1974年受賞:アート・テイタム:神と賞賛されたジャズ・ピアニスト

1974年のグラミー賞を受賞したアート・テイタムは、ピアノの神とも形容された名音楽家です。この記事では、そんなアート・テイタムの経歴や代表曲を紹介していきます。

◼︎アート・テイタムとは

アート・テイタムは1909年生まれ。アメリカのオハイオ州、トレド出身のピアニストです。生まれたときから片目が全盲で、もう片方の目もわずかな視力しか残されていなかったといいます。父親はギタリスト、母親は教会のピアノ奏者として活動しており、そういった環境もテイタムのピアニストとしての素養を磨いた要因でしょう。

絶対音感を持っていたというテイタムは、1920年代後半にはピアニストとして活動を開始しました。1920年代終盤にはラジオ局のピアニストとしての地位を確立し、1932年以降はニューヨークを拠点に音楽活動を精力的におこなっていきます。彼はイギリスのレコード会社、デッカ・レコードとの契約を果たし、数々の名曲を生み出していきました。

1940年代からはピアノ以外にギターやドラムを編成に迎え、作品制作に従事していきます。1956年には座席数15,000を超える大型の野外音楽堂であるハリウッド・ボウルでの公演をおこなうなど、音楽家としての地位を確固たるものにしていきました。このときの観客数は16,000人を超えており、当時の人気が伝わってきます。しかし、病気を患っていたテイタムは同年の11月に47歳という若さでこの世を去ることとなってしまいました。

テイタムの織りなす音楽の数々は、一般の音楽ファンのみならず多くのアーティストたちをも魅了していました。その斬新なテクニックはピアノの可能性を大きく広げ、ほかのジャンルの音楽にも多大な影響を与えたといいます。その演奏技術の高さから、彼は『神』や『世界で8番目の不思議』と形容されることになりました。

次章からはそんなアート・テイタムの作品について紹介していきます。

◼︎アート・テイタムの代表曲

稀代の名ピアニストであるアート・テイタムは、さまざまな名曲をこの世に残しています。演奏時間7分にもなる大作の『Just One Of Those Things』やグラミー賞2部門を受賞したアルバム『God Is in the House』、およそ10年間に及ぶ活動の記録が収録された『Piano Starts Here』が特に有名な作品でしょう。

・Just One Of Those Things(ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス)

『Just One Of Those Things』はギターを担当するレッド・カレンダーと、ドラムを担当するジョー・ジョーンズとの珠玉の共演を収録した作品です。トリオとしての音楽性の調和が楽しめますよ。

『Just One Of Those Things』はアルバムの冒頭に収録されており、キャッチーで軽快なメロディーはたくさんの聴衆を虜にしました。高速で繰り広げられる音の粒は、現在の新しい楽曲たちに負けないくらいに斬新です。調和した音楽の中でも際立つピアノの音色に、心奪われること間違いありません。

・God Is in the House(ゴッド・イズ・イン・ザ・ハウス)

『God Is in the House』は1973年にオリジナル版が発表され、世界からの注目を集めました。1940年から1941年にかけての演奏を収録した作品で、グラミー賞2部門を受賞するなど、テイタムの輝かしい経歴を代表する作品となっています。

収録された作品は13曲。高速かつ正確な手さばきから生まれる音楽は感嘆の一言でしょう。グラミー賞を受賞した、圧倒的な名曲を心の底から堪能できます。

・Piano Starts Here(ピアノ・スターツ・ヒア)

『Piano Starts Here』はアート・テイタムの作品の中でも名盤といわれています。その理由は明快で、1933年から1944年のおよそ10年間の演奏から厳選したものを収録しているからです。すべての演奏がトップ中のトップ。ジャズ・ピアノの世界最高峰を、どの楽曲からも感じ取ることができるでしょう。『神』と形容された珠玉の演奏を、隅々まで堪能できるはずです。

◼︎おわりに

神と賞賛されたピアニスト、アート・テイタムの経歴や代表曲を紹介してきました。複数人による連弾と錯覚するほどの早弾きや演奏に伴う指さばき、確立された音楽性は現在においても新しく、斬新です。時代を感じさせないアート・テイタムの作品をぜひ楽しんでみてください。

出典:(Wikipedia)アート・テイタムGod_Is_in_the_House_(Art_Tatum_album)

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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