クレイグ・メロー:RNAiの発見を成し遂げた医学者

※ニューヘイブンの景観

クレイグ・メローはアメリカ合衆国の医学者です。2006年に『RNAiの発見』でノーベル生理学・医学賞を受賞しました。遺伝子の発現に悪影響を及ぼす『RNA干渉』を、線虫を用いて発見した学者としても知られています。

そんなクレイグ・メローの受賞までの道のりについて解説していきます。

◆生年月日、生まれた町、生まれた町の概略

クレイグ・メローは、1960年10月18日にアメリカ合衆国コネチカット州ニューヘイブンで生まれました。

ニューヘイブンはコネチカット州の南部に位置する都市です。人口は約12万人で、市内にハルニエ(エルム)の木が多いことから『エルムの街』とも呼ばれている美しい場所です。

1701年創立の名門私立大学、イェール大学がある街としても有名です。歴史ある緑豊かなキャンパスには多くの観光客が訪れます。

◆受賞に至るまでの逸話など

子供の頃、外で遊んでいたクレイグ・メローは衝撃的な体験をすることになります。彼は遊んでいた場所のすぐそばで、亀が道路を横断しようとしているのを発見します。亀は車に跳ねられないように移動を開始しましたが、なんと突然やってきた車が明確な意図を持って亀を跳ねたのです。

そして、亀は彼の目の前で命を落としたと言います。この経験は、彼の人生観に非常に大きな影響を与えたと言います。

※ブラウン大学のキャンパス

その後、メローはブラウン大学とハーバード大学に入学し、学びを深めていきました。

メローは1998年にRNA干渉を発見しました。RNA干渉は、二本鎖RNAと相補的な塩基配列を持つmRNAが分解される現象のことを言います。

そしてRNAi法は、この現象を利用して人工的に二本鎖RNAを導入することにより、任意の遺伝子の発現を抑制する手法となります。また、アンチセンスRNA法やコサプレッションもRNAiの一形態と考えられています。

通常、遺伝子の機能阻害の実験は染色体上の遺伝子を破壊することで行われてきました。しかし、RNAi法はこのような煩雑な操作は必要なく、塩基配列さえ知ることができれば合成したRNAを導入するなどの簡便な手法で遺伝子の機能を調べることができるのです。

ゲノムプロジェクトによって全塩基配列を知ることのできる生物種では、逆遺伝学的解析の速度を上げる大きな要因の一つともなりました。(一方、完全な機能喪失とはならないことや、非特異的な影響を考慮する必要があるなどの問題もある程度残っています。)

この現象は生物学研究を一変させる程のインパクトがあるものでした。将来的に病気の治療に有益な働きをする可能性があったのです。この発見の功績により、2006年にアンドルー・ファイアーと同時にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

ノーベル賞は発見から長い年月をかけて受賞するものとされていますが、クレイグ・メローとアンドルー・ファイアーはわずか8年で受賞に至ったことからスピード受賞といわれました。

他にも2003年には『ワイリー賞』、2004年には『ローゼンスティール賞』、2005年には『ガードナー国際賞』、『マスリー賞と』、メローは医学に関する著名的な賞を数多く受賞しています。

現在メローはマサチューセッツ大学メディカルスクールの教授に就任しており、研究についての熱い講義を行なって多くの優秀な学生を送り出しています。

◆おわりに

RNAiを発見した医学者として知られるクレイグ・メロー。遺伝子学において欠かす事のできない研究を突き詰めて行なっている彼は、アメリカ合衆国を代表する学者として生物学界に影響を与え続けています。

出典:(Wikipedia) クレイグ・メローニューヘイブン_(コネチカット州)RNAi

出典:THE NOBEL PRIZE

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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