心地よい空間で飲む一杯は、ほかのどんなものよりも至福の贅沢になるでしょう。

おわりに

ラオスの首都ヴィエンチャンにあるラオ・テキスタイル博物館の魅力を紹介してきました。伝統的なテキスタイルの展示を見たり、織り機を操る職人技を堪能したり、また自分で体験をしたりと、さまざまな楽しみ方がある施設です。美しい青色のチョウマメのお茶も見逃せない名物のひとつでしょう。ヴィエンチャンを訪れたら、ぜひ足を延ばしてみてください。

ヴィエンチャンには織物のお店が多く、工房を併設しているところも多いです。お願いすれば見学をさせてくれるところも多いので、興味があるところに訪ねてみるのもよいでしょう。シックなものからカラフルなものまで、ラオスの織物は本当に多種多様です。お土産にもおすすめです。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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