ルーマニア国立歴史博物館:ルーマニアの歴史を語るミュージアム

ルーマニアの歴史の経緯を学べる施設が、首都ブカレストにあるルーマニア国立歴史博物館です。陶器、装飾品、王室が収集した希少な宝飾品など、幅広いジャンルのコレクションを公開しています。歴史的価値も高い石板やレリーフなど、ここでしか見学できないコレクションを堪能することもできるでしょう。特に「トラヤヌスの記念柱」は、博物館を訪れたら必見の作品です。ブカレストにあるルーマニア国立歴史博物館の歴史やコレクションをご紹介します。

◼︎ルーマニア国立歴史博物館とは

ルーマニアはヨーロッパの南東部に位置する共和制国家。北側はウクライナ、北東はモルドバ、ヨーロッパとアジアの間にまたがる黒海にも面した国です。ルーマニアは世界的に有名な吸血鬼・ドラキュラが生まれた国としても知られ、かつては魔女の文化が根付いていたことでも知られています。現在でも職業として魔女や占い師をおこなっている人もいるのだとか。

首都であるブカレストはその昔、深い森に覆われた土地でした。歴史に登場したのは1459年。そこから徐々に街の整備が進み大きく成長を遂げ、大都市として発展の歴史を歩んでいきました。

ルーマニア国立歴史博物館は、そんなブカレストの中心地にあります。目抜き通りのヴィクトリア通りに面しており、宮殿のような立派な建物に目を引かれるでしょう。堂々とした建物の正面はイオニア様式のように円柱が連なっており、まるでギリシャ宮殿のような見た目です

この豪華な見た目から、かつては大統領夫人が舞踏会の会場として利用していたこともあります。上流階級御用達の建物として使われた施設は、その豪華さを引き継ぎ、現在は国の歴史を伝える重要な施設となっています。見学するときは建物の造りにも注目してみてください。

ルーマニアの歴史を展示したルーマニア国立歴史博物館。その館内で公開されているコレクションは、いったいどのようなものなのでしょうか?次章から、詳しく紹介していきましょう。

◼︎ルーマニア国立歴史博物館のコレクション

ルーマニア国立歴史博物館のコレクション内容は、王室が収集した希少な宝飾品コレクション、陶器、装飾品などから構成されています。陶器は中世から近代初期にかけての作品が多く、形状や装飾の変遷を知ることができるでしょう。

装飾品を展示したエリアでは黄金のブレスレット、ネックレス、カメオ、重さ1キロにもなるゴールドのヘルメットが展示されています。ヘルメットは上部に目が描かれた特徴的なデザイン。コレクションの目玉のひとつです。

また、博物館ではルーマニア人の祖先といわれるダキア人に関するコレクションも公開しています。ダキア人は紀元前1000年頃から現在のルーマニアがある地域で暮らしていた民族で、古代ヨーロッパで活動していた主要な民族のひとつです。博物館の正面にはダキア人の像が設置されており、注目の高さが分かるでしょう。ルーマニアの歴史に欠かせない存在といえます。

表面に細かな文字が装飾された石板は、ルーマニアの装飾技術の高さを物語っています。表面には文字のほかペガサスや天使像が彫られており、幻想的な雰囲気を添えています。加工技術を伝えることはもちろん、史実を知るための貴重な資料となっていることは間違いありません。

ここからは、ルーマニア国立歴史博物館の主要なコレクションを紹介します。

・トラヤヌスの記念柱のレプリカ

トラヤヌスは『五賢帝』にも選ばれる、ローマ帝国の皇帝の名前です。文武の両方に優れた手腕を発揮したトラヤヌスはローマ帝国の領土を広げ、帝国史上最大の版図を生み出しました。

トラヤヌスの記念柱はローマ帝国がダキア征服をおこなった当時の様子を克明に記録した作品です。レリーフにはそれぞれに細かい装飾がされており、征服時代の様子を見ることができるでしょう。巨大な柱は土台部分が切り取られたような形状をしており、地上には緑の扉が設置されています。損傷してはいるものの、当時の原型は見事に留めています。

レリーフには人々の生活の様子、植物、天使像など、種類豊富なモチーフが描かれています。人物像の表情はそれぞれに異なり、制作時のこだわりが垣間見えるでしょう。細かく精巧な彫りに息を飲むことは間違いありません。制作年は113年で、その歴史も非常に長いものです。

本物はイタリアのローマにありますが、この展示でも十分に記念柱のすばらしさは分かるでしょう。横のパネルには完全な状態の柱の写真が掲載されているので、実物を想像することも容易です。緑、赤、金など、華やかな色を使って装飾された柱の美しさは、言葉になりません

・石の棺

まるで透き通るような彫刻が施された石の棺は、博物館を訪れたら必見のコレクションです。棺の全面にスキマなく彫られた模様はまるで本物の植物のよう。躍動感に満ちており生命が宿っているかのような錯覚を受けます。上部にギッシリと書かれた文字はどこか幾何学的です。

石の棺は館内にいくつか展示されており、それぞれの彫りの違いを楽しんでみるのもおすすめです。側面に花が彫られた棺は美しく、おそらく女性のためのものでしょう、蓋には中で眠っているであろう故人の全身像が彫刻で再現されています。その細かさに目を見張るでしょう。

この棺が作られたのはいったい何年前なのでしょうか?棺は風化もしておらず美しい状態を維持しています。かつてのルーマニアの故人に対する配慮の深さや芸術性への造形の深さなど、さまざまな観点から見学すれば発見も多いはずです。ぜひじっくりと眺めてみてください。

◼︎おわりに

ルーマニアのブカレストにあるルーマニア国立歴史博物館の歴史やコレクションを紹介してきました。宝飾品、陶器、装飾品、石板、レリーフなど、いろいろな視点から歴史の真実に迫れるのが魅力でしょう。観光前に訪れれば、ルーマニアを120%楽しむことができるはずです。

◼︎おわりにルーマニアのブカレストにあるルーマニア国立歴史博物館の歴史やコレクションを紹介してきました。宝飾品、陶器、装飾品、石板、レリーフなど、いろいろな視点から歴史の真実に迫れるのが魅力でしょう。観光前に訪れれば、ルーマニアを120%楽しむことができるはずです。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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