ノーベル生理学・医学賞1976年ダニエル・カールトン・ガジュセック:クールー病の原因を解明した医学研究者

ダニエル・カールトン・ガジュセックはアメリカ合衆国の医学研究者です。1976年に『遅発性ウイルス感染症の研究』でノーベル生理学・医学賞を受賞しました。パプアニューギニア島の流行病「クールー病」を研究した事でも知られています。そんなダニエル・カールトン・ガジュセックについて詳しく解説していきます。

◆幼少期、学生時代

ダニエル・カールトン・ガジュセックは、1923年9月9日にアメリカのニューヨーク州ヨンカーズで生まれました。ガジュセックは幼い頃から科学に興味があり、数々の本を読んで知識を広げていました。13歳〜16歳の夏にボイス・トンプソン研究所でアルバイトをし、そこで数学者兼物理化学者であるジョン・アーサー博士と出会ったことで医学研究の道に進むことを決めます。一般教育を終えるとロチェスター大学で物理学を学び、1946年にはハーバード大学で医学博士号を取得。その後もコロンビア大学やカリフォルニア工科大学で研究を続け、アメリカを代表するウイルス学者として実績を積み上げました。

◆受賞に至るまでの逸話など

1954年、メルボルンの医学研究所に客員研究員として配属されたガジュセックは、地方医であるヴィンセントからパプアニューギニアで蔓延している原因不明の病「クールー病」について聞かされます。クールーとは現地の言葉で「震える」という意味があり、病気の症状に震えがあったことなどからそのまま名前が付けられたと言われています。クールー病はパプアニューギニアで暮らすフォア族の中で流行しており、彼はその病気の謎を解明するためフォア族と共に生活を始めます。するとフォア族には亡くなった親戚の脳を食べる文化があると分かり、それが原因で病気が蔓延したのではないかと仮説を立てました。そしてそれを実証すべくさまざまな実験を行った結果、原因物質の特定には至らなかったものの脳を食べるのが原因であると証明することに成功したのです。
現地での研究を終えたガジュセックはさらに研究を重ね、クールー病の原因が悪性タンパク質の「プリオン」であることを突き止めます。プリオンとはタンパク質からなる感染性因子のことで、狂牛病やヤコブ病を引き起こす原因にもなっているものです。
これらの研究が高く評価され、ガジュセックは1976年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

◆おわりに

原因不明の病であったクールー病を研究し、その謎を解明したダニエル・カールトン・ガジュセック。彼のおかげで不安から解放された人も多くいたと思います。しかしクールー病を含むプリオンが原因の病気はまだ有効な治療法が見つかっていません。ガジュセックの研究を元に新たな治療法が確立されるのを願うばかりです。

出典:(Wikipedia、Daniel_Carleton_Gajdusek)(6,2021)

出典:(Wikipedia、gajdusek)(6,2021)

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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