ランガワルシタ博物館:中部ジャワの歴史を振り返る中核的博物館

ランガワルシタ博物館は、州立の公共博物館として設立され、様々な物を扱っており中部地方のジャワの歴史について触れる事も出来ます。博物館の名前は地元の有名な文筆家からとっており、地元の人々からの関心の高さ、名高さを際立たせてくれます。地元の歴史を広く知ってもらいたいそんな気持ちが表れています。

■ランガワルシタ博物館とは

中部ジャワ州の州都であるスマランは、インドネシアの代表的な地方都市です。経済成長の目覚ましいインドネシアの地方都市として近年では非常に栄えています。空港、鉄道、道路と交通インフラが整えられています。発展が進み古き良き姿が、失われつつあります。現在の姿からは全く想像が付きませんが、目覚ましい成長の裏にはインドネシア独立軍と旧日本軍による戦闘があり、多くの犠牲者を出す事になりました。

そんなスマランの地に構える博物館は、空港からもアクセスの良い場所に構えつつも雄大な自然に未だに囲まれています。都会化しつつある空間の中で、静かな空間を楽しめる貴重な場となっています。1977年に州立博物館として設立される事となり、1983年に一般公開されました。1996年には、管轄の省庁が変わったものの、そのまま変わらず博物館として安定して運営しています。2011年には、大幅なリニューアルが行われ、より一層濃い展示内容となりました。

■ランガワルシタ博物館の収蔵品とは?

博物館の面積は、広大な敷地になっています。併設施設としてホールや図書館、研究室があり、様々な側面から歴史に触れることが出来ます。コレクションは約5万点を越えており、地方の博物館としては、珍しく壮大なスケールを誇っています。州立博物館と言う事もあって全体的に管理が行き届いています。

中部ジャワの歴史を余す所無く展示しています。特に2階建の博物館の建物は、より細かく4つの常設展示棟、またその中で9つの展示エリアにそれぞれ分かれています。その為、自分のみたいエリアをピンポイントで鑑賞することが出来ます。

具体的にどのような収蔵品が有るのでしょうか?早速見て行きましょう。

〈独立戦争に関する歴史的遺構〉

スマランで過去に起きた戦争の事実を事細かに展示しています。特に日本軍に占領されていた事実は、目を背けてはいけない出来事です。その中でもジオラマで分かりやすく展示しているのがスマラン事件で、地元では五日間戦争と呼ばれています。ジオラマからも分かるように非常に激しい戦闘であった事が汲み取れます。この事件では、軍人だけでは無く、民間人も多くの犠牲となりました。インドネシア側ではその犠牲者の数は、1000人〜2000人とも言われ、とにかく多数の犠牲者を出した事が分かります。そんな悲惨な事件を風化させることなく平和への教訓としてたくさんの展示物が飾られています。

また、他にもインドネシア独立闘争時の戦いの内容が詳細に記載されています。それらの展示を見ると独立の為、幾多の闘争があったことが分かります。ジャワの人々が多くの犠牲を払い、植民地時代の遺構から現地の人々がどのような待遇を受けてきたのかを理解し感じることが出来き、どれだけ多くの人々が独立を願い戦ったのか一連の流れを知ることにも繋がります。

〈地質学から古生物学に関する遺構〉

地質学に関するコレクションが多数展示され、この地が地球上で歩んで来た歴史を側面から知ることが出来ます。東南アジア最大と呼ばれる岩石研究地域の地質もあります。特に鉱物と天然石のサンプルが豊富に展示されており、その姿はとても美しく驚かされます。何万年という長い年月を経てきたかと思うとしみじみとした気持ちになります。また、石を削るのに使用していた金属も発見されており、相当固い器具によって削られていた事が分かります。人間の生活器具が便利になる前には、石が貴重な生活器具であったのでしょう。

古生物学に関する遺構の展示では、先史時代の動物の骨を見ることが出来ます。遥か昔の時代と言う事もあり、当時の姿形は正確にはうかがいしれませんが、長い年月を経て骨として発見され、今は多くの来館者に観覧されていると思うと少々不思議な気分になります。また、化石化してしまった植物や森林の姿もあり、大昔この地には美しい原生林があった事が伺えます。今では絶滅してしまった種もあることでしょう。世界的には原生林は減少し、その面積を減らしていますが、昔の化石に触れることで、環境問題について改めて考えてみてもいいかもしれません。

〈伝統工芸品など〉

この中部ジャワに伝わる伝統工芸品の数々も豊富に展示されています。特に伝統舞台のエリアは、舞台芸術エリアと音楽芸術エリア、それぞれ分けて使用されている道具などが展示されています。なかには独特な風貌の物もあり、伝統らしさを感じられます。それらをミックスさせる事で壮大な舞台と美しい音色が織りなされ、余暇としてまた宗教儀式など様々な側面に利用していた事が分かります。

※モスクイメージ画像

また、イスラム教やヒンデゥー教の影響も強く受けている事から、それらの毛色を色濃く残している物も多いです。昔から有るモスクで発見されたとされる装飾や、儀式で使われたとされるリンガやヨニの像や青銅の鏡が多数発見されています。宗教の特徴を如実に表しており、また古いコーランも展示されている事から、感じることができそれだけ人々に浸透し、当時の人々の生活を垣間見た様な気がします。陶磁器も中国やヨーロッパの独特の文化の反面他国の文化を上手く取り入れつつ多様化している様が分かります。

■終わりに

州立博物館な為、規模も多く取り扱いテーマも大変豊富です。中部ジャワの歴史を地球規模原始規模で知ることが出来ます。1日だけでなかなか見切れないほど充実しているので、数日に分けて観覧することをお勧めしたいです。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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