レイ・チャールズ:ソウルミュージックを代表する偉大なシンガー

アメリカのソウルミュージックといえば、まず名前が挙がるのがレイ・チャールズ。盲目のシンガー、ピアニストとして世界を感動の海に巻き込んできました。この記事では、そんなレイ・チャールズの経歴や代表曲を紹介していきます。

◼︎レイ・チャールズとは

※パリ、グレヴァン美術館にあるレイ・チャールズの蝋人形
※オールバニの風景

レイ・チャールズは1930年に生まれ、アメリカのジョージア州オールバニで育ったアーティストです。ソウルミュージック、黒人の魂を表現したブラックミュージックを代表する偉大なピアニスト、シンガーとされています。『ローリング・ストーンの選ぶ偉大な100人のシンガー』にも選出されており、その名前はアメリカ国内を飛び越え、世界中に轟いています。

レイ・チャールズは盲目のシンガーとして知られています。6歳の頃に弟を亡くし、その約9ヶ月後には緑内障で視力を失うこととなってしまいました。盲学校に通いながら点字などを通して教養を磨き、またピアノの学びも深めていきました。

※シアトルの景観

1947年にシアトルに移住し、音楽活動を開始します。1960年、カヴァー曲『Georgia On My Mind』がミリオンセラーを記録し、1967年には『Crying Time』によってグラミー賞を受賞。アメリカを代表するアーティストの座に登り詰めました。

華やかな経歴が注目されがちなレイ・チャールズですが、実はシアトル移住後からは薬物を使用する生活を送っていたといいます。シアトル移住から約20年後の1965年には麻薬の密輸で逮捕。ロサンゼルスの更生施設に入ることとなってしまいました。その後、麻薬から足を洗った彼は1980年に自身の伝記映画『Ray』に出演し、楽器店のマスター役を務めます。映画中で音楽演奏も披露するなど、その演技にも注目が集まりました。

2004年にはレイ・チャールズの生涯を綴った伝記映画『Ray』が公開され、アカデミー音響賞を受賞するなど脚光を浴びています。しかし、レイ・チャールズ自身は公開前の2004年6月に病気で亡くなってしまい、完成した映画を目にすることはできなかったといいます。

盲目という環境の中で名曲を作り続けてきたレイ・チャールズは、間違いなくアメリカの音楽史を代表するアーティストの一人でしょう。そんな彼の音楽活動と代表曲を、次章から紹介していきます。

◼︎レイ・チャールズの音楽活動

レイ・チャールズの音楽活動は、故郷ジョージアからシアトルに移った後に始まりました。バンドツアー中の活動が注目され、アトランティック・レコードと契約に至ります。1959年になるとアトランティック・レコードを離れてABCレコードと契約。名曲を生み出していきます。

1961年に代表的なカヴァー曲『Georgia On My Mind』を発表し、ミリオンセラーを記録する大ヒットになっています。1979年には同局がジョージア州の州歌に採用され、再度の注目を集めました。また没後2005年にグラミー賞の最優秀レコード賞のほか、8部門を受賞しています。

ここからは、レイ・チャールズの代表曲をいくつか紹介しましょう。

・Georgia On My Mind(我が心のジョージア)

レイ・チャールズを代表する名曲は、元々1930年にレコード録音がされた曲で、当時からすでにジャズのスタンダード・ナンバーとして愛されていました。レイ・チャールズが歌ったカヴァー版は、魂の鼓動まで響いてきそうなほどの思いや、愛情が歌に込められています

我が心のジョージアはレイ・チャールズのほか、ルイ・アームストロングやエラ・フィッツジェラルドなど、ジャズ界を代表する名アーティストにも演奏されています。それぞれの曲調の違いを比べながら、楽しんでみるのもよいでしょう。

伸びやかなピアノのメロディーに鳥肌が立つことは避けられません。ジョージアの誇りが込められた歌詞にも注目です。

また、日本で有名な缶コーヒー「ジョージア」のCMソングとして長年使用されたことも知られています。

・I Can’t Stop Loving You(愛さずにはいられない)

『I Can’t Stop Loving You』は、1962年6月の全米シングルチャートで第一位を記録した作品です。同年の年間シングルチャートで第二位を獲得するなど、アメリカ音楽史を彩った作品としても知られています。この作品からレイ・チャールズのファンになった方も多いのだとか。

スロウなテンポと、伸びるようなレイ・チャールズの歌声が心に沁みることでしょう。時代を経ても色褪せない、ソウル・ミュージックの定番曲です。

・Crying Time(クライング・タイム)

『Crying Time』は1966年2月に発売されたスタジオ・アルバムで、ビルボードアルバムチャートで15位を記録した作品です。R&Bのアルバムチャートでは栄光の第1位を記録しました。A面B面に収録された曲数は12曲になります。1967年のグラミー賞でBest Male R&B Vocal Performanceを受賞し、レイ・チャールズの知名度を高めるひとつのキッカケとなった作品です。

一曲目に収録されている表題曲『Crying Time』は、しっとりと引き込まれるようなレイ・チャールズの深く甘美な歌声を堪能することができます。スロウなメロディに思わず没入してしまうことでしょう。約40分にわたって繰り広げられるレイ・チャールズの世界に魅了されてみてください。

◼︎おわりに

ソウルミュージックを代表するアーティスト、レイ・チャールズの経歴や代表曲を紹介してきました。盲目というハンディを抱えながらも世界中の人々に愛される名曲を生み出し、演奏してきたレイ・チャールズ。深くメロウな歌声と、心に直接響くようなピアノのメロディー、彼の音楽は、まるで全身を使って演奏しているともいわれます。音楽だけでなく、できれば動画を通して曲を聴いてみてください。楽しみながら演奏する様子から、愛され続ける由縁が分かるでしょう。

レイ・チャールズの名曲たちを、ぜひじっくりと聴いてみてはいかがでしょうか?

レイ・チャールズ公式YouTubeチャンネル

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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