ノーベル生理学・医学賞1979年ゴッドフリー・N・ハウンズフィールド:会社所属の研究者ながらノーベル賞を受賞したイギリスの電子技術者

ゴッドフリー・N・ハウンズフィールドは、イギリスのThorn EMI社中央研究所の電子技術者です。アメリカ合衆国の物理学者であるアラン・コーマックとともに、「コンピューター支援トモグラフィーの開発」という内容で1979年度のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

CTデータの基準となるCT値は彼の名前をもとに「ハンスフィールド値」とも呼ばれ、単位をHU(ハンスフィールドユニット)と定めています。
そんなゴッドフリー・N・ハウンズフィールドについて詳しくご紹介していきます。

◆幼少期、学生時代

ゴッドフリー・N・ハウンズフィールドは1919年8月28日に、イギリスのノッティンガムシャーで5人兄弟の末っ子として誕生しました。父親の農場にあった脱穀機や発電機などの電気機器に幼い頃から興味を持ち、自ら録音機やグライダーを作成して遊んでいました。グライダーに関しては本格的な知識を盛り込んで作り、1000フィート(約300m)の高さまで飛ばすことに成功したそうです。

その後飛行機のレーダー整備士となったハウンズフィールドは、ロンドンの王立科学大学を経てイギリス空軍大学クランウェルへ入学します。そこでオシロスコープとデモンストレーション機器の構築に専念し、空軍の少将から功績賞を授与されます。彼の才能を認めた少将は、ハウンズフィールドがファラデーハウスエレクトリカルエンジニアリングカレッジ(電気に関する専門家を育成する学校)に入学するための奨学金を用意。彼はその奨学金で学校に通い、さらに知識を深めていきました。

※画像はイメージです

◆受賞に至るまでの逸話など

1951年にEMI社の社員になるとレーダーや誘導兵器設計などに携わりながら、コンピューターに興味を持つようになります。この頃のコンピューターはまだ発明されたばかりのため様々な改善点やアイデアが生まれており、ハウンズフィールドにとっては良い研究対象だったのです。

コンピューターの改善がひと段落した頃、彼はEMI社の中央研究所へ異動となります。そこでは即時アクセス可能なコンピューターストアを設計するプロジェクトに配属されましたが、作業を進めるうちに商業的に実現不可能と判断され中止に。ハウンズフィールドは別の研究テーマを考えることを余儀なくされたのです。そんなときアラン・コーマックが発表したCT装置の論文を目にします。彼はこの論文を元に実際に装置を作ると決意し、コンピューターを用いて断層撮影できる機械を同僚と共に開発しました。

はじめは牛の脳などを使って断層撮影を行い、次に自分の脳を撮影。それが成功すると1971年にロンドンのアトキンソン・モーリー病院で嚢胞患者の脳を撮影し、翌年の1972年にこの結果を発表しました。1975年には現在のCT装置の原型である全身スキャナータイプの機械を開発。これらの功績が称えられ、1979年にノーベル生理学・医学賞受賞となりました。

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◆おわりに

熱心に勉強や研究を続け、医療発達へ大きく貢献したゴッドフリー・N・ハウンズフィールド。彼の開発がなければ画像診断技術の向上はなかったかもしれませんね。困難なことがあっても諦めず努力した姿勢、そしてその成果に心から敬意を表したいと思います。

出典:(THENOBELPRIZE、hounsfield)(5,2021)

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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