1972年受賞:ビル・エヴァンス:ジャズ界を代表する天才的なピアニスト

ビル・エヴァンスはジャズ界を代表する天才的なピアニストです。1972年にグラミー賞のBest Improvised Jazz Solo賞を受賞した『The Bill Evans Album』をはじめとして、名盤といわれるアルバムを多数リリースしてきました。優雅なピアノのタッチやウィットに富んだ曲のアレンジなどが話題に挙がることも多いでしょう。その生涯はドキュメンタリー映画でも描かれ、世界中からの注目を集めました。この記事ではビル・エヴァンスの経歴や代表曲を紹介していきます。

◼︎ビル・エヴァンスとは

本名ウィリアム・ジョン・エヴァンス。通称ビル・エヴァンスは、アメリカ合衆国出身のジャズ・ピアニストです。ウィットに富んだ演奏のアレンジ、優雅ともいわれる指さばき、クラシックから大きな影響を受けたことによって洗練された音楽性は、世界のジャズファンの心を掴んできました。

その演奏技術がもたらした革新の波は大きく、さまざまな演奏者に影響を与えてきました。エヴァンスの発表した作品はジャズのスタンダードナンバーとして定着しており、有名なアーティストによって何度もカバーされています。

1929年にニュージャージー州に生まれたビル・エヴァンスは、幼少期から兄と一緒に音楽を学びました。これは父親の意向が大きかったといいます。10代に入るとジャズに興味を持ち、兄と共にその世界に浸っていくことになりました。エヴァンスは同時期にアマチュアバンドを組み、ピアノの演奏も始めています。

1946年にサウスイースタン・ルイジアナ大学に入学したエヴァンスは、音楽教育を専攻して学びを深めていきました。エヴァンスは在学中にミュージシャンとしての活動を始め、作曲を手がけるようになります。

この時期に制作した楽曲の中には、後の代表曲となる『ヴェリー・アーリー』も含まれていました。

1950年に大学を卒業したエヴァンスは、1951年になると陸軍から召集を受け、1954年に兵役を終了するまでの約3年間を陸軍で過ごしました。陸軍在籍中もバンド活動を行うなど、音楽に関する活動を続けることができていた彼ですが、この時代を本人は不遇に感じていたといいます。

1945 年に兵役を終了したエヴァンスは、ニューヨークに移住して本格的に音楽活動を開始します。サイドマンとして活動していた彼はミュージシャンの間で優秀なピアニストとして知られるようになり、1956年にはアルバムをリリースしました。ですが、アルバムはいまいち人気が振るわず、売り上げは約500枚に止まることとなりました。

1959年になると、エヴァンスはピアノ・トリオを結成し、彼が亡くなる1980年まで活動しました。1960年代から1970年代にかけてメンバーの脱退や参入がありつつも、その度に新しい即興性に富んだ音楽を生み出し、ピアノ・トリオの新しい方向性を見出しました。彼は長年の薬物使用によって健康状態が悪化し、51歳でこの世を去りました。

2015年にはその生涯を描いたドキュメンタリー映画が公開され、世界各国の映画祭で高い評価や賞を獲得しました。

◼︎ビル・エヴァンスの代表曲

すばやく確実な手さばきから生み出されるビル・エヴァンスの旋律は、もはや芸術作品といっても過言ではありません。体に染み込むような音楽の粒は聴衆を魅了し、瞬く間に独自の世界に引き込んだといいます。ここからはそんなビル・エヴァンスの代表作を紹介していきます。

・My Romance(マイ・ロマンス)

『My Romance』はビル・エヴァンスが生涯最後に演奏した曲として知られる代表的な作品です。元々は1935年に上演されたミュージカルの主題歌として制作された楽曲で、リチャード・ロジャースが作曲し、ロレンツ・ハートが作詞を担当しています。さまざまなアーティストに演奏されている楽曲ですが、中でもエヴァンスの演奏によるものは代表的な作品として認知されています。

一度聴けば、エヴァンスによるリズミカルな演奏と旋律の虜になることは避けられないでしょう。甘美な音の響きに魅了されるファンは多いといいます。彼が長年にわたって演奏してきた愛想曲ともいわれているので、彼の曲に対する愛情がたっぷりと演奏に込められているのかもしれません。

・Alone (Again)(アローン「アゲイン」)

『Alone (Again)』は1977年にリリースされたアルバムです。収録は1975年におこなわれました。収録時間は約43分間。エヴァンスの往年の実力を堪能できる名盤でしょう。充実した曲目から、ジャズ界を代表するピアニストのソロが楽しめます。

・Waltz for Debby(ワルツ・フォー・デビイ)

『Waltz for Debby』は1961年にニューヨークで行われたライブ音源を収録したアルバムです。時代を変えたピアノ・トリオの演奏を、じっくりと楽しむことができます。

ベースのスコット・ラファエロ、ドラムのポール・モチアン、そしてピアノのビル・エヴァンス。3名による個性的かつ調和の取れた演奏は、見事としか言いようがありません。数あるエヴァンスのアルバムの中で、特に人気が高いのも頷ける完成度でしょう。

アルバムタイトルにもなっている『ワルツ・フォー・デビイ』は、エヴァンスが姪のために制作した曲となっています。その愛らしい曲調を存分に楽しんでみてください。ジャズのスタンダードナンバーとしても定着している、屈指の代表曲ですよ。

◼︎おわりに

1972年のグラミー賞を受賞したピアニスト、ビル・エヴァンスの経歴や代表曲を紹介してきました。優雅な指さばきから生まれる美しい旋律と、アレンジに満ちた個性的な曲の数々をぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか?新しい音楽の世界がきっとあなたを待ち構えていますよ。

出典:(Wikipedia)ビル・エヴァンスMy Romanceアローン(アゲイン)ワルツ・フォー・デビイ

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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