ウェス・クレイヴン:ホラー映画、スプラッター映画の巨匠

ウェス・クレイヴンは1939年にアメリカで生まれました。知人の紹介で映画に携わるようになり、『エルム街の悪夢』をはじめとしたホラー映画で名を知られるようになっていきました。そんなウェス・クレイヴンの人生と作品について詳しく解説していきます。

■ウェス・クレイヴンとは

ウェス・クレイヴンは1939年8月2日アメリカのオハイオ州にあるクリーブランドという街に生まれました。ウィートン大学で英語と心理学を学んだのち、ジョンズ・ホプキンス大学で哲学の修士号を取得。その後は教師をしていましたが、映画の世界を知った彼は徐々に映画へ関心を寄せるようになっていきました。

クレイヴンは16ミリフィルムのカメラを購入し短編映画を制作。その出来を見たクレイヴンの友人がニューヨークの映画製作会社に彼を紹介し、クレイヴンは映画業界で働くようになりました。ニューヨークでは「13日の金曜日」で知られるショーン・S・カニンガムに出会い、そのカニンガムのプロデュースで『鮮血の美学』を制作し映画監督デビュー。1984年に『エルム街の悪夢』、1996年には『スクリーム』が公開され、この2作はホラー映画における大ヒット作品となりました。その後も精力的に活動を行っていましたが、脳腫瘍を患い2015年8月30日に76歳でその生涯を閉じることになります。

■ウェス・クレイヴンの作品

クレイヴン作品の特長は、何といってもホラー映画やスプラッター映画で今までにない斬新な表現を生み出したことでしょう。特に『エルム街の悪夢』や『スクリーム』は、アメリカ国内ではもちろん海外でも高い評価を得ています。

そんなウェス・クレイヴンの主要な作品についてご紹介します。

・『インキュバス 死霊の祝福』 1981年

本作は1981年に公開された作品で、第2回ゴールデンラズベリー賞最低助演男優賞にノミネートされたことでも話題になりました。

ある村に文明を否定するヒッタイトー族が暮らしていました。村の人々は厳格な戒律を守りながら暮らしており、生活の中に機械を用いることを拒否していました。そんな村出身のジムは都会の学校に進学するため村と縁を切ったものの、結婚をきかっけに村へ戻ります。しかし村の者たちはよそ者を「インキュバス」と呼んで毛嫌いし、執拗に嫌がらせをしていました。ある日の深夜、ジムは人の気配を感じ様子を見に行くと突然トラクターが動き出し、トラクターと壁の間に挟まれ亡くなってしまいます。

・『エルム街の悪夢』 1984年

本作は1984年に公開されました。夢の中で人々を襲う殺人鬼フレディ・クルーガーを描いた物語です。

エルム街に暮らすナンシーは、夢の中で鋭利な鉄の爪を付けた怪人が現れるという悪夢に悩まされていました。ある日友人のティナが惨殺される事件が発生し、夢の恐怖は現実化することになります。ついに怪人の手はナンシーにも伸びることに。悪夢から目が覚めると傷が残っており、ナンシーは恐怖に震えます。悪夢とともに殺人事件が続く中、ナンシーは怪人フレディにまつわる秘密を知り、フレディと戦うことになるのです。

・『デッドリー・フレンド』 1986年

本作はダイアナ・ヘンステルの小説『Friend』を映画化した作品で、1986年に公開されました。

主人公ポールは15歳でありながら「BB」という名前のロボットを制作する腕前があるほどの少年です。ある日友人のサマンサが父親によって階段から突き落とされ脳死状態になってしまいます。サマンサを助けたい一心のポールは彼女の身体にBBの小型コンピュータを埋め込み、ロボットとしてよみがえらせることを思いつきます。

・『スクリーム』 1996年

クレイヴンの代表作にして、スプラッター映画の金字塔と言われる作品です。登場人物たちが「スプラッター映画で見られるお決まりのパターン」を会話の中で紹介し面白おかしく批判するものの、若者たちはそのパターンになぞらえながら殺されていってしまいます。こうした設定によって既に飽きられつつあったスプラッター映画の人気を復活させることに成功し、大ヒットを記録しました。続編となる『スクリーム2』『スクリーム3』、そして2011年には『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』が公開されています。

舞台はカリフォルニア州の田舎町ウッズボロー。自宅でホラー映画を見ようとしていた高校生ケイシーに不審な電話がかかってきます。電話の主は「クイズに答えてもらう。これに正解できなければお前を殺す。庭の明かりをつけてみろ」といい、ケイシーが明かりをつけるとそこには椅子に縛りつけられた恋人スティーブの姿が。スティーブはケイシーの前で殺され、パニックに陥ったケイシーは必死に逃げ出そうとするもののもみ合いの末ナイフで刺されて殺されてしまいます。

■おわりに

ウェス・クレイヴンはすでに時代遅れとなっていたスプラッター映画の人気を復活させた類稀な才能の持ち主です。76歳で惜しくも生涯を閉じることになりましたが、彼の作品は今でも高い人気を博しています。ホラー映画やスプラッター映画に興味のある方は、ぜひクレイヴン作品を鑑賞してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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