リンダ・バック:においを研究した女性科学者

リンダ・バックはアメリカ合衆国の医学者です。2004年に『嗅覚受容体および嗅覚システムの組織化の発見』でリチャード・アクセルと共に、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。そんなリンダ・バックの受賞までの道のりについて解説していきます。

◆リンダ・バッグの生まれた町

リンダ・バッグは、1947年1月29日にアメリカ合衆国ワシントン州シアトルで生まれました。シアトルは、ピュージェット湾とワシントン湖の間に位置する人口約70万人の大きな都市です。空気が澄んでいて湿気のない気候が特徴ですが、朝と夜は夏でも涼しく感じるほどです。また、大自然の美しさと海や湖や壮大な山々が連なっていることから「エメラルド・シティ」という愛称もついています。

またシアトルはアマゾンやマイクロソフト、スターバックス、コストコ、アラスカ航空などの大企業が誕生した場所でもあります。特に近年ではアマゾンによる経済効果が凄まじく、シアトルは「企業城下町」と言われることもあるほどです。

そして、言わずと知れた球団シアトル・マリナーズの本拠地でもあります。しかしシアトルには野球だけでなくアメリカンフットボール、サッカー、バスケットボールのプロチームもあり、スポーツ観戦に困ることはないでしょう。

◆幼少期、学生時代

子どもの頃から頭脳明晰で知られていたバック。しかし部屋の中でする遊びにはすぐ飽きてしまって、どこかに冒険に行くことが好きでした。彼女の母は「彼らのひとりひとりが(3人姉妹でした)彼らの人生でやりたいことを何でもする能力を持っていると信じる」と言って、子どもたちの個性をとても大事にしてくれていました。

1975年にワシントン大学で心理学と微生物学の理学士号を取得し、1980年にはダラスにあるテキサス南西医療センターで免疫学の学術博士号を取得します。博士号を取得してからは、コロンビア大学ハワード・ヒューズ医学研究所準研究員として神経科学者のリチャード・アクセルの元で研究を続けました。

1991年にはハーバード大学医学部神経生理学助教授となり、准教授、教授と順調にキャリアを積んでいきます。そして2003年にはワシントン大学生理学・生物物理学教授にも就任し、1994年からハワード・ヒューズ医学研究所の研究員、2002年からフレッド・ハッチンソンがん研究センター基礎科学部門の正会員を務めました。

◆受賞に至るまで

バックはフェロモンや臭いというものは、鼻でどのように感じてそしてどのような仕組みで脳に伝わっているかということに関心がありました。そして、様々なにおいの分子に応じた受容体をつくるために、多数の受容体遺伝子が実在しているということ発見したのです。この内容をコロンビア大学のリチャード・アクセル教授と一緒に論文を発表し、嗅覚研究においての基礎を築きました。そして数々の賞を受賞し、徐々に彼女の功績が世間に知れ渡っていきました。そしてついに、受容体から嗅覚の刺激が伝わるという仕組みを詳しく解明したことが認められ2004年にノーベル生理学・医学賞を受賞します。この分野でのノーベル賞を女性が受賞することは、1995年以来でした。

◆おわりに

においを研究した女性科学者リンダ・バック。嗅覚受容体の発見を発表して以来、嗅覚の根底にあるメカニズムとその発達過程を分析した彼女の功績は、現在も様々な病に苦しむ人々の救いとなっています。
私生活では1994年に生物学者のロジャー・ブレントと出会い、2006年に結婚。これからも様々な研究や発見に尽力していくことでしょう。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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