フランシス・フォード・コッポラ『ゴッドファーザー』を制作した映画監督

フランシス・フォード・コッポラは1939年4月7日、アメリカ合衆国ミシガン州デトロイトに生まれた映画監督です。『ゴッドファーザー』を制作した映画監督として知られています。芸術家一家の1人で、娘のソフィア・コッポラ、息子のロマン・コッポラはともに映画監督、また俳優のニコラス・ケイジやジェイソン・シュワルツマンは甥にあたります。そんなコッポラの人生と作品について、詳しく解説していきます。

■フランシス・フォード・コッポラとは

フランシス・フォード・コッポラは1939年4月7日にアメリカ合衆国ミシガン州デトロイトに生まれました。父親は元NBC交響楽団のフルート奏者で作曲家のカーマイン・コッポラ、母親は女優のイタリア・コッポラであり、芸術に近しい環境で育ちました。

幼少期からニューヨーク近郊に暮らし、ホフストフ大学で演劇を学ぶ傍ら、映画史に残る名監督として高く評価されているセルゲイ・エイゼンシュタインの作品を研究するようになりました。その後、カリフォルニア大学ロサンゼルス校に進学したのち、映画の演出の仕事からキャリアをはじめることになります。映画監督としては、ロジャー・コーマンのもとで低予算映画の監督としてキャリアを開始。『雨のニューオーリンズ』や『パリは燃えているか』、『禁じられた情事の森』などの脚本を執筆しました。

1969年11月19日には映画製作会社アメリカン・ゾエトロープ社を設立し、ワーナー・ブラザーズと7本の映画製作の契約を結びました。しかし、一作目がワーナーの幹部によって酷評されたため、契約を打ち切られてしまいます。その後コッポラは危機的状況に追い込まれるものの、1972年には『ゴッドファーザー』が世界的にヒットしたことで、世界的に評価されることとなりました。

1979年の『地獄の黙示録』はカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。しかしその後『ワン・フロム・ザ・ハート』が興行的に失敗したことにより、1980年代以降には3度の破産に追い込まれるなど、苦境に立たされたこともありました。

長い期間精力的に制作活動を続けた一方、1975年からはニーバム・エステートの土地の一部を購入してワイン造りに進出しており、そちらでも高い評価を得ています。

■フランシス・フォード・コッポラの作品

フランシス・フォード・コッポラの作品の特徴は、その劇的なカメラワークと音楽にあるといえるでしょう。これには若いころエイゼンシュタインの作品を研究したことや、父親が作曲家であったことも影響していると考えられます。

そんなフランシス・フォード・コッポラは、どのような作品を制作してきたのでしょうか。代表作をいくつかご紹介します。

・『ゴッドファーザー』 1972年

本作品は1972年に公開されたドラマ映画で、マリオ・プーゾの同名小説を映画化した作品です。公開されるとともに大ヒットし、アカデミー賞において作品賞、主演男優賞、脚色賞を受賞しました。また1990年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録されています。

舞台は第二次世界大戦直後のアメリカ。ニューヨークの5大ファミリーのひとつでイタリア系マフィアの「コルレオーネ・ファミリー」では、ドンであるヴィト・コルレオーネの娘コニーの結婚式が盛大に行われていました。ヴィトには他に3人の息子と一人の養子がいますが、その中でも末息子のマイケルはひとり大学を出て軍隊に入り、戦場で活躍していました。華やかな雰囲気の一方、ヴィトは執務室で娘をレイプされたという葬儀屋に頼み込まれて、困惑しながらもその報復を部下に指示します。また自らが名付け親となっていた歌手のジョニーの頼みで、息子かつ組織の弁護士であるトムを介してスタジオのプロデューサー・ウォルツを脅迫する事件を起こします。

ある日、5大ファミリーのひとつであるタッタリア・ファミリーの麻薬密売人であるソロッツォが、政治家や司法への人脈の厚いコルレオーネ・ファミリーに麻薬取引を持ち掛けてきます。ヴィトは麻薬取引を固く禁じていたものの、長男で跡継ぎのソニーは乗り気であったため、ソロッツオはヴィトを殺害すれば取引は可能だと考えます。ヴィトはソロッツオらによって襲撃事件を引き起こされ、昏睡状態になったものの、一命をとりとめました。しかし、この事件をきっかけにコルレオーネ・ファミリーはタッタリア・ファミリーと全面戦争に入ることになるのです。

・『地獄の黙示録』 1979年

本作品は1979年に制作された戦争叙事詩映画で、ジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』を映画化した作品です。原作はコンゴ川を舞台としていたものの、本作では舞台をベトナム戦争に移し、現代の問題に焦点を当てました。1979年のカンヌ国際映画祭では、最高賞であるパルム・ドールを受賞、またアカデミー賞では作品賞を含む8部門でノミネートされ、撮影賞と音響賞を受賞しました。また、ゴールデングローブ賞では監督賞と助演男優賞を受賞するなど、コッポラ作品の中でも非常に高く評価された作品といえるでしょう。

舞台は1969年のベトナム戦争末期。アメリカ陸軍空挺将校であるウィラード大尉は、CIAによる要人暗殺の秘密作戦に従事してきた実績を買われ、元グリーンベレー隊長のカーツ大佐の暗殺指令を受けることになります。カーツはアメリカ軍の命令を無視して暴走し、カンボジアのジャングルの中に独立王国を築いており、軍部では問題視されていました。

ウィラードは海軍の哨戒艇に乗り込み、乗組員に目的地を知らせぬまま大河を進んでいきます。そこでは、サーフィンをするためにベトコンの基地を襲撃する指揮官や、麻薬におぼれ正気を失っていく兵士たちなど、戦争の狂気が広がっていました。やがてカーツの王国に近づくにつれて、ウィラード自身も少しずつ心の平静を保てなくなっていくのでした。

■おわりに

フランシス・フォード・コッポラは1939年にアメリカ合衆国ミシガン州デトロイトに生まれた映画監督です。『ゴッドファーザー』や『地獄の黙示録』など映画史に残る作品を制作しました。作品に内包された社会的メッセージや音楽性が高く評価されており、そうした才能は子供のソフィア・コッポラやロマン・コッポラに受け継がれています。

コッポラは近年、高齢ということもあってか、2011年の『ヴァージニア』を最後に新作は発表していません。コッポラが新作を発表することはあるのでしょうか。今後が期待されます。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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