
ルー・ロウルズ:エレガントな歌声を持った歌のテクニシャン
アメリカ出身のルー・ロウルズは“歌のテクニシャン”と称される歌手です。ゴスペル、ソウル、ブルースなど、さまざまなジャンルで発揮された甘美かつ濃厚な歌声は、アメリカ音楽史に残る至宝といえるでしょう。
1968年にはグラミー賞Best Male R&B Vocal Performance賞を受賞。受賞曲の『Dead End Street』は、ルー・ロウルズを語る上で欠かせない代表曲のひとつです。活動後期には慈善活動に従事していたことでも有名です。ルー・ロウルズの経歴や代表曲を紹介します。
◼︎ルー・ロウルズとは


ルー・ロウルズは1933年、アメリカのシカゴに生まれました。歌手のほか俳優や声優としても活動しており、マルチな才能を持った人物として知られています。ゴスペル、ソウル、ブルースなど、ジャンルに捉われない幅広い音楽性を披露してきました。深く心に響く歌声はアメリカの歌謡界を代表する存在とされ、“歌のテクニシャン”の異名を持っていることでも有名です。
ルー・ロウルズは、幼いころから祖母の影響でゴスペルに親しむ機会が多く、高校時代はアメリカを代表するソウル歌手、サム・クックと同級生でした。後々は同じゴスペルグループに所属し、その才能を高め合っていきました。
1951年にはChosen Gospel Singersに雇われたことによって拠点をロサンゼルスに移します。
1961年にキャピトル・レコードからデビューを飾り、1966年に『Love Is a Hurtin’ Thing』のヒットにより初めてのグラミー賞を受賞しました。
その後も1971年に『A Natural Man』で再度グラミー賞を受賞。1976年には代表曲『You’ll Never Find Another Love Like Mine』をリリースし、アメリカの歌謡界を盛り上げる唯一無二の存在になります。
1980年代以降は慈善活動に従事するなど、社会貢献活動に尽力していきました。残念ながら2006年にガンによって亡くなってしまいますが、ルー・ロウルズの名曲はこれからも受け継がれていくことでしょう。
◼︎ルー・ロウルズの代表曲
ルー・ロウルズはグラミー賞受賞曲など、数多くの名曲を残しています。深みがあり渋く、また伸びやかな彼の歌声は聞くものの心を一瞬で虜にするでしょう。また、トランペットやピアノの演奏との、見事な調和にも耳を傾けてみてください。
ここからはルー・ロウルズの代表曲を紹介していきます。
・You’ll Never Find Another Love Like Mine(別れたくないのに)
『You’ll Never Find Another Love Like Mine』は1976年に発表されたルー・ロウルズの代表曲です。リズミカルな演奏に、深く渋みのあるルー・ロウルズの声がベストマッチ。まるで演歌のようにこぶしの効いた特徴的な一曲です。
・ANatural Man(ナチュラル・マン)
『ANatural Man』は1971年にリリースされた、ハッピーな雰囲気に満ち溢れている楽曲です。ナチュラルで伸びやかな歌声をじっくりと堪能できるでしょう。ほぼ同名のアルバム『Natural Man』の一曲目にラインナップされており、気づけば好きになっていた人も多いといいます。
・Dead End Street(デッド・エンド・ストリート)
『Dead End Street 』は、米トップ・チャートで29位を記録したルー・ロウルズ活動初期の名曲です。1967年のグラミー賞では、Best Male R&B Vocal Performance賞を受賞しました。
ポップかつスムーズな歌声と、バンドのリズミカルな演奏が気分を盛り上げてくれるでしょう。贅沢なサウンドを味わえる、ルー・ロウルズ珠玉の名曲です。
◼︎おわりに
ルー・ロウルズの経歴や代表曲を紹介してきました。渋く深く、そして甘美な歌声に魅了された人々はあとを絶ちません。時代を超えて今も変わらず愛される珠玉の名曲たちを、あなたも聴いてみてはいかがでしょうか?
ゴスペルやジャズ、ソウルと幅広い楽曲ジャンルも大きな魅力でしょう。まるで全身から奏でるような歌声は、魂を震わすような躍動感に満ちています。アメリカを代表する歌のテクニシャン、ルー・ロウルズの名曲たちを心から味わってみてください。
※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。