ホーチミン作戦博物館:ベトナム戦争とホーチミン作戦の経緯å

ベトナム戦争終結を象徴する出来事「ホーチミン作戦」を題材とした博物館が、このホーチミン作戦博物館です。店内の解説はベトナム語だけではあるものの、模型やパネルなど、視覚を用いた展示は非常にわかりやすく、世界中の観光客が訪れる場所となっています。ホーチミン作戦博物館を訪れれば、ベトナム戦争での出来事やその当時の人々の姿を垣間見ることができます。ベトナム戦争を終結に導いた「ホーチミン作戦」をリアルに現代に伝えてくれる場所が、このホーチミン作戦博物館なのです。

■ホーチミン作戦博物館

ホーチミン作戦博物館は1986 年に開館しました。この博物館は、ベトナムはホーチミンにある「歴史博物館」と「動・植物公園」の向かいにある博物館です。その名前の通り、ベトナム戦争時に革命家ホーチミンが唱えた「ホーチミン作戦」の内容を中心に、ベトナム戦争時にサイゴンに住んでいた人々の生活風景や生活様式を展示している博物館です。

ホーチミン作戦とは、共産主義であった北ベトナム軍が、当時の南ベトナムの首都サイゴンを陥落させるために行った作戦のことです。これを唱えたのが、革命家のホーチミン氏で、見事に作戦が成功し北ベトナム軍が勝利した、というのが流れです。

ホーチミン作戦博物館では、北ベトナム軍が南ベトナムのサイゴンをどうやって陥落まで持っていったのか、革命の経緯がわかりやすく展示されており、どんな方でも苦なく見学できるようになっています。

この建物は、フランスの建築家によって設計され、もともとは南ベトナムの陸軍高級将校の宿舎でした。その後、国防大学などにも利用され現代に至っています。ベトナムの気候が熱帯であるため、ホーチミン作戦博物館のクリーム色の建物には、どこか涼しげな印象を感じます。

■ホーチミン作戦博物館の所蔵品・展示

ホーチミン作戦博物館の所蔵・展示は、前述の通りベトナム戦争において革命家ホーチミン氏が提唱した「ホーチミン作戦」を中心とした展示が展開されています。ホーチミン作戦博物館の外には、当時使われていた戦車やヘリコプター、兵器などが展示されているので、館内外ともに楽しむことができます。

館内には、ホーチミン作戦の主導者である革命家、ホーチミン氏の銅像をはじめ、ベトナム戦争当時の写真を使った展示やパネルでの解説があります。そしてホーチミン作戦時の最高司令部のメンバーたちの様子やサイゴン陥落時の様子などを、人形模型でリアルに再現した展示もあります。展示品はこれだけではなくベトナム戦争当時、実際に使われていた物品が展示されていますので、当時の状況を一目で理解することができます。

展示紹介はベトナム語での解説と、英語のパンフレットのみの取り扱いであるものの、写真やシーン再現の展示によって、世界中の人がわかりやすい展示を行っているのが、ホーチミン作戦博物館の良いところです。

そんなホーチミン作戦博物館では、どのような展示が展開されているのでしょうか。ここで、ホーチミン作戦博物館の所蔵品や展示について一部ご紹介していきます。

・《ホーチミン氏の銅像》

本展示は、館内に入ると私たちを出迎えるような形で展示されている革命家・ホーチミン氏の銅像です。

ホーチミン氏の銅像の後ろには、ベトナムの国旗と当時の様子をとらえた写真や、平和を願う写真が一緒に展示されています。ホーチミン氏はベトナム戦争で南北に分断されたベトナムの南側(南ベトナム)を開放まで導いた人物として、ベトナムで親しまれています。

ホーチミン氏は、粛清を嫌ったそうで、民間人の前で演説するときの最初のあいさつでも、「皆さん、ご飯をお腹いっぱい食べていますか?」という様に国民を気遣うあいさつも行っていたのだとか。また、子供が好きなホーチミン氏は、常にポケットに飴玉を忍ばせていたという逸話があります。

・《無条件克服のラジオを聴いているシーンの再現》

本展示は、ベトナム戦争終結と言われている南ベトナム側の無条件降伏をラジオで聞いているシーンを人形の展示で再現したエリアです。

展示エリアには当時の同じままの様子を写した写真もあり、その再現率の高さをうかがい知ることができます。写真だけでは伝わりづらい当時の雰囲気が、人形を通して見事に再現されており、まるで自分がその場に居合わせているかのような錯覚に陥ります。リアルなのは模型だけでなく、机上に置かれたホーチミン作戦の地図までも、リアルに再現されています。

・《A37戦闘機》

1975年にタンソンニャット空港を爆撃したのが、このA37戦闘機です。これが、ホーチミン作戦博物館の館外に展示されています。海外旅行に精通している方ならお察しのとおり、タンソンニャット空港は、現在のホーチミンの国際空港です。ベトナム戦争当時のタンソンニャット空港は、南ベトナム空軍(アメリカ空軍)の重要軍事施設でした。

・《戦車T4-848号》

この戦車は、1975年4月30日に当時の南ベトナム大統領官邸に突入した戦車の片割れで、国宝に認められた戦車です。一緒に突入した《戦車T54B-843号》は、ベトナム軍事歴史博物館に保存されています。

ホーチミン作戦博物館の館外の見学には料金がかからない為、戦闘機や戦車は無料で見ることができます。

■おわりに

ホーチミン作戦博物館には、上記以外にも注目すべき所蔵・展示作品がたくさんあります。

ベトナム戦争を取り上げた博物館の中でも、ホーチミン作戦を中心に展開している博物館で、ベトナム戦争とホーチミン作戦について、わかりやすく知ることができます。ベトナム戦争は今でもベトナムの人たちにとって、忘れることのできない傷跡を残している戦争でもあります。ホーチミンを訪れたら、ベトナムの歴史を知る一環として、ぜひホーチミン作戦博物館にも足を運んでみてください。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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