ベトナム女性博物館:女性達の輝かしい歴史を知ることが出来る博物館

ベトナム女性博物館はベトナムで今日まで輝いて来た女性達をテーマにした一見変わった博物館です。日常的なテーマながらそこには、隠されたロマンが沢山あります。女性達が歩んで来た歴史の中には、栄光と挫折そして家族の為、国の為など様々な思いがあります。今日はそんなベトナム女性博物館を詳しく紹介します。

■ベトナム女性博物館とは

博物館のあるハノイは、ベトナムの首都です。発展途上国と言われており、近年目覚ましい発展を遂げています。工業、農業ともに盛んな都市でありながらも、史跡や寺も豊富である事から、観光都市としても人気です。そんな穏やかな平和な地ですが、かつては、日本やフランスに占領された過去や、ベトナム戦争によって悲惨な歴史を経験した地でもあります。

そんな顔を持つハノイに構える女性博物館では、フランスに占領されていた頃の名残が残る建築様式の中にひっそりと佇んでいます。1995年にオープンし、三階建ての建物に、各階に常設展示が並んでいます。様々な視点から見たベトナムの女性達のリアルな世界を展示しており、その数2万8000点にも及びます。2012年には、ハノイの観光スポット内で一番魅力的な地として選ばれるなど、オープンから暫く立った今でも常に工夫した展示を行っています。

■ベトナム女性博物館の収蔵品

本来ベトナム人の女性達は、パワフルで明るく妻として母として偉大なる存在として支えて来ました。また、自立精神も強くベトナム戦争時には、男性のみではなく、多くの女性達も兵士として出陣しました。そんな女性達の強く逞しくも、切ない戦争の出来事も展示されています。国の為家族の為戦う、皆を思う気持ちは男性だけではなく、女性も同じ強い気持ちの表れです。

面白いことに、ベトナムには、多くの少数民族が住んでおり、民族ごとに全く異なるファッション文化や装飾文化を持ち合わせています。そんな歴史を展示しており、各民族の特徴を知る事が出来ます。博物館では、歴史における女性達の境遇たけでは無く、現代の女性問題も広く扱っています。ベトナムに蔓延る女性の貧困問題や人身売買と言う重いテーマやまた、女性達特有の結婚、出産にまつわるテーマも扱っており、一通りのベトナムの女性の姿を知る事ができます。

果たしてどのような収蔵品が有るのでしょうか早速見て行きましょう。

〈ベトナム女性達のファッション〉

一番に目を引くのは、女性達を輝かせる美しいベトナムのアオザイと呼ばれる伝統的民族衣装です。元は中国から来たチャイナドレスを起源としています。スリットが入り、細身で薄手の生地によって作られ、しなやかな体付きを表してくれます。決して派手なデザインでは無くシンプルな作りですが、女性特有の可愛らしさを自然に表してくれる物で、チャイナドレス風の気質を残しながらも、ベトナムの気候や文化、時代に合わせて変化した今では、欠かせない民族衣装となっています。

また、少数民族の着ている伝統ファッションも飾られ、住んでいる地域の特徴に合わせた作りとなっています。自然と密着して暮らしている少数民族の衣装は、可愛らしさや綺麗さよりも、いかに自然と融合し生活しやすいかが優先されていますが、さりげなく一部分に女性らしさを表しています。また、各民族の違いを見比べる事ができ、同じ国内に多くの民族が住んでいる事が分かります。

〈ベトナム人女性達の笑顔〉

博物館には、ベトナム人女性達の屈託の無いありふれた日常の写真が多く飾られています。特にテーマに縛られる事無くごくありふれた日常を写しており、写真の中の女性達は、働いて家計を支える大黒柱も居れば、母として優しく子に眼差しを向けている人も居ます。皆それぞれが主人公でありさまざまな目的を持ち、決して脇役などではなく主体的に活躍しています。特にベトナムの男性達は、おおらかなのに対し、ベトナムの女性達は、強いリーダーシップを誇り率先し家計を支え、強くたくましい存在です。

※天秤棒イメージ

全員に共通して言えることは、大変な境遇にあっても前を向いており、総じて皆笑顔という事です。そんな女性達の笑顔は、例えお洒落や化粧をしていなくても自然的な美しさを兼ね備えています。また、伝統的なベトナムの天秤棒を持ち歩き練り歩く女性の姿からは妻、そして母としての責任をひしひしと感じます。そんな女性達の力強い生き方が、遥か彼方昔からベトナム人女性達の間で受け継がれて来た事が分かります。そしてそんな姿を見て育った多くの少女達もまた、そんな強い女性に成長して行く事が分かります。

〈ベトナム戦争と女性〉

〈ベトナム戦争と女性〉戦争と聞くと多くは、男性が出征すると通常は頭に浮かぶと思いますが、ベトナムの場合は異なり、国で起きる事は女性達も当事者であり、男性だけにその犠牲を強いる訳には、いきません。ある意味、男女平等と言う意識が強いのかもしれません。その為、多くの女性達も戦争に加わりました。中には、機関銃を持つ女性の姿もあります。多感な時期を戦争と言う忌まわしい出来事の為に、奪われてしまった切なさも感じます。

戦争中の女性の活躍を描いたプロパガンダも沢山残されています。それだけ、戦時下において、自らが主体となって戦った事が分かります。また、ベトナム戦争により子供や夫を失った女性達の顔写真が並び、悲惨さが分かります。そして現実がそんな遠い過去の事では、無い事に驚かされます。戦争と言う忌まわしい事件により平穏な幸せとその笑顔を奪った事がわかります。

■終わりに

普段当たり前過ぎて深く考える事の無い女性と言うテーマですが、女性達は、日々色んな場面で主役である事が分かります。そして美しさは、決してお金をかけブランド物で着飾ることだけではないことがわかります。ハノイを訪れることがあれば一度訪れることをお勧めします。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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