ダナン博物館:戦争と民族の歴史を一気に学べる博物館

三角錐のガラスがとても現代的な印象を与えてくれるダナン博物館。ダナンの歴史や文化の展示を行うだけでなく、ベトナム戦争や少数民族の生活様式まで幅広くカバーした大規模な博物館です。2011年にオープンしたこの博物館は、比較的新しい観光スポットです。2012年にリニューアルされてからは展示物が増え、見所も増えています。ダナンに到着したら、まずはダナンの歴史に触れるために、ダナン博物館へ足を運んでみませんか?

■ダナン博物館

ベトナムを代表するリゾート地のダナンには、実はあまり観光スポットがありませんでした。ですが、ダナンの歴史や文化を知るための博物館が、満を持して2011年にオープンしました!それがこのダナン博物館なのです。

ダナン博物館の美術館建築は、非常に近代的です。ルーブル美術館を彷彿とさせる青のガラス張りの三角錐がとても印象的で、訪れる人をまず建物から誘い込んでいます。建物は3階建てで、階層ごとにそれぞれテーマを持った展示を行っています。

博物館の周りには、建物を囲む形でお堀のような物が作られているため、来館者は橋を渡って入館を行います。これは、今の博物館が建てられている場所にかつて存在した、1800年代のタンハイ城の名残なのだとか。外から見てもその歴史の長さを感じさせるダナン博物館は、まさにダナンの歴史を紹介するのにふさわしい場所となっています。

また、館内には英語とベトナム語の情報がありますが、その他の言語で展示作品の詳細を知りたい場合は、ツアー旅行で行くことをおすすめします。とはいえ、説明書きなしでも見て楽しめるように工夫されていますので、フラっと訪れても大丈夫でしょう。

■ダナン博物館の所蔵・展示品

ダナン博物館は、ダナンの歴史や文化に関する展示から、ベトナム戦争、そして少数民族に関する展示など、盛りだくさんの内容で構成されています。

それぞれが独特なテーマ性を持っているので、階層ごとに違った雰囲気を味わうことができます。

ダナンの歴史について予習をしていけばより楽しめますが、たとえ歴史が苦手でも、博物館では写真や人形をうまく使いながら展示を行ってくれているので安心です。ダナンがどんな歴史をたどってきたのか、一目でわかるでしょう。

展示はどこから回ってもOKですが、ダナン博物館では1階から見て回ることを推奨しているようです。

では、ダナン博物館にはどのような所蔵・展示品があるのでしょうか。今回は、ダナン博物館の展示を階層ごとに分けてご紹介していきます。

・屋外

ダナン博物館は、美術館建築も目を見張るほどの美しさを誇っていますが、その建物の周りにも展示品が多く飾られています。ベトナム最後の王朝だった阮朝(げんちょう)時代(1802~1945年)に活躍した大砲をはじめ、ベトナム戦争時代のヘリコプターなどが置かれていますので、館外の展示にも注目です。

そのなかでも、ダナン博物館の前に飾られている白い《グエン・チー・フオン氏の像》は、ひと際目立つ存在です。グエン・チー・フオン氏は、阮朝時代に活躍した軍司令官です。開墾地の鎮圧や守護を担っただけでなく、当時シャム国と呼ばれていたタイ軍を倒し、カンボジアの国境安定と鎮圧にも尽力しました。さらに、1858年のダナンの戦いではフランス軍を圧倒し、撃退した功績から、ダナンの英雄としても称されています。

・1階

ダナン博物館の1階では、ダナンの歴史や文化を紹介する展示が行われています。ダナンは、18世紀ごろまで田園風景が美しい港町として栄えていたのだそう。その後、近代的な開発が進められ、現在まで大都市として発展を遂げてきました。博物館では、16世紀ごろの港町ダナンの様子をはじめ、発展が続く1920年以降のダナンの町並みの変化を、写真や人形、ジオラマでの再現という手法でわかりやすく紹介しています。

また、港町ということから、ダナンでは貿易も盛んでした。中国からもたらされたセラミック陶磁器をはじめ、ダナン近郊の自然などについても紹介されています。

さらに、ダナンでは1887年にフランスに植民地として統治されるまでの間、漢字を主に使っていたという歴史があります。博物館では、このことについての展示も行われていますよ。
今ではダナンで使われている言語はベトナム語がメインになっていますが、漢字を使っていたなんて想像ができませんよね。こういった想像できないことを、パネルでしっかり紹介してくれています。

・2階

ダナン博物館の2階では、フランスの植民地時代からベトナム戦争、そして独立までの激動のベトナム史についての紹介を中心に展開しています。
ベトナム戦争当時に使用された武具や遺物、当時発刊された新聞だけでなく、ベトナム戦争時にアメリカ軍の攻撃について記された日記、ホー・チ・ミン作戦により南ベトナムを開放したホー・チ・ミン氏の勲章など、バラエティに富んだ展示です。

ベトナム戦争当時の写真展示や模型展示もありますが、中には目をそむけたくなるものもあります。これは、展示品を観ることによって戦争の恐ろしさを再度考えさせるための展示方式です。ダナンだけでなく、ベトナム全体の歴史を理解するためにも、大変価値のある展示ブースです。

・3階

ダナン博物館の3階では、ダナン近郊に住んでいる少数民族の生活についての展示が行われています。ダナンではいくつかの少数民族が生活をしていますが、ここでは、古くからある少数民族のひとつ「カトゥー族」についての紹介がメインになっています。

カトゥー族は、先祖代々受け継がれている独自の伝統文化と言語を持つ少数民族で、通称「森の民」と呼ばれています。カトゥー族は森の恵みを受け、森と共存しながら今現在もダナン近郊で暮らしています。

この展示では、カラー写真での紹介がメインとなっています。写真に映った華やかな手織りの民族衣装は非常に美しく、これらは少数民族の伝統工芸品としても高く評価されています。カトゥー族が実際に身に着けている衣服だけでなく、人形を用いて手織りの工程を紹介している展示もあります。少数民族の生活を、一目で知ることができる貴重なブースなのです。

■おわりに

ダナン博物館には、訪れる人を飽きさせない展示が多く展開されています。
各フロアにテーマ性を持たせており、人形やパネル、模型、ジオラマの展示からダナンについてより深く知ることができます。特に、ダナン博物館はジオラマ展示に力を入れています。展示を見ているうちに、滞在時間がいつの間にか長くなってしまう!なんてことも。

とはいえ、ダナン博物館の平均滞在時間は1時間から1時間半とのことですので、ダナンについてより深く知りたいあなたは是非足を運んでみてください。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

関連記事一覧