ベトナム国立自然博物館:36億年の生命と自然の歴史を探索できる博物館

ベトナム国立自然博物館は2004年に開館した、ベトナムのハノイにある博物館です。36億年前から現在までの生命や自然の歴史について、約40,000点におよぶ化石や標本などの展示により学ぶことができます。魅力いっぱいの展示スペースや投影スクリーン、3Dシネマによる科学映画、体験学習などが魅力となり、毎日多くの訪問者が訪れる観光スポットとなっている場所です。そんなベトナム国立自然博物館の歴史と所蔵品について詳しく解説していきます。

ベトナム国立自然博物館とは

※博物館のイメージ画像

ベトナム国立自然博物館はベトナム、ハノイのベトナム科学技術大学内にある博物館です。36億年前から現在にいたるまでの生命の歴史やベトナムにおける自然の特徴について紹介することを目的として、2004年に設立されました。古代の化石や植物、昆虫、動物の標本などの幅広い展示により、生物界の多様性を示し、地球の進化の歴史について学ぶことができる場所として、有名な観光スポットの一つとなっています。

博物館には屋内と屋外の両方に展示エリアがあり、それぞれの展示スペースは楽しく居心地の良い空間となっています。館内の各エリアに設置された投影スクリーンによって、訪問者が動植物の進化をよりよく理解できるような構造にもなっています。また、宇宙、海、恐竜、昆虫、魚、人間の進化に関する6つの科学映画が上映される3Dシネマルームも設置されています。博物館の入口前には、リアルで巨大な恐竜のオブジェが目印のように展示され、訪問者を出迎えています。

この博物館では、ベトナムの自然標本の研究、収集、保存、製造、設計、展示において徐々に発展をとげており、現在国際的にも多くの成果を上げています。また、国内外の子供や地元の人々、観光客向けの学習の場としても貢献しています。

ベトナム国立自然博物館の所蔵品

ベトナム国立自然博物館では、約6000種の動物(爬虫類、両生類、魚、哺乳類、鳥など)、約25000種の昆虫(蝶、甲虫、トンボ、セミ、カマキリなど)、約10000個のキノコサンプル、約2000個の地質学および古生物学のサンプル、など、およそ40,000点におよぶ多様で幅広い展示品が紹介されています。

そんなベトナム国立自然博物館の展示は、どのような構成になっているのでしょうか。主要な展示エリアについてご紹介します。

・《進化のツリー》

このエリアでは、人間の先祖、原生動物、菌類、植物、動物という5つに分類された生命の多様な世界が表現されています。展示室を取り囲む木製の壁には、地球における36億年の生命の進化が、枝分かれしたツリーの図一面に描かれています。また、植物の発展プロセスが、大きくカラフルなオブジェとして展示されています。

・《典型的な化石記録を持つ生命史》

※化石のイメージ画像

このエリアでは、地質学的発達期に典型的な化石記録を持つ生命史について紹介されています。展示では、先カンブリア時代(46億~5億4100万年前)、古生代(5億4100万~2億5200万年前)、中生代(2億5200万~6600万年前)、新生(6600万年~現在まで)という4期間にわたる典型的な化石記録を紹介しています。水鳥(ドイツで1億5400万から1億3500万年前に発見)の化石をはじめ、復元された世界的にも有名な化石が含まれています。もちろんベトナムで発掘された化石の展示もあります。

・《人間の進化》

このエリアでは霊長類から形成された人類の進化のプロセスを紹介しています。霊長類とは、動物分類学上で霊長目に相当し、原猿類、新世界ザル、旧世界ザル、類人猿、ヒトなどを含む種類のことです。現存する霊長類は約200種あるといわれており、ヒト以外の霊長類は主に熱帯地域や亜熱帯地域に分布しています。

人間の進化は原始的なヒト型から構成されており、そこから異なる人種へ進化がすすみ、現代の人間へと進化してきました。ここではその人類の進化の過程が標本によって紹介され、それにともなう写真の展示によりさらに詳しい説明がされています。

引用

・《動物の世界》

※標本のイメージ画像

このエリアでは、トカゲ、トラ、ヘビ、タツノオトシゴ、ヒトデ、サンゴ、カキといった脊椎動物と海洋生物の標本が豊富に展示され、その多様な世界を探索することができます。脊椎動物とは動物分類のひとつで、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類などがあげられます。脊椎動物は約5億3000万年前に進化し始めたとされています。

ここでは、ハノイ動物園で収集されたインドシナのトラの標本や、コイやキングコブラの骨格の化石、インドシナ翼竜の標本、さらにユニークな海洋生物などの珍しい展示品が紹介されています。

・《昆虫の世界》

※標本のイメージ画像

このエリアでは昆虫の標本を展示しており、この博物館での昆虫コレクションはベトナム最大であるとされています。昆虫の起源は今から4億年以上前にさかのぼることがわかっており、現在地球上に約100万種が生息し、全生物種の半数以上、動物種の75%以上を占めています。昆虫は約3億年前に翅を得たことにより生息範囲を爆発的に広げ、その過程でそれぞれの形態を多彩に発達させてきました。現在でも、地球上のあらゆる環境に適応しながら生息する昆虫は、脊椎動物とならび、最も繁栄をとげた生物種であるといえます。

こちらの展示では、蝶、トンボ、セミ、カマキリ、カブトムシなどが、それぞれのセットの中に数百種ずつ配置されています。特にカブトムシの巨大なサンプルの数々は、子供たちの人気を集めています。

・《植物と菌類の世界》

このエリアでは植物と菌類の世界について紹介されており、その多くはベトナムの地域から持ち込まれた植物やキノコ類の標本が展示されています。

おわりに

ベトナム国立自然博物館は、毎日何百人もの訪問客でにぎわう人気の観光名所です。昆虫サンプル、恐竜ロボット、動物マスクなどを作成する子ども向けの体験活動も随時開催されています。また入館料が無料なので家族旅行にはうってつけの場所と言えます。一般公開は木曜日から日曜日で、お昼は一時閉館をしています。大学内にあり、少し場所が分かりづらいので、地図をしっかりみてくることをおすすめします。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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