仏教博物館:世界各国の仏教の歴史を展示した博物館

インド半島の南東に浮かぶ島国、スリランカにあるのが仏教博物館です。仏陀の歯を納めた仏教の聖地のひとつ、仏歯寺に併設されています。館内で公開されているのはスリランカで主に信仰されている上座部仏教の歴史や、日本や中国など海外の仏教にまつわる歴史や品々です。博物館を見学することで、世界各国の仏教事情やそれらの違いを知ることができるでしょう。仏教国スリランカを観光するなら、欠かせないスポットです。仏教博物館の歴史や見どころを紹介します。

仏教博物館とは

仏教博物館があるのは、世界的な紅茶の産地として有名な国スリランカです。スリランカはインド半島の南東に浮かぶ島国で、国民の約7割が仏教徒とされる敬虔な仏教国です。タイなど東南アジアに広まった上座部仏教は、スリランカが発祥の地といわれています。スリランカに仏教が伝来したのは紀元前3世紀のこと。インドから伝来した仏教は徐々に広まっていきました。国内には仏教の聖地とされる土地がいくつもあり、仏陀ゆかりの菩提樹の分枝もあります。

そんなスリランカ仏教の聖地のひとつがキャンディです。キャンディはスリランカの中心部近くにある街で、キャンディ王国の王都として栄えていた歴史があります。1983年には聖地キャンディの名称でユネスコ世界遺産に認定されました。仏陀の歯が納められているという仏歯寺には、スリランカ国内のみならず世界各国から、連日たくさんの人々が参拝に訪れています。

今回紹介する仏教博物館は、仏歯寺に併設された博物館です。白色を基調とした博物館の建物はヨーロッパ調のモダンなデザインが特徴でしょう。市松模様の廊下などもあり、上品な雰囲気が流れています。館内で展示されているのは、スリランカをはじめとした世界各地の仏教の歴史です。ブータンやカンボジア、韓国やインドネシア、中国や日本など、ここで挙げたほかにもさまざまな国の仏教が紹介されています。見応えも十分あり見学は1時間ほど必要です。

世界の仏教の歴史が詰まった仏教博物館、そのコレクションはいったいどのようなものなのでしょうか?次章からは仏教博物館の見どころを紹介していきます。

仏教博物館の見どころ

仏教博物館では仏教の起源から各国それぞれの発展の歴史にいたるまで、幅広いコレクションを紹介しています。博物館に入るとまず正面に現れるのがスリランカでシンハラ人を中心に信仰を集めている上部座仏教の歴史に関する展示です。スリランカに上部座仏教が広まったきっかけや経緯にいたるまで、詳細に知ることができるでしょう。博物館の二階に進むと公開されているのはアジア各国の仏教や寺院に関する展示です。国ごとの信仰の違いを実感できるはず。

展示されているコレクションには建物のレプリカもあります。信仰の違いのほか、建物の構造の違いを比べてみるのもおもしろいでしょう。同じ仏教であっても、国によって異なる方法で信仰をしている様子に気付くことができます。

ここからは、仏教博物館のなかでも主要な見どころを紹介しましょう。

仏像のコレクション

仏教といえば仏像を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?信仰の対象として、仏像はさまざまな形で世界中に広まっています。博物館に展示されているのは、スリランカをはじめとした各国の仏像コレクションです。座禅をした坐像から穏やかな表情でたたずむ立像、千手観音などバリエーションも豊富にあります。燃えるような赤色をしたものや、まばゆいばかりに輝く黄金の仏像まで、制作した職人や地域によって驚くほどに個性豊かに作られています。

顔立ちや表情も国ごとに異なるので、その微妙な違いにも注目してみてください。神々しさすら感じる職人のこだわりが感じられるものや、ひょうきんな顔をしてこちらに視線を向けるもの、なかには椅子に腰掛けたようなポーズをしたものまであります。仏に対する解釈の違いが如実に感じられるコレクションでしょう。ハンサムなものもあるので、自分のお気に入りの仏像を探してみるのも、博物館の新しい楽しみ方かもしれません。

博物館と仏歯寺は合わせて訪問がおすすめ

博物館を訪れるときは、ぜひ仏歯寺も合わせて訪問してみてください。仏歯寺の入場券を購入すれば、博物館の見学は無料になります。仏歯寺は、八角形のシンハラ様式のお堂がシンボルです。このお堂は、かつては王の休憩所として使用されていた建物で、現在は図書室として活用されています。メインとなるのは、やはり仏陀の歯が納められている二階の祭壇でしょう。祭壇は一日に三回プージャ(お祈り)の時間に開けられ、歯が納められた金色の箱を拝むことができます。時間が合わないという方は、映像を通して開けられる様子を見ることができます。

また、お寺のなかにあるゾウの剥製も見逃せません。剥製となっているゾウは、キャンディで開催されるスリランカで最大規模のお祭りのペラヘラ祭で何度も活躍してきました。エサラ・ペラヘラ祭では仏陀の歯を乗せたゾウを先頭にして、音楽隊やダンサーがパレードをおこないます。このお祭りを目当てに、キャンディを訪れる人も多いのだとか。キャンディの歴史を支えてきたゾウに、敬意を表しながら見学してみてください。

おわりに

スリランカにある仏教博物館の歴史や見どころを紹介してきました。スリランカをはじめとした世界の仏教を展示した博物館では、想像以上の展示の充実ぶりに驚くことでしょう。仏教の歴史の経緯を知るにも、最適の場所のひとつです。館内は土足厳禁で、写真撮影は禁止されているので注意してください。ギフト・ショップにはセンスのよいお土産品が販売されています。キャンディを訪れた記念に、博物館でお土産を購入してみるのもよいでしょう。

仏教博物館は仏歯寺に隣接しているほか、キャンディの歴史を展示したキャンディ国立博物館にも隣接しています。国立博物館ではかつてスリランカに栄えたキャンディ王国の歴史を詳細に紹介しています。仏歯寺や仏教博物館と合わせて訪れてみてはいかがでしょうか?世界的な紅茶の産地であり仏教の聖地、スリランカを、ぜひ次回の旅の目的地にしてみてください。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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