ベルギー王立自然史博物館:恐竜の歴史を知ることの出来る自然に満ちた博物館

ベルギー王立自然史博物館は、ベルギーでかつて発見された恐竜イグアノドンの骨格化石を展示していることで有名です。恐竜展示に力をいれており、その展示面積は世界最大とも言われています。恐竜達のみなぎる強大なエネルギーを感じられる博物館です。今回は、ベルギー王立自然史博物館を詳しく解説していきます。

ベルギー王立自然史博物館とは

ベルギーの首都として知られるブリュッセル。大変美しい景観を今に残し、その町並みから小パリとも呼ばれる程です。街の広場は世界遺産に登録されており、多くの観光客が訪れる観光都市としての側面もあります。近年では、多文化が共生する街として、様々な国の人々が移住しています。また、早くから交易で栄え、商業都市として発展したことから、多くの芸術も生まれました。

そんなブリュッセルの地に構えるベルギー王立自然史博物館は、1846年にブリュッセル博物館の一部として設立されました。館内は研究部門と一般展示部門に分けられ、特に恐竜関連の展示は豊富です。目玉は、ベルギー国内で発掘されたと言うイグアノドンの化石です。ベルギーの宝とも言われ、その価値は、恐竜学の歴史上たいへん重要であると言えます。2007年には恐竜の展示スペースを格段に広げ、恐竜展示としては世界最大の展示規模を誇っています。
また、チケットのデザインは一枚一枚異なっており、入館者を多方面から楽しませてくれます。

ベルギー王立自然史博物館の収蔵品とは

恐竜、動物、昆虫と言った自然に関わる多くの生物の標本が飾られていて、地球が今日まで歩んで来た歴史が分かります。ホール毎に番号が記載されている為、鑑賞する順番には困りません。コレクションには、博物館の創設者であるカール・アレクサンダー・フォン・ロートリンゲンと初代館長のベルナール・デュ・ビュス・ド・ジジニーのコレクションも含まれています。特に、ベルナールのコレクションに関しては、自身が集めた2000体以上もの鳥の標本が寄贈されています。

世界的にも珍しいマンモスの骨も展示しています。恐竜の剥製は本当に巨大で、ただただ驚くばかりです。動物や昆虫の標本はリアルな点も多く、少々不気味に思えるかもしれません。貝の展示は意外にもカラフルで、芸術性も感じられます。人類の進化についての展示では、

人類が今日まで歩んで来た歴史を順に追えます。展示の一部である人間の骨には、少し恐怖感を覚えるでしょう。

果たして、どのような収蔵品があるのでしょうか。早速見て行きましょう!

〈イグアノドンの化石〉

(Public Domain /‘Louis De Pauw supervising the reconstruction of an iguanodon’by Léon Becker. Image viaWIKIMEDIA COMMONS)

イグアノドンは、世界で化石として初めて発見された恐竜と言われています。この発見から、より恐竜が人々にとって身近に感じられるようになりました。ベルギー国内では特に、大量にこの恐竜の化石が発見されます。発掘された化石から作られる姿がほぼ完璧な恐竜の姿であった事から、イグアノドンの全貌が明らかになりました。歯の形がイグアナに似ている事から、イグアノドンと命名されたそうです。ただし、見た目に関しては全くイグアナとは似ていません。全身を見ると、かつてこの地球にこんな巨大な生命体が居たのだと実感させられると共に、驚きを隠せません。

鋭いくちばしを持っていたと言うイグアノドンは、鳥類のような顔をしていた事が分かっています。通常は、四足歩行であったものの、二足歩行も可能であったそう。少ない時は2本の足で、その巨大な体をよく支えられたものだなと感心させられます。親指が特に発達していたとされ、その長さは15㎝程であったそう。これだけ大きな恐竜に捕食されたら、ひとたまりも無いだろうと実感します。

〈マンモス〉

間近に見る巨大なマンモスの姿には、本当に圧倒されるはずです。私達が動物園で見る動物とは、全く異なる自然の恐ろしさを知り得ます。また、ベルギーのマリテアライズ社と共同で、3Dプリンターを使って作り上げられたマンモスの標本は、とてもリアルです。というのも、展示されている実際のマンモスの標本には、若干本当のマンモスとは異なる部分があったそう。最新技術の3Dプリンターや最新の研究により、より正確な姿が分かるようになり、それらが人々に伝わるようになっています。

また、このマンモスの展示は世界で二番目に行われたという経緯もあり、博物館にとって非常にじゅうような意味を持つものでもあります。マンモスは一見象のような見た目をしていますが、その毛深さからは象のような親しみは感じられません。マンモス絶滅のはっきりとした要因は未だに不明ですが、地球規模の温度変化によるものではないかと言われています。地球の有り様が変われば動物達も変化することが、彼らの歴史から見ても良く分かります。また、マンモスは一回の出産で一頭しか生めない為、なかなか頭数を劇的に増やす事が出来なかったのかもしれません。一方近年では、ウィルスによる伝染病が突発的に流行り、それが多く広がった事が絶滅の原因ではないかとも考えられています。

〈フクロオオカミの標本〉

近年絶滅してしまった動物を、皆さんはどれほどご存知でしょうか。このフクロオオカミは、1900年代に絶滅した動物の一つで、その生きた勇姿を見られることはもうありません。オオカミと言うだけあって、顔つきはちょっと強面の犬といった印象です。鋭い歯と強固な顎を持ち合わせていることから、高い補食能力を備えていた事が分かります。絶滅後も未だに目撃情報が集まるものの捕獲には至っておらず、その詳しい現状は分かっていません。大方の説としては、絶滅しているということになっています。意外にも凛々しい姿をしているこのフクロオオカミは、一見すると通常イメージするオオカミとはちょっと違う見た目かもしれません。何だかあどけない、愛らしい姿のオオカミです。

かつてこのフクロオオカミは、羊を補食してしまうという理由から狩猟の対象となり、多くが命を失う事となりました。人間の身勝手な事由により、フクロオオカミと言う一種の個体の生命線を滅ぼしたということになります。彼らが復活することはもう二度とありませんが、まだ見ぬ森林の奥底には、生き永らえている種が居るのではないかと言う自然の神秘を感じます。

終わりに

自然が歩んで来た歴史は、もしかしたら今後私達人類が歩む道なのかもしれません。そう思うと恐ろしい気もしますが、分かっているからこそできる術もあるのかもしれません。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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