ソーセージ:食品保存技術の粋が詰まった肉製品

ソーセージは塩やスパイスなどで味付けをしたひき肉を動物の腸に詰め込んだ加工食品です。その昔、兵士の携帯食として食べられていたというソーセージは、現在でも世界各国で親しまれています。そこで今回はソーセージについてご紹介しましょう。

◆ソーセージについて

「ソーセージ(sausage)」は、ラテン語で塩漬けという意味の「サルスス(salsus)」が語源とされています。
ソーセージとは味付けしたひき肉を動物の腸に詰め込んだ加工食品です。ソーセージの皮にあたる動物の腸を「ケーシング」と呼び、ソーセージならではのパリッとした食感を作り出す重要な部分になります。中にはコラーゲンなどで作られた人工のケーシングや、ケーシングを使わず加工するソーセージもあります。
ソーセージには国や地域で風味やスパイスの種類、使用する肉、調理方法が異なりさまざまな種類が存在します。

◆歴史

ソーセージの起源ははっきりしていませんが、かつては貴重な肉を長期保存するための保存食であったと考えられています。

中国の初期のソーセージは山羊や子羊の肉を使い、ネギ・生姜・胡椒などで味付けをした「ラプチョン」であるといわれています。乳酸菌の含有量が高いため長期保存に適し、酸味が強いのが特徴です。

イタリアのソーセージの起源は、現在のバジリカータ州ルカニアの「ルカニカ」であるとされています。4世紀頃、ローマ皇帝ネロの治世中では祝祭でソーセージが多く食べられていました。しかしキリスト教会は異教の祭やそれらを連想させるソーセージに禁止令を発令したといいます。

◆材料

ソーセージは肉を細かく切って、他の材料と混ぜ合わせてケーシングに詰めたものです。使われる肉の多くは、豚肉・牛肉または仔牛肉などです。材料にはパン粉や穀物、スパイスなどの調味料や香料、さらにはリンゴやネギなどが含まれる場合があります。

◆世界のソーセージ

◇ドイツ「ヴァイスヴルスト」

白いソーセージという意味を持つヴァイスヴルストは、ドイツ・バイエルン州の代表的なソーセージです。仔羊肉が使われていて、パセリなどの香草が口いっぱいに広がります。皮を剥いてマスタードを付けて食べるのが一般的です。

◇オランダ「メトヴォルスト」

メトヴォルストはオランダの伝統的なソーセージで、生の豚ひき肉を乾燥させて作られます。強い香りが特徴のメトヴォルストは、乾燥に適した北部で盛んに作られています。保存性が高く、かつては緊急食として扱われていました。

◇イタリア「モルタデッラ」

モルタデッラはイタリアのエミリア・ロマーニャ州のボローニャ地方で作られているソーセージです。豚肉と賽の目に切った豚の喉の脂身が使われています。切り口の薄いピンク色が特徴的で、黒胡椒やピスタチオなどが粒のまま加えられています。

◇タイ「ネーム」

ネームは豚肉を使ったソーセージです。バナナの葉や人工ケーシングの中で4日ほどかけ発酵させます。酸味のあるネームはさまざまな料理の材料として使われています。

◆おわりに

動物の腸に肉を詰め込んだかつての保存食だったソーセージは現在、世界各国で食べられています。
2015年、セルビアのソーセージ祭りで長さ2,031メートル、重さ3トンのソーセージが作られギネス記録になりました。その4年後にはハンガリーで2,431メートル、重さ1.7トンで記録を更新。食べるだけでなく作ることでも楽しさを共有出来る食品です。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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