クラレンス・カーター:アメリカを代表する盲目のソウル・シンガー

アメリカを代表する盲目のシンガーが、クラレンス・カーター。少年時代から音楽に親しみ、大学卒業後からヒット曲を発表し続けてきました。1966年11月以降はソロとして活動を開始、1970年に発表した代表曲『Patches』は、1971年のグラミー賞のBest R&B Song賞を受賞しています。ソウルフルな歌声と軽快なミュージックは、世代を超えて世界中のソウルファンの心を掴んで離しません。この記事では、クラレンス・カーターの経歴や代表曲を紹介します。

◼︎クラレンス・カーターとは

クラレンス・カーターは1936年生まれ、アメリカのアラバマ州モンゴメリー出身のシンガーソングライターです。クラレンス・カーターは生まれたときから目が見えず、そのハンディを背負っていましたが、少年時代からギターに親しみ、音楽に対する感性を磨いていきます。

故郷アラバマ州の盲目学校で勉学に励んだクラレンス・カーターは、アラバマ州立大学に入学し、音楽を専攻し、学位を取得しています。大学卒業後の1961年に友人とグループを結成、同年6月にシングルを発表してシンガーとしての活動をスタートします。

その後も所属するレコード会社を変更するもヒットには恵まれず、不遇の時代を過ごすことになります。1965年にはアトコ・レコードからシングルを発表、話題にはなるもヒットにはなりませんでした。1966年以降はクラブを中心に活動し始め、地道に音楽活動を継続していきます。

1966年、結成していたグループメンバーの事故によって、グループ活動を終了することになります。その後の同年11月、クラレンス・カーターはソロデビューを飾りました。デビュー曲はR&Bチャートで35位を記録し、作詞作曲活動でも徐々に知名度を高めていくことになります。

1967年にはアトランティック・レコードに移籍し、翌年の1968年に発表した『Slip Away』がビルボード・ホット100で6位を獲得します。1970年に発表した『Patches』は自身最大のヒットを記録し、1971年のグラミー賞でBest R&BSong賞を受賞しました。この活躍ぶりはアメリカ中の注目を集め、クラレンス・カーターはソウル・ミュージックを代表するシンガーとなります。

ソウル界を牽引する圧倒的な歌唱力と活躍ぶりを披露してきたクラレンス・カーター。アメリカのソウル界に不動の地位を築いている巨人。その代表曲を次章で紹介しましょう。

※写真はイメージです

◼︎クラレンス・カーターの代表曲

ソウル・ミュージックの歴史に残る名曲を生み出してきたカーターですが、その主要な代表曲は、サザン・ソウルの聖地といわれるフェイム・スタジオで録音された作品が有名です。サザン・ソウルはブルースやゴスペルの影響を大きく受けたソウル・ミュージックで、カントリー・ミュージックの影響を色濃く受けており、心にダイレクトに響くような音楽性は、まさしくソウルの塊でしょう。クラレンス・カーターの主要な代表曲を紹介しましょう。

・Patches(パッチズ)

『Patches』は、1970年7月にリリースされたクラレンス・カーターの代表曲です。元々は同年にデトロイトのグループ、チェアマン・オブ・ザ・ボードが発表した曲でした。カーターが発表したPatchesの収録は、名門フェイム・スタジオでおこなわれました。

シングル曲として発表された『Patches』は、同名のアルバムにも収録され話題になりました。ビルボード・ホット100で4位を獲得、全英シングルチャートで2位を獲得と圧倒的な人気が注目を集めました。クラレンス・カーター最大のヒット曲といってもよいでしょう。モノローグから始まる名曲で、徐々にバックミュージックが盛り上がり、サビで最高潮のサウンドを迎えます。

深く伸びやかなカーターの歌声を堪能するには欠かせない名曲でしょう。コーラスも入った贅沢な曲の構成は、何度でも聴きたくなる魅力に溢れています。リズミカルなメロディーとポップな世界観を楽しめるでしょう。

・Back Door Santa(バックドア・サンタ)

『Back Door Santa』は1968年にリリースされた作品です。さまざまなアーティストが参加するコンピレーション・アルバムの一曲目に収録され、同年12月にはシングル作品として発表されました。タイトル通りクリスマスをイメージした曲ですが、歌詞の内容は刺激的なものです。

Back Door Santaはボン・ジョヴィ、ブラッド・デルプなど、名だたるアーティストにカバーされた名曲中の名曲です。キレのよいギターサウンド、力強い歌声、ロックライクのリズミカルな曲調は、圧倒的な魅力があります。ソウルフルなボーカルは何回聴いても忘れられません。

・The Dynamic Clarence Carter(ザ・ダイナミック・クラレンス・カーター)

アルバム作品の《The Dynamic Clarence Carter》は、ヒットを連発した当時の代表曲が詰まった珠玉の名盤です。1969年に発表され、ソウル・ミュージックのスタンダードとして長年愛され続けてきました。ソウルフルで熱いバラードは涙腺がゆるむほどに情熱的。渋さがありながらも軽快さも含んだ、絶妙のバランスが楽しめる作品となっています。

スタジオ・ミュージシャンとともに生み出された熱く魂の込もったサウンドは、どれも必聴の作品でしょう。収録曲はいずれのも欠かせない名曲ばかりです。クラレンス・カーターの黄金期を詰め込んだアルバムは、ソウルファンならずとも聞くことをお勧めします。

※写真はイメージです

◼︎おわりに

アメリカを代表する盲目のシンガー・クラレンス・カーターの経歴や代表曲を紹介してきました。1971年にグラミー賞を受賞するなど、飛び抜けた活躍ぶりを披露してきました。アメリカのソウル・ミュージックを語るなら欠かせない、時代を代表するアーティストの一人でしょう。

軽快なサウンドに乗せられた力強い歌声は唯一無二の個性。ほかのソウルシンガーとは一味違う世界観を楽しみたいなら、クラレンス・カーターの音楽を選ぶのは必然です。本能がうずくような音楽性は世界中の大勢のファンを魅了しています。今なお時代を超えて愛されるクラレンス・カーターのミュージックを、ぜひあなたも楽しんでみてはいかがでしょうか?

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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