イスタンブール玩具博物館:200年のおもちゃの歴史を楽しく学べる博物館

イスタンブール玩具博物館はトルコのイスタンブールにある博物館で、2005年に開館しました。トルコの詩人で作家のスナイ・アクンによって世界中の歴史的なおもちゃが集められ、設立へと繋がります。約4000点のおもちゃが展示され、そのうちのほとんどがアンティークのコレクションで中には200年近く前までさかのぼるものもあります。プロの舞台設計アーティストによる工夫されたインテリアやディスプレイも特徴的です。そんなイスタンブール玩具博物館の歴史と所蔵品について詳しく解説していきます。

■イスタンブール玩具博物館とは

イスタンブール玩具博物館はトルコのイスタンブールにある博物館で、トルコのトラブゾン出身の詩人・作家スナイ・アクンによって2005年に設立されました。美術館の建物は歴史的な大邸宅で、1700年代から人気の高い多彩なおもちゃのコレクションが展示されています。それらは、設立者であるスナイ・アキンが20年で40か国以上の骨董店やオークションにより買い付けたものの一部で、おもちゃの世界史を楽しく目で見て学習することができるような展示になっています。

2012年、イスタンブール玩具博物館は毎年開催されているヨーロッパ博物館アカデミー子供博物館賞にノミネートされ、最終選考に残ります。おもちゃ博物館としての快挙となり、世界的に重要な位置を占めるようになります。

■イスタンブール玩具博物館の所蔵品

イスタンブール玩具博物館には、スナイ・アキンが集めた国内外の歴史的な7000以上のおもちゃのうち約4000点のおもちゃが展示されています。そのうちのほとんどはアンティークで200年近く前までさかのぼるものもあり、それらが来訪者の記憶に残るようディスプレイされています。
たとえば宇宙をテーマにした一部のコーナーでは月面到達を表現し、電車のコーナーでは産業革命をおもちゃで表現しているようなディスプレイとなっています。各コーナーのテーマによって展示の仕方が工夫され、楽しく学べるようになっています。

コレクションのうち最も古いものは、フランスで製造されたミニチュアバイオリンです。また、米国で作られた人形や、米国の大理石のセット、ドイツのブリキのおもちゃ、磁器の人形など、豊富なアイテムがそろっています。さらに、博物館のインテリアやディスプレイがプロの舞台設計アーティストによって手掛けられたオリジナル溢れるユニークな装飾であることも特徴です。

そんなイスタンブール玩具博物館のコレクションには、どのような展示品が含まれているのでしょうか。主要な展示についてご紹介します。

《エルンスト・ポール・レーマン社による製造の玩具》

この展示コーナーでは、ドイツの有名玩具メーカーであるエルンスト・ポール・レーマン社で製造された多くのおもちゃが並べられています。

創始者であるグスタフ・エルンスト・ポール・レーマンは、1956年にドイツのベルリンで生まれました。レーマンは仕立屋を営む父親の一人息子として育ち、商業見習いのために板金加工に触れるようになりました。彼は25歳のときにパテントロック付きのシートメタルコンテナを発明し、フランクフルト見本市で発表しています。この発明は彼にとっての初めての発明でした。

レーマンは1881年にブランデンブルクに金属玩具の工場を設立し、後に「LGB(Lehmann-Groß-Bahn=レーマン大型鉄道)」の名で知られるGゲージ鉄道模型のブランドが成功したことにより、国際的に知られるようになっていきました。当初は主に飛行機や飛行船、自動車、オートバイなどの玩具を生産しており、技術的に評価を受け非常に人気の高い商品でした。生産された商品のほとんどは輸出され、平均600〜800人の従業員を抱えるようになり、市内最大の雇用主の一つになりました。

同社は1950年~1951年にニュルンベルクへ移転し、1968年にはニュルンベルク国際玩具見本市において、耐候性のある庭園鉄道(庭などの野外に設置される鉄道模型)の展示を行い、「Lehmann-Garten-Bahn(レーマン庭園鉄道)」と称していました。この耐候性は、他の同種の鉄道模型にはないもので、車両、線路、付属品など、商品のすべてにおいて雨や雪に対しての耐性を持つとされています。

《サンテグジュペリが亡くなった際に乗っていた飛行機P-38の模型》

フランスのリヨンで伯爵の一人息子として生まれました。イエズス会(キリスト教、カトリック教会の男子修道会)のノートルダム・ド・サント・クロワ学院を経た後、スイスのフリブールの聖ヨハネ学院で文学を学びます。その後、兵役により陸軍飛行連帯に所属した彼は、異例の経歴を持つ軍の操縦士となりました。退役した後は自動車販売員などに就業しましたが、その後、民間の航空界に入ります。

※星の王子様イメージ画

1926年、26歳になった彼は作家としても本格的なデビューを果たし、自身のパイロットとしての経験に基づく作品を発表するようになります。著作が世界中で読まれるようになるころ、彼は有名パイロットに仲間入りするようにもなりました。1935年に操縦する機体がトラブルを起こし、サハラ砂漠へ不時着しました。一時は絶望視されますが、3日後カイロにて生還を果たします。その壮絶な体験が、後の名作「星の王子さま」に反映されているといわれています。他にも様々な作品を生み出しており、代表的な物としては「夜間飛行」「人間の土地」両方ともベストセラーとなり高い評価を得ることになります。そんな彼の作品は現在にいたるまでに世界中で多くの人々に愛読されています。

■おわりに

イスタンブール玩具博物館は、子供からお年寄りまで三世帯にわたって過去のおもちゃについて楽しみながら学ぶことのできる博物館です。館内の地下にはミュージアムカフェもあり、展示されたおもちゃに囲まれながら、まるでドールハウスにいるかのような気分で休憩することもできます。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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