国立航空宇宙博物館:航空機・宇宙船に関連するコレクションで大人気の博物館

国立航空宇宙博物館はアメリカのワシントンD.C.にある博物館です。教科書で見たことのある展示物が多く、ワシントンD.Cの観光地のなかでもトップクラスの賑わいを見せています。そんな国立航空宇宙博物館の歴史と所蔵品について詳しく解説していきます。

■国立航空宇宙博物館とは

国立航空宇宙博物館は、アメリカのワシントンD.C.にある博物館で1976年に開館しました。

航空機や宇宙船にまつわる博物館としては世界最大級で、航空・宇宙の化学や技術の研究施設としても重要な拠点です。建物は近代建築物で、日系アメリカ人建築家のギョウ・オバタが手がけました。

博物館は本館と別館に分かれており、地球惑星研究センターを併設しています。また、記録文書に関しては本館の他に、メリーランド州にあるガーバー施設にも分けて保存しています。

本館では、歴史的にも重要な航空機・宇宙飛行に使用された宇宙船などを数多く展示しています。さらに、アイマックス・シアターやアルベルト・アインシュタインプラネタリウムといったアトラクション施設も充実しており、老若男女問わず楽しめるのもポイントになっています。

※別館スティーブン・F・ウドヴァーヘイジー・センター

別館は、スティーブン・F・ウドヴァーヘイジー・センターとも呼ばれています。郊外にあり、エールフランス航空のコンコルド・B-29爆撃機エノラゲイ・ディスカバリー-スペースシャトル・オービタなど大型の機体を中心にコレクションしています。

■国立航空宇宙博物館の所蔵品

博物館では、航空や宇宙に関連するコレクションを6万点以上所蔵しています。

エンジン、ロケット、宇宙船、飛行機といった歴史的遺物をはじめ、写真、原稿、文書、映像などのアーカイブコレクションも多く保管しています。世界中の博物館から貸与依頼があるため、どうしても鑑賞したいコレクションがある場合は公式ホームページで事前に確認しておくことをおすすめします。

そんな国立航空宇宙博物館のコレクションには、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な展示品をご紹介します。

《アームストロング宇宙飛行士着用の圧力スーツ》

本展示品は1969年7月16日に打ち上げられたアポロ11号に持ち込まれた圧力スーツです。アポロ11号の機長を務めたニール・オールデン・アームストロングが、船外活動をする際に着用しました。

1969年7月20日、アポロ11号はアームストロング機長と2名の船員を乗せて月面に降り立ちました。機長らはすぐに船外活動の準備をはじめ、1969年7月21日02:56に人類で初めて月面に足をつけます。このときに機長は「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。」という有名な言葉を残しました。

この際に使用された宇宙服が本展示品です。宇宙船外での作業時、無重力の宇宙船内での活動時のどちらであっても、宇宙飛行士の生命を維持できるように設計されています。帰還後はしばらくNASAで保管されていましたが、1971年から当博物館のコレクションに加わりました。

本展示品の重要なポイントは、宇宙飛行士の安全を守るのはもちろん、機動性も兼ね備えている点です。

《月の石》1972年

本展示品はアポロ17号の船員が月から持ち帰った石です。

アポロ17号は1972年12月7日に打ち上げられました。アポロ計画最後の飛行であり、機長1名船員2名の計3名が搭乗していました。この飛行から2020年現在までの期間において、有人月面着陸は実現していません。

アポロ17号は1972年12月7日に打ち上げられました。アポロ計画最後の飛行であり、機長1名船員2名の計3名が搭乗していました。この飛行から2020年現在までの期間において、有人月面着陸は実現していません。

本展示品は、1972年12月11日からスタートした船外活動において採取されたものです。月面の地質学を研究するために重要なサンプルとなり、火山岩の1種である玄武岩であることが分かっています。当博物館では月の石をただ見るだけでなく、切り取った石の一部に手で触れることも可能です。

《ライトフライヤー号》1903年ライト兄弟

本作品は、動力飛行機の発明者で世界初の飛行機パイロットであるライト兄弟が制作した飛行機です。

ライト兄弟とは、ライト家の三男ウィルバーと四男オーヴィルのことを指します。二人は牧師の息子として生まれ、生涯のほとんどをオハイオ州デイトンで過ごしました。

19世紀末、蒸気機関車や蒸気船が走り、空では熱気球や飛行船が飛んでいました。しかし、動力で飛行する機体は発展途上であったため、ライト兄弟は研究に乗り出します。1899年から始めた研究では、飛行機が1つの発明ではなく機械を動かすための複数の動作を平行して開発する必要があることに気付きます。そこで、推進力・制御力・構造などを計算しながら、毎年のように試行実験を行いました。

1903年にライトフライヤー号が完成すると、12月17日に12秒間、36メートルの飛行に成功します。4回目の飛行では59秒間・255.6メートルという成果も挙げています。ライト兄弟は飛行実験成功という栄光を掴んだかのように見えました。しかし、彼らの特許取得には反発の声も大きく、1914年には他の機体が「世界初飛行に成功した機体」として紹介されるようになります。

飛行機業界からは忘れ去られてしまったライト兄弟でしたが、ロンドンの科学博物館は彼らの偉業を評価しており、ライトフライヤー号の展示を希望しました。オーヴィルはこれを受け入れ、1928年にイギリスへと移送されました。

その後、イギリスでライトフライヤー号を見たアメリカ人旅行者たちが「アメリカの遺産がなぜここにあるのか」と声を上げます。そのため、飛行機業界はライト兄弟の偉業を正式に認め、イギリスからの返還を求めました。

アメリカに戻り、当博物館での展示をスタートしたのは1948年です。飛行士が操縦している様子を再現しており、人の大きさと比べるとかなり大きな機体を制作したことがよく分かります。

■おわりに

国立航空宇宙博物館はワシントンD.C.にある博物館です。「空を飛びたい」「宇宙に行きたい」という先人たちのロマンが詰まった展示品は、どの年代の人が鑑賞しても心が躍ります。アメリカを訪れた際には、是非一度足を運んでみてください。

公式ホームページ

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

関連記事一覧