インドネシア銀行博物館:インドネシアの銀行の歴史がギュッと詰まった博物館

インドネシア銀行博物館は、ヨーロッパからの貿易商が訪れる以前の歴史から、1953年に中央銀行としてインドネシア銀行が設立されるまでの歴史を展示している博物館です。インドネシアの歴史的貨幣を展示しているだけでなく、インドネシア銀行の変遷をジオラマや最新技術を使って分かりやすく展示しています。そんなインドネシア銀行博物館の歴史と所蔵品を紹介します。

■インドネシア銀行博物館の歴史

インドネシア銀行博物館は、首都ジャカルタにおける観光促進を目的として2009年に設立されました。インドネシア銀行博物館があるファタヒラ地区には、ファタヒラ博物館、影人形博物館、陶磁器博物館、魚市場地域の海洋博物館などがあり、ジャカルタ随一の観光名所となっています。

本博物館は、旧ジャワ銀行本店の建物の中にあります。建物自体はコロニアル様式で作られ、天井は曲線を描くアーチになっています。また、素晴らしいステンドグラスを見ることもできますよ。建物自体も素晴らしいものといえるでしょう。

インドネシア銀行は1828年に、オランダ領東インド会社のメインバンクとして設立されました。本博物館では、このインドネシア銀行の歴史と、インドネシアの貨幣が展示されています。一方、ただ貨幣を展示するだけではなく、インドネシア銀行が携わってきたアジアにおけるスパイスなどの貿易に関するセクションもあり、とても見応えのある博物館となっています。また、博物館内にはカフェや図書館も設置されています。

■インドネシア銀行博物館の所蔵品

インドネシア銀行博物館の所蔵品には、インドネシア銀行が発行した貨幣が含まれています。所蔵されている貨幣は、一般に通貨として使用されていた紙幣や硬貨のほかに、記念硬貨や紙幣も展示されています。

また、インドネシア銀行において使用されていた金庫や椅子、様々な道具をコレクションしています。インドネシア銀行ができた経過やそのポリシーについても詳しく説明されており、インドネシア銀行のすべてがわかるコレクションです。

そんなインドネシア銀行博物館のコレクションにはどのようなものが含まれているのでしょうか。主なコレクションを紹介します。

≪インドネシア銀行発行の紙幣とコイン≫

インドネシア銀行が発行していた紙幣と硬貨がコレクションされています。これまでインドネシア銀行が発行してきた紙幣のほとんどが展示されているので、インドネシアの貨幣に関する歴史を知ることができます。また、1993年に発行された記念紙幣も見ることができます。

コインは、1950年代から1999年までに発行されていたものがコレクションされています。様々なデザインのコインを楽しむことができますよ。

インドネシアが国としてまとまりを見せ始めたのは、オランダの東インド会社が香辛料を求めてヨーロッパから渡航してきたことがきっかけでした。それまではいろいろな民族がそれぞれ独自に生活をする国だったそうです。オランダの東インド会社が渡航してきたころ、インドネシア銀行の前身が設立されています。このインドネシア銀行博物館では、古い時代の穴の空いた銅製コインがコレクションされています。それぞれのコインには、チャクラや人形などの模様も描かれています。また、不規則な形状のコインや、ゴールドで作られたコインもあり、ヨーロッパの支配を受けていた時代の名残ともいえる多くのコインに触れることができます。

記念コインとしては、1970年に発行された5000ルピアのコインなどがコレクションされています。また、記念コインにはシリーズ化されているものもあります。注目すべきコインは、「世界の子どもたちのための記念コイン」や「世界の自然を救うための記念コイン」などです。世界の子どもたちのためのコインには無邪気な子どものモチーフが、世界の自然を救うためのコインには絶滅が危惧される動物のモチーフが使われています。

≪インドネシア銀行のポリシーの紹介≫

インドネシア銀行博物館ではインドネシアの貨幣だけではなく、インドネシア銀行の歴史やポリシーについても語られています。

オランダの東インド会社による前身の設立から現在に至るまでの変遷などが、大人や子どももよくわかるように多くの資料などで分かりやすく解説されています。教育的にも配慮されており、インドネシア銀行のポリシーを理解することができます。

≪インドネシア銀行が使用していた道具類≫

インドネシア銀行が使用していた金庫や椅子、頑丈なセーフティーボックス、タイプライターなどが所蔵されています。

≪オランダのワイズワードで刻まれた木≫

このコレクションは、オランダの東インド会社がインドネシア銀行に大きくかかわっていたことを示しています。オランダ語でこの木に刻まれている言葉は「EERST WEGEN DAN WAGEN(最初に歩いてドライブ)」です。その意味は「あらかじめ決められた目標を達成するために綿密な計画を作り、それを実行することだ」というそうです。

≪バリダンサーの油絵≫

3人のバリダンサーを描いた油絵です。太ももの上に右手、左ひざの前に左手をついて座っている、きれいな装飾品をまとった女性ダンサーが描かれています。

≪レミントン77手動計数機≫

この展示品は半自動の計数機といわれています。プラスチック製のこの計数機からは、当時の銀行業務を垣間見ることができます。このほか、「FACITマニュアル計数機」という計数機もコレクションしています。

≪DE LA RUE電子マネーカウンター≫

紙幣をカウントすることができる機械です。紙幣を置くカウンターがあり、高速でカウントすることができます。

≪アンダーウッドエリオットフィッシャータイプライター≫

本博物館では、様々なタイプのタイプライターをコレクションしています。在庫仕訳帳を入力するためのタイプライターや、広い用紙に対応したタイプライターなどがあり、いずれもアメリカ製のタイプライターです。

≪古いオランダ風の作業机≫

茶色いチーク材で作られたワークデスクです。シンプルな装飾のないこのデスクは、古いオランダ風のデスクといわれています。

このほか、実際に銀行業務中に使用されていたワーキングチェアや、革製の背もたれの高い椅子、国立博物館に所蔵されている椅子と同じ形状の長椅子などもコレクションされています。

■終わりに

インドネシア銀行博物館はインドネシアの貨幣だけではなく、銀行の歴史やポリシーなど多岐にわたるコレクションを展示しています。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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