フランクリン・J・シャフナー:『猿の惑星』を制作した映画監督

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フランクリン・J・シャフナーは1920年5月30日に日本の東京に生まれた映画監督です。宣教師の父親の仕事のため16歳までを日本で過ごしています。戦後はテレビ業界でのキャリアを経て、『猿の惑星』や『パピヨン』といった作品を制作しました。そんなフランクリン・J・シャフナーの人生と作品について詳しく解説していきます。

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■フランクリン・J・シャフナーとは

フランクリン・J・シャフナーは1920年5月30日日本の東京に生まれました。宣教師であった父親の仕事の関係で16歳まで日本で育ち、父親が亡くなるとアメリカに帰国します。コロンビア大学に進学し法律を学びますが、第二次世界大戦が勃発。ヨーロッパや北アフリカ、アジアなどに従軍しつつ、戦略諜報局に所属するなど、アメリカ軍のために働きました。

戦後はテレビ業界に入り、CBSでディレクターの仕事に就きます。その後、『十二人の怒れる男』や『ケイン号の叛乱 軍事法廷』といったテレビドラマ作品を制作し、4度もエミー賞を受賞するなど映像制作の世界で名をあげるようになっていきました。

1960年にはアレン・ドルーリー原作の舞台作品『野望の系列』の演出を手がけ、1963年には劇場映画監督としてデビュー。『大将軍』や『猿の惑星』といった映画史に残る作品を制作しました。また1970年の『パットン大戦車軍団』ではアカデミー作品賞、監督賞など7部門を受賞し、アメリカを代表する映画監督となっていきました。

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1987年から亡くなる1989年までは、全米監督協会の会長を務めました。協会が設立している全米監督協会賞には、功労賞のひとつとして「フランクリン・J・シャフナー功労賞」が設けられており、シャフナーがどれほどアメリカ映画界に貢献したのかが伺えます。

(Public Domain /‘Kim Hunter in makeup, to play ape Zira, for the 1968 film Planet of the Apes. The film won an honorary Academy Award for John Chambers for his outstanding make-up achievement.’ by unknown author. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

■フランクリン・J・シャフナーの作品

シャフナーの作品では黒人問題や赤狩りのメタファーが取り入れられており、社会派映画が多く制作されました。また、理不尽な権力によって翻弄される主人公を描いたという点はシャフナー作品共通の特徴と言えます。

そんなシャフナーは、どのような作品を制作してきたのでしょうか。代表作をいくつかご紹介します。

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・『大将軍』 1965年

本作品は1965年に公開された歴史ドラマ映画で、ブロードウェイで大ヒットしたレスリー・スティーブンズによる舞台劇「The Lovers」の映画化作品にあたります。11世紀のノルウェーを舞台に、将軍の恋と激動の歴史が展開されていくのです。

舞台は11世紀のノルウェー。主人公のクリセゴン将軍は、フランドル地方の村を守る使命を負ったノルマン人の騎士です。ある日彼は、ブロンウィンという娘が自分の部下に嫌がらせをされているところを目撃してしまいます。次第に彼は、助け出したこの少女に惹かれていくのです。しかし、ブロンウィンの父は娘が幼い頃から婚約していたマークと結婚することをクリセゴン将軍に許可してもらおうとします。クリセゴン将軍はそれを認めましたが、ブロンウィンと結ばれることを望んでいたため、すぐに後悔することになるのです。

(Public Domain /‘Apes Cornelius (Roddy McDowall) and Zira (Kim Hunter) and Astronaut George Taylor (Charlton Heston), from the 1968 film Planet of the Apes’ by unknown author. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

・『猿の惑星』 1968年

本作品は1968年に公開されたSFアドベンチャー映画で、ピエール・ブールによる同名小説の映画化作品にあたります。『猿の惑星』シリーズ全5作のなかでは記念すべき第一作にあたり、その結末は多くの人々を驚かせました。

ケネディ宇宙センターから発進した一隻の宇宙船。光速の宇宙航海を終え、宇宙飛行士のテイラー、ランドン、ドッジの3人は深い冬眠から目覚めることができましたが、唯一の女性乗組員であるスチュワートは睡眠室の故障により死亡してしまいました。宇宙船は未知の惑星の湖に墜落したようで、乗組員たちは沈みゆく船を放棄します。脱出する前にテイラーが船のクロノメーターを確認すると、1972年の出発から2006年後の3978年11月25日となっていました。

一行は荒涼とした土地を旅し、不気味なカカシのような人物や、植物が生い茂る淡水湖に出会います。そこで水浴びをしていたものの、言葉を使わない原始的な人間たちに服を盗まれ、ズタズタにされてしまいました。盗人の後を追いかけると、なんとそこには原始人のような人間の群れと、その群れを追いかける銃で武装した猿の騎兵隊が存在していたのです。

(Public Domain /‘American actor George C. Scott as General Patton. Also appears his Bull Terrier, Willie. Image from Patton film, 1970.’ by unknown author. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

・『パットン大戦車軍団』 1970年

本作品は1970年に公開された伝記映画で、第二次世界大戦中に活躍したジョージ・パットン将軍を描いた作品です。将軍の遺族は映画化に対して頑なに拒否したため、フランシス・フォード・コッポラとエドマンド・H・ノースが2冊の伝記から遺族の協力なしに脚本を制作。第43回アカデミー賞では作品賞や監督賞をはじめとした数々の賞を受賞し、本作はシャフナーの代表作となりました。

物語は北アフリカの第二軍団司令官着任からはじまります。その後、シチリア島侵攻時には第7軍司令官となるものの、戦争後遺症の兵士を殴ったことで司令官から解任されてしまいます。イギリスに戻されてからは、ノルマンディー上陸作戦の際に第3軍の司令官として復帰。ノルマンディー上陸作戦に先立って行われたスピーチは、特に映画のハイライトとして評判になりました。

2003年には、アメリカ議会図書館によって「文化的に重要である」と評価され、アメリカ国立フィルム登録簿にも登録されています。

■おわりに

フランク・J・シャフナーは1920年5月30日に日本の東京に生まれた映画監督です。『猿の惑星』や『パットン大戦車軍団』といった映画史に残る作品を制作しました。黒人や黄色人種、また赤狩りについてのメタファーを作品に取り入れており、その作品はエンターテイメント性をもちながら社会的メッセージもはらんでいるといえるでしょう。

代表作『猿の惑星』に関心を持った方は、ぜひ他のシャフナー作品も鑑賞してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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