ノーベル生理学・医学賞 1991年 ベルト・ザクマン:細胞体の測定法を発見した研究者

ベルト・ザクマンは、ドイツ出身の細胞生理学者です。1991年に『細胞内に存在する単一イオンチャネルの研究と測定法(パッチクランプ)の発見』でノーベル生理学・医学賞を受賞しました。そんなベルト・ザクマンの受賞までの道のりについて詳しく解説していきます。

◆生年月日、生まれた町、生まれた町の概略

※シュトゥットガルトの景観

ベルト・ザクマンは、1942年6月12日にドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州にあるシュトゥットガルトで生まれました。
シュトゥットガルトは、ネッカー川沿いにあるバーデン=ヴュルテンベルク州の州都です。ドイツを代表する工業都市で、ダイムラー・ポルシェ・ボッシュといった世界的に有名な企業の本拠地があります。そのため、メルセデス・ベンツ博物館やポルシェ博物館といった企業博物館があり、世界中から多くのファンが訪れます。

◆受賞に至るまでの逸話など

1968年、ミュンヘン大学の助手を務めていたザクマンは、同時期にドイツを代表する学術研究機関であるマックス・プランク研究所を訪れ、神経生理学者オットー・クロイツフェルトの助手も務めることになります。
1971年からはイギリスへ渡り、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの生物物理学者ベルンハルト・カッツの元で働きます。1974年にザクマンは猫の網膜の仕組みを電気生理学的に研究し、その論文によってゲッティンゲン大学の博士号を取得しました。
その後、マックス・プランク研究所に移動していたオットー・クロイツフェルトの元で再び研究を行いました。1979年からは細胞膜の研究グループに所属し、1980年代初頭までに単一イオンチャネルを測定する『パッチクランプ法』の開発に成功します。

(Public Domain /‘principle of patch clump’byレイキャビク. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

※『パッチクランプ法』の図

『パッチクランプ法』とは、細胞1個のような小さな部位に電極をくっつけて、電流や電圧の変化を計測する方法です。この発見は、基本的な細胞プロセス(活動電位や神経活動など)におけるイオンチャネルの関わりについての理解向上に繋がりました。近年ではシナプスや樹状突起・軸策のような局所的な動きを直接計測するためにも使用されています。
ザクマンと、この『パッチクランプ法』に関する研究で1991年度のノーベル生理学・医学賞を共同受賞しました。また、1986年のルイザ・グロス・ホロウィッツ賞や1989年 のガードナー国際賞も共同授賞しています。

◆終わりに

ベルト・ザクマンは、『パッチクランプ法』を発見した細胞生理学者です。『パッチクランプ法』は神経科学領域で標準とされる研究手法となり、電気生理学の発展に繋がりました。

参考:
ベルト・ザクマン
パッチクランプ法

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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