ルアンパバーン国立博物館:王宮を改装した絢爛豪華な博物館

東南アジアの国ラオスにあるのがルアンパバーン国立博物館。かつての王族の宮殿を改装した、豪華絢爛な博物館です。1909年に完成した歴史的な建物は、それ自体がひとつの見どころとなっています。館内では王族ゆかりの家具や調度品、生活用品を鑑賞することができるでしょう。ラオスでもっとも神聖視されている仏像が展示された、特別なお堂も公開されています。ラオスにあるルアンパバーン国立博物館の歴史や見どころを紹介しましょう。

ルアンパバーン国立博物館とは

ルアンパバーン国立博物館があるのは、東南アジアの国ラオスです。ラオス人民民主共和国、通称ラオスは東南アジアのインドシナ半島に位置する仏教国。国土の約70%が高原や山岳地帯となっており、自然豊かな風景が楽しめる国です。首都のヴィエンチャンは隣国タイとメコン川を介して国境を接しており、自然が豊富なことから「森の都」の愛称で親しまれています。

ルアンパバーン国立博物館はそんなラオス北部の町ルアンパバーンにある施設です。ベトナムと国境を接し、歴史的に価値が高い建物が立ち並ぶルアンパバーンは観光地としてもとても有名。また、1975年までルアンパバーン王国・ラオス王国の首都の役割を担っていました。そのような歴史的背景もあり、ルアンパバーンは1995年にユネスコ世界遺産に認定されています。

ルアンパバーン国立博物館はルアンパバーンの中心にあるプーシーの丘の麓にあります。博物館としての公開は1975年以降、ラオス王国の崩壊後から始まりました。博物館は1909年に完成したフランス統治時代の建物で、フランスとラオスの折衷様式を採用しています。もともとはラオス王族のための宮殿として建てられました。白色の外壁は上品さが伴い、茶色の屋根は洗練された雰囲気を演出しています。屋根には伝統的なラオスの様式を採用しているのだとか。

建物の手前には幅広い階段が設置されており、どこか異空間のような世界を生み出しています。一歩入口のほうに足を踏み出すと、上部に像をモチーフとした装飾があることに気付くでしょう。このモチーフは3つの頭を持った像で、伝説上の生き物をモデルにしています。宮殿の中央にある金色の塔とともに、博物館の権威を象徴しているモチーフでしょう。

正面広場には背の高いヤシの木が植えられており、南国然とした雰囲気が漂います。豪華絢爛な外観から、博物館への期待感は高まる一方でしょう。そんなルアンパバーン国立博物館で公開されているコレクションとは、いったいどのようなものなのでしょうか?

ルアンパバーン国立博物館の見どころ

博物館内で公開されているのは、王族が使用していた家具や調度品、生活用品などです。また、当時使用されていた寝室や書籍などの生活空間、謁見の間や玉座の間などの特別な空間も公開されています。そのほか武器や防具、王族らしい豪華絢爛な宝飾品や王冠、別館には王族が使用していたというクラシックカー・コレクションも公開されています。

博物館内に進むと、まず正面に現れるのがエントランスホール。広々とした空間からはどこか上品な香りが漂ってきます。ホールの先には謁見の間があり、ここには国王の胸像が設置されています。壁に目を向けるとルアンパバーンの生活風景が描かれていることに気付くでしょう。さらに奥に進むと現れるのが玉座の間です。玉座の間の壁は赤く塗られ、ガラスを用いたモザイク画が描かれています。一目見ただけで特別な空間であることがわかるでしょう。

ここからは、ルアンパバーン国立博物館のなかでも特に主要な見どころを紹介します。

ホー・パバーン

ホー・パバーンとは博物館の庭に建てられたお堂を指します。1963年に着工し、中断を挟みながらも2006年に完成を迎えました。ホー・パバーンは、ラオスでもっとも神聖な仏像といわれるパバーン仏を祀るための特別な建物です。パバーン仏は14世紀にクメール王朝から寄贈された純金製の仏像で、1世紀に制作されたものだと推測されています。

ホー・パバーンは中央から傾斜した屋根が美しく、外壁に施された緑と金の装飾が目を引きます。正面階段の手すりには金色の龍の彫刻が設置されており、神聖な雰囲気が伝わってきます。
建物は純白の台座に設置されているため、どこか異空間のような印象を受けるでしょう。細部まで施された手の込んだ装飾に、ぜひ目を凝らしてみてください。

シーサワンウォン王の像

シーサワンウォン王はルアンパバーン王国最後の国王であり、またラオス王国の初代国王としても知られている人物です。ラオス王国の独立宣言を発したことは、国の歴史を大きく揺るがしました。息子であるサワーンワッタナーは、ラオス王国最後の国王として知られています。

博物館の庭には、このシーサワンウォン王の像が設置されています。黒々とした輝きを放つ像は、博物館のシンボルともいえるでしょう。左手の手のひらを正面に向けて立つシーサワンウォン王は、当時の威厳ある姿を表現しているのでしょうか?屋外展示なので見逃さないように注意が必要です。記念写真を撮るにもおすすめの場所といえますよ。

おわりに

ラオスのルアンパバーンにあるルアンパバーン国立博物館の歴史や見どころを紹介してきました。伝統と歴史あふれるルアンパバーンのこれまでの歩みを、王族のコレクションとともに知ることができる施設です。職人技が光るホー・パバーンなど、ここでしかみられない希少な建造物などもぜひ注目してみてください。館内の写真撮影は禁止で、大きな荷物はロッカーに預けることができます。また、館内に入るときは靴を脱ぐので、その点は覚えておきましょう。

博物館の敷地内には、夕方以降にラオスの伝統的な踊り・パーラックパーラムが上演される施設があります。こちらは博物館とは別料金。気になる方はぜひ覗いてみてください。また、ルアンパバーンの早朝の風物詩が、僧侶による托鉢(たくはつ)です。オレンジ色の袈裟(けさ)をまとった僧侶が、鉢を手に町中を歩く光景がみられます。仏教国のラオスならではの光景でしょう。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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