国立博物館:1952年創設の国内最大ミュージアム

東南アジアの国ミャンマーの国立博物館では、国の歴史や伝統的な民族衣装、楽器の展示などが楽しめます。五階建てのモダンな建物内は階層ごとに展示がわかれており、見学する際は迷わず目的のフロアにたどり着くことができるでしょう。写真撮影は禁止ですが、無料の音声ガイド貸し出しがあるので理解を深めながら見学することができます。ミャンマーの歴史や文化を学ぶのに、これ以上の場所はありません。ミャンマーの国立博物館の歴史や見どころを紹介します。

国立博物館とは

今回紹介する国立博物館があるのは、東南アジアの国ミャンマーです。ミャンマーは1948年にイギリスから独立した共和制国家で、独立から1989年まではビルマの名称で知られていました。少数民族が多く、文化の多様性が楽しめる東南アジアで屈指の人気を集める観光国です。

国立博物館はそんなミャンマーの首都ヤンゴンの中心地にあります。国内最大の博物館として知られ、同じくヤンゴンにあるボージョーアウンサン博物館と合わせて「ミャンマーの2大博物館」と呼ばれています。博物館が創設されたのは1952年、そこから場所を変え建物を変え、1996年に現在の立地に落ち着きました。

国立博物館の建物は五階建てです。キューブ状の美しい形からはモダンな印象を受けるでしょう。入場料は無料で、荷物をロッカーに預けて見学に進んでいきます。残念ながら館内の写真撮影は禁止されていますが、無料貸し出しの音声ガイドがあります。解説を聞きながら見学を進めれば、ミャンマーの歴史や文化に対する理解がグッと深まること請け合いです。

また、こちらも国立博物館の特徴ですが、展示物との距離がほかの博物館と比べて圧倒的に近いことが挙げられます。数ある展示品のなかには、展示なのか施設の一部なのか判断に迷うものすらあります。この展示方法からは、ミャンマーの親しみある国民性が伝わってくるかのようです。ぜひ間近でコレクションを楽しんでみてください。

ミャンマーの歴史と文化を詰め込んだ国立博物館。その館内で見られるコレクションは、いったいどのようなものなのでしょうか?

国立博物館の見どころ

国立博物館にはおよそ4,000を超える永久的なコレクションがあります。その多くはミャンマーの歴史や文化に関わるものです。古代の遺物やミャンマーの芸術作品、書道や文字に関する展示、伝統的な民族衣装や舞台衣装、自然史や文明の発展の歴史まで網羅しています。また、意外なところでは隕石や化石の展示ブースもあります。展示されているジャンルは相当に幅広いものでしょう。

五階建ての博物館は明確にフロアがわかれています。一階はミャンマーの文字に関するフロアで、書道や古代の文字が刻印された陶器などが展示されています。二階・三階は仏教や神話に関するフロアで、さまざまなポーズや表情をとった仏像や書物などが公開されています。四階・五階は伝統的な衣装や楽器が公開されており、ミャンマーの少数民族の個性を知ることができるでしょう。

ここからは、国立博物館の主要な見どころを紹介します。

獅子の玉座

国立博物館最大の目玉となっているのが獅子の玉座です。獅子の玉座はミャンマー最後の王朝・コンバウン朝時代のもので、9つあった玉座のうちのひとつです。かつて設置されていた宮殿内の様子を描いた絵画からは、威風堂々の迫力をたたえる玉座の存在感が伝わってきます。ほかの8つの玉座は焼失してしまっており、博物館に展示されているのが唯一のものとなってしまいました。

獅子の玉座は1902年にイギリスによってインドに移転、コルカタの博物館に展示されていました。しかしミャンマーが独立を果たした1948年以降に返還され、1959年に国立博物館に移転・公開されています。

漆の素地に金色の細工が全面に施された玉座は豪華絢爛。高さは10,5mにもなり、迫力があります。展示ブースには当時の部屋の様子が再現されており、その大きさと威厳のほどが伺えるでしょう。おそらく玉座の名称の由来になったライオンの置物や、玉座のほうを向いてうやうやしく拝礼をした人物像など、細部までのこだわりがみられます。細やかな細工模様は、当時のミャンマーの技術力を教えてくれるでしょう。

獅子の玉座は博物館の至宝ともいえる、ミャンマーの貴重な資産です。

民族文化ホール

民族文化ホールは国立博物館の4階にあるブースです。このブースではミャンマーの伝統的な民族衣装や工芸品を公開しています。ミャンマーの民族は140にもなるといいますが、このフロアに展示されているのはそのうち40ほどの民族のものです。カラフルであざやかな色使いのものはもちろん、なかには現代的で洗練されたデザインのものもあり、まるでファッションショーを訪れたかのような高揚感を楽しむことができるでしょう。

また、民族の人たちの写真も展示されており、それぞれの生活風景を垣間見ることもできます。少数民族というとどこか閉ざされたようなイメージを持つかもしれませんが、展示された写真を見ればそう括ることはできないと感じるでしょう。笑顔を浮かべた子供や女性の表情からは、楽しげな雰囲気が伝わってきます。伝統的な“はた織り”の様子を再現したジオラマもあるので、より鮮明に生活のイメージができるはずです。

ミャンマーの文化的な背景を知るためには、民族文化ホールがもっともおすすめのブースです。

おわりに

ミャンマーのヤンゴンにある国立博物館の歴史や見どころを紹介してきました。五階建ての建物内は明確にテーマがわかれているため、迷わずに見学を楽しむことができるでしょう。ミャンマーの歴史や文化、多数ある民族の暮らしぶりを知る絶好の機会になるはずです。音声ガイドは無料で借りられるので、ぜひ聞きながら理解を深めていってみてください。

国立博物館のあるミャンマーは、東南アジア屈指の人気観光国です。崖の上にあるアンバランスな巨石・ゴールデン・ロックや、ヤンゴンの中心にある黄金の寺院・シュエダゴン・パゴダなど、観光スポットも潤沢にあります。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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