クァク・ジェヨン:『僕の彼女を紹介します』『猟奇的な彼女』を制作した映画監督

※画像はイメージです

クァク・ジェヨンは1959年5月22日に韓国の水原市に生まれた映画監督です。慶熙大学で物理学を学んだ後、映画監督としてデビューし『猟奇的な彼女』や『僕の彼女を紹介します』など韓国映画史に残る作品を制作しました。そんなクァク・ジェヨンについて詳しく解説していきます。

■クァク・ジェヨンとは

クァク・ジェヨンは1959年5月22日韓国の水原市に生まれました。慶熙大学で物理学を学んだ後、1989年に『雨降る日の水彩画』でデビュー。その後2作で興行的には失敗したものの、2001年には『猟奇的な彼女』が大ヒット。8年に及ぶ苦行の時を経て制作された作品は、そのユニークなカメラワークと意外なストーリーの展開により大きな反響を呼びました。

現在まで恋愛映画を中心に、数多くのプロジェクトに携わってきた映画監督です。

■クァク・ジェヨンの作品

クァク・ジェヨンの作品の特長は、さまざまなジャンルが融合されたラブストーリーが描かれている点でしょう。コメディやSF、そして切ないラブストーリーなどさまざまな側面から展開する物語は、韓国はもちろん、国外の鑑賞者も魅了してきました。

そんなジェヨンは、どのような作品を制作してきたのでしょうか。代表作をいくつかご紹介します。

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・『猟奇的な彼女』 2001年

本作品は2001年に公開されたロマンティック・コメディ映画で、キム・ホシクのネット小説を原作としています。1999年8月からパソコン通信「ナヌウリ」で連載された同小説は、強引な彼女に振り回される男性が主人公です。連載当初から若い世代の反響を呼び、本が出版された時には10万部を超えるベストセラーになりました。また、韓国では本作の影響で猟奇を意味する「ヨプキ」という言葉が流行するようになり、本来の「奇妙な、異様な」という意味から「かわいらしい、いたずらじみた」という意味でとられるようになっていきました。

兵役がおわって復学した主人公のキョヌは、ナンパをして女の子を追いかけまわす日々を送っていました。しかし、ひょんなことから出会った「彼女」に振り回されることになっていきます。彼女は、老人に席を譲らなければどつき、援助交際らしいカップルには文句をつけ、「ぶっ殺されたい?」が口癖です。キョヌは彼女に振り回され、暴力を振るわれ、身体はいつも傷だらけでした。一方、そんな彼女には元恋人との悲しい別れが原因でDV体質になってしまったという過去があり、もともとは優しい性格であることが明らかになります。キョヌはそんな彼女を受け止めるべく、奮闘していくのです。

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・『ラブストーリー』 2003年

本作品は2003年に公開されたロマンス映画で、母と娘、過去と現代、時を越えて展開する感動的なラブストーリーです。

現代、女子学生のジヘが家を掃除していると、母の古い手紙と日記を見つけます。そこには母が若いころに経験した、父ではない人との初恋の思い出が綴られていました。その一方、ジヘは同じ大学のサンミンに恋心を抱いていたものの、友人スギョンからサンミンへのメール代筆を頼まれ、自らの想いを隠してスギョンとしてメールを送ります。ジヘはスギョンに遠慮してサンミンと距離を置こうとするものの、不思議と2人の距離は縮まっていくのでした。

時はさかのぼり1968年の夏。ジヘの母ジュヒは田舎の叔父の家に遊びに行った時、のちにジヘの父となる人物であるテスと、その友人ジュナと出会います。この時、ジュナはジュヒに一目ぼれしてしまっていました。そのため、親の勧めでジュヒとの親交を深めようとするテスから手紙の代筆を頼まれたジュナは、その手紙に自分の想いをしたためてしまいます。親からの妨害やベトナム戦争など、さまざまな困難がふたりに降りかかるものの、そのたびにふたりはお互いへの思いをより強く募らせるようになっていきました。

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・『僕の彼女を紹介します』 2004年

本作品は2004年に公開されたロマンス映画で、警察官のヨ・ギョンジンと高校教師のコ・ミョンウの切ないラブストーリーを描いています。2004年の韓国映画年間観客動員数ランキング10位になったことでも話題になりました。

ソウル市警に勤める野心家の若手女性警察官ヨ・ギョンジン巡査はある日、財布泥棒を追っていました。しかし、やっと捕まえたと思われた犯人は物理教師のゴ・ミョンウで、真犯人ではなかったのです。この出会いの後も二人は様々な事件に巻き込まれていき、その中で互いに惹かれあっていきました。

付き合い始めた二人はお弁当を作ったり、過去の話をしたりと、徐々に心を開いていきます。しかし、ミョンウにとっては、事件となると飛び出して行ってしまうギョンジンのことが心配なことは変わりませんでした。2人は夏休みに旅行に行き、ミョンウは「自分の前世は風だった。死んだら風になりたい。」と話します。その帰り道、悪天候のせいで車が転倒してしまい、川に落ちてしまったミョンウをギョンジンは必死に救出しました。

事故のあとふたりは日常生活に戻り、お互いを思い合う気持ちは日に日に強くなっていきました。そんなある日、ミョンウはギョンジンの無鉄砲さが心配でたまらず、凶悪な殺人犯がいる現場についていってしまいます。そこでギョンジンの放った銃弾をミョンウは受けてしまい、亡くなってしまいました。ミョンウの死が受け入れられないギョンジンは何度も自殺を図ろうとしますが、そのたびになぜか助かってしまいます。ミョンウは以後、風となってギョンジンを見守っていたのです。ギョンジンは次第にミョンウの死を受け入れ、前を向こうとするのでした。

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・『僕の彼女はサイボーグ』 2008年

本作品は2008年に公開されたSFロマンス映画で、『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』に続く、「彼女シリーズ」第3弾にあたります。未来からやってきた人造人間の少女と、彼女に惹かれていく青年との共同生活を描くSFラブストーリーであり、ジェヨン監督にとって初の日本映画となりました。

2007年11月22日。20歳になった自分の誕生日プレゼントを買いに来た大学生・北村ジローは、デパートで奇妙なボディスーツの「彼女」と遭遇します。「彼女」はジローが食事に来たレストランにも出現し、「私も今日誕生日なの」と言うなど、大胆で奇妙な言動でジローを振り回していきます。一緒に過ごすうちにジローは徐々に「彼女」に惹かれていったものの、彼女は謎めいた言葉を残して突然姿を消してしまいます。

2008年11月22日、ジローは1年前を思い出しながら、再び同じレストランに食事に来ていました。なんとそこに「彼女」そっくりな女性が現れ、未来のジローが過去の自分を守るために作り送り込んだ人造人間であると打ち明けます。こうして新しい「彼女」との奇妙な共同生活がはじまり、ジローは徐々に「彼女」に思いを募らせていくのでした。

■おわりに

クァク・ジェヨンは『猟奇的な彼女』や『僕の彼女を紹介します』などの「彼女シリーズ」を制作した、韓国映画界を代表する映画監督です。韓国映画に関心のある方は、ぜひ彼の作品を鑑賞してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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