フィラデルフィア美術館:一日じゃ足りない。フィラデルフィアで有名アートを満喫しよう。

フィラデルフィアでも大きな美術館として知られるフィラデルフィア美術館は、アメリカ全土でもトップ10に入るほどの見どころ満載の美術館です。コレクションの種類も非常に豊富で、その数約30万点以上、20世紀初期までの古典的ヨーロッパやアメリカの美術作品が中心となっています。

美術品だけでなく、ヨーロッパやアジアの文化や歴史についての展示もあり、フィラデルフィア美術館の正面はあの名作映画『ロッキー』の撮影にも使われています。館内も広く、別館や管轄美術館もあるフィラデルフィア美術館はまさに一日で回り切れるか心配になるほどです。フィラデルフィア観光を満喫できること間違いなしです。

■フィラデルフィア美術館

美術館は、アメリカ合衆国ペンシルバニア州フィラデルフィアにある、総合美術館です。アメリカ東部では「メトロポリタン美術館」、「ボストン美術館」に次ぐ第3位、全米でもトップ10に入るほどの規模をもっています。それだけではなく、美術館の正面階段は、名作映画『ロッキー』のワンシーンにも使われています。

敷地内には、ロッキーの像が映画のワンシーンそのままのポーズで立っており、観光客のフォトスポットになっているほどで、映画好きにはたまらない場所になっています。

建築様式はネオクラシカル様式で、ギリシャの神殿のようなたたずまいは、ヨーロッパの街並みを思い起こさせます。

設立されたのは1876年で、この年はアメリカ合衆国が独立し100年目に当たる年でもあります。そんなアメリカの記念すべき年に建設されたメモリアルホールが、フィラデルフィア美術館の起源とされています。その翌年の1877年から、美術館として一般に公開されました。

美術館が位置する場所は、フィラデルフィアの中心からは外れているため、訪問する際はバスを使うと便利です。複数路線が美術館の周辺に停車しますので、アクセスも簡単です。

■フィラデルフィア美術館の所蔵品・展示

美術館の所蔵品・展示品は、20世紀までの美術品を中心に、ヨーロッパやアジアの歴史や文化に関する展示も含めると、その数およそ30万点。20世紀初期までの印象派の作品、近代アート、文化や伝統に関する展示までカバーしている、充実したコレクションが見どころとなっています。

美術館では当初、ヨーロッパの陶器や装飾関連の美術品や家具調度品、テキスタイルや宝石類、それに書籍を主体とした所蔵品が集められた為です。

そんなフィラデルフィア美術館ですが、どのような所蔵・展示品があるのでしょうか。所蔵品や展示について一部ご紹介していきます。

(Public Domain /‘Les Grandes Baigneuses’by Paul Cezanne. Image viaWIKIMEDIA COMMONS)

《大水浴》1906年ポール・セザンヌ

誰しもが名前だけは耳にしたことがあるセザンヌの最高傑作≪大水浴≫が展示されています。本作品は、過去に活躍した偉大な画家たちが行ってきた画像展開や構図の引用が見受けられる作品で、左右から真ん中に向かって伸びる木や、絵画の中の女性たちひとりひとりが形をなす三角形の図式が印象的です。この作品は最も完成度の高い作品とも言われており、三角図式によって古典的な安定感と視覚的な強調効果を生み出しています。まさに、集大成といってもよいでしょう。

ポール・セザンヌは南フランスのエクス=アン=プロヴァンスに生まれ、同地で亡くなった画家です。当初は、ピサロやモネ、ルノワール達をはじめとする印象派と呼ばれる画家たちの影響を受けており、非常に自然的な絵画作品を残してきました。しかし、世間の厳しい批評に遭ったセザンヌは次第に印象派から遠のき、自然を円柱や球体そして円錐として表現し、独特の絵画表現を確立していきます。これは、後にキュビスムと呼ばれる作風にも多大なる影響を与えたとされています。

生涯にわたり200点以上の水浴図を制作しています。このテーマはポール・セザンヌにとって人物と風景の調和を探求するにはぴったりのテーマだったのです。

※グレース・ケリー

《グレース・ケリーのウェディングドレス》

本展示は、アメリカの女優グレース・ケリーが1956年4月19日にモナコ公レーニエ三世との結婚式で着用したウェディングドレスです。ウェディングドレスが展示されている美術館というのも、非常に珍しいのではないでしょうか。グレース・ケリーが着用していたウェディングドレスは、歴史上で最も美しく上品で印象深いとされており、20世紀中ごろ以降のもっとも有名なドレスのひとつとも言われています。さらに驚くべきは、60年以上たった今でもかなりの影響力を持っているということです。

例えばケンブリッジ公ウィリアム王子の妻となったキャサリン王妃も影響された一人だそうです。

世界に類を見ないこのウェディングドレスをデザインしたのは、アメリカのテレビ番組制作および配給会社としても有名なメトロ・ゴールドウィン・メイヤーの衣装デザイナーヘレン・ローズです。ヘレン・ローズは、1904年にイリノイ州シカゴで生まれました。15歳からステージやナイトクラブで着用するステージ衣装のデザインを始めました。その後はメトロ・ゴールドウィン・メイヤーでの勤務を経て、自分の衣装デザイン事務所をオープンさせており、著書やコラムの執筆も手掛けていました。

本展示のウェディングドレスをはじめ、エリザベス・テイラーやジェーン・パウエルなどといった女優の衣装を手掛けています。ヘレン・ローズがデザインした衣装が登場する映画作品は、なんと117作品に及び、1952年公開の『悪人と美女』と1955年公開の『明日泣く』では、アカデミー賞衣裳デザイン賞を受賞しています。

■おわりに

フィラデルフィア美術館には、上記以外にも注目すべき所蔵・展示作品がたくさんあります。

フィラデルフィア美術館には別館として「Perelman Building」があります。ここでは、ファッションやインテリアを中心とした特別展が開催されています。フィラデルフィア美術館と併せてぜひ訪れてみてください。

また、フィラデルフィア美術館の入場券は2日間有効ですので、フィラデルフィア美術館が管轄するロダンミュージアムにも入ることができます。フィラデルフィア美術館を、思い切り満喫してみましょう。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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