ドーナツ:17世紀頃のヨーロッパで発祥した世界的に人気がある菓子

ドーナツ」は、小麦粉から作られる生地を油で揚げて作る菓子です。菓子として食べられる国々もありますが、アメリカ合衆国では朝食メニューとして人気があります。食感はサクサクしたものから、モチモチしたものなど様々です。そんなドーナツの歴史と特徴について詳しく紹介していきます。

ドーナツの歴史

「ドーナツ」という名前は、生地を意味する「Dough」と、木の実を意味する「Nut」が合わさって出来ました。もともと、ナッツが入った揚げ菓子であったことに由来しています。

(oliebollen)

ドーナツの原点となるのは17世紀頃のオランダで、生地の真ん中にクルミをのせた揚げ菓子「オリーボーレン」といわれています。18世紀初頭になるとオランダの入植者がアメリカ大陸に渡り、オリーボーレンを持ち込むようになります。当時、生地の中央に穴は空いていませんでしたが、ニューヨークやニューアムステルダムでレシピがアレンジされ、お馴染みの穴の空いたリング型のドーナツが誕生しました。なぜ穴を空けるようになったのかについては諸説あり、アメリカにはクルミが無かったため真ん中に穴を空けた説や、たまたま飛んできた矢が菓子の中央に刺さって穴が空いた説などがあります。
また、アメリカ人船乗りのハンソン・グレゴリーは、1847年に石灰取引船に乗っているときに穴空きドーナツを発明したと主張しました。ハンソンは、子どもの頃に食べた母親の揚げ菓子が、中央部分が生焼けだったことに不満を持っていたそうです。そして、船の上で生地に穴を空けることを思い付いたと語っています。
1870年代に入ると機械による大量生産が行われるようになり、1950年前後からアメリカ全土でドーナツ店が出店されました。また、アメリカでは第一次世界大戦で兵士たちにドーナツを配った救世軍を称えるため、毎年6月の第1金曜日を「ナショナルドーナツデー」と定めました。現在、多くのドーナツ店がこの日に無料配布しています。
その後ドーナツは、ヨーロッパやアジアへと世界中に広がりました。

ドーナツの特徴

ドーナツとは、小麦粉の生地を揚げたり焼いたりして作る甘い菓子です。形は中央に穴の空いたドーナツが代表的な形として知られています。他には、生地を棒状に伸ばしてくるくると捻った「ツイストドーナツ」や、穴を空けずに円形のままのドーナツ、加熱してからジャムやクリームを入れる「ジェリードーナツ」などが有名です。さらに生地に味をつけたものや、トッピングをかけたものなど、バリエーションがとても豊富です。
近年では、油で揚げない焼きドーナツや茹でドーナツ、蒸しドーナツなどの変わり種も次々に考案されています。

・ドーナツの生地の違い

ドーナツの生地は大きく3種類に分けられます。ひとつ目は「ケーキドーナツ」と呼ばれているベーキングパウダーで膨らませたドーナツです。ふたつ目はイーストで発酵させたパン生地の「イーストドーナツ」。最後にシュー生地で作ったドーナツで、ねじりながら円を書くように成形される「クルーラー」があります。

・ドーナツの主な調理法(ケーキドーナツの場合)

常温に戻したバターを柔らかくなるまで混ぜたら、砂糖と塩、卵と牛乳を加えます。混ざったら、ふるいにかけたベーキングパウダーと小麦粉を加え、ひとまとまりになるまで練り上げます。生地が練り上がったら、ラップをかけて冷たい場所で1時間程度寝かせます。まな板などの平らな台に打ち粉をし、生地を厚さ1㎝になるまで伸ばしドーナツ型でくり抜きます。180°Cに熱した油にゆっくり入れて、黄金色になったら完成です。

ドーナツの主な種類

「ベルリーナー」

(Berliner)

ドイツと中央ヨーロッパの伝統的なドーナツ。
穴は空いてなく、中にアプリコットやプラム・ローズヒップなどのジャムが入っているのが特徴です。

「パフパフ」

(Puff puff)

西アフリカの伝統的な揚げドーナツ。
アメリカなどの一般的なドーナツより甘さが控えめとなっており、フルーツフレーバーのディップを付け味を変えながら食べられています。

「クーシスター」

(Koeksister)

南アフリカの伝統的なドーナツ。
細長い生地を編んだ形が特徴的で、揚げたあとに冷やしたシュガーシロップに浸して食べます。

「ロクマ」

(Lokma)

ギリシャで親しまれているドーナツ。
イースト生地で作られたルクマデスは、ハチミツとシナモンパウダーをかけて食べるのが一般的です。

「マラサダ」

(Malasada)

ポルトガル発祥ですが、ハワイで人気のあるドーナツ。
イースト生地を使ったドーナツで、グラニュー糖とシナモンがコーティングされています。

「ファンク」

(Fank)

ハンガリーで食される酵母生地で作ったドーナツ。
アプリコットジャムなどを付けて食べられています。

「ポンチキ」

(pączki)

ポーランド伝統の揚げドーナツ。
平たい生地の中に甘いジャムなどを詰めて揚げるのが特徴的です。表面に砂糖をまぶしたり、オレンジピールを乗せたりして飾り付けることもあります。

「サーターアンダギー」

(Sata andagi)

大量の砂糖を生地に混ぜ込んだ日本の沖縄で食べられている揚げドーナツ。
気泡が小さく密度が高いため、食べ応えのあるボリューム感が特徴です。

「チャプサルドーナツ」

(chapssal doughnuts)

もち米粉の生地で作られる韓国のドーナツ。甘く煮た小豆ペーストが入っているのが一般的で、市場の屋台でよく売られています。

「スフェニ」

(Sfenj)

モロッコで朝食や午後のティータイムで食べられる揚げドーナツ。
そのまま食べるだけでなく、砂糖やハチミツを付けて食べることもあります。

「チュロス」

(Churro)

スペインやポルトガル、モロッコなどのラテンアメリカで人気のある揚げドーナツ。生地を星型の絞り器から絞って油で揚げ、砂糖やシナモン、ハチミツなどをコーティングさせます。生地自体にココアなどで味付けしたものもあります。

終わりに

ドーナツはヨーロッパ発祥の菓子で、アメリカに持ち込まれてからお馴染みのリングドーナツが誕生しました。現在では世界中で様々な種類のドーナツが食されています。自宅でも比較的作りやすいので、ドーナツ作りに興味を持った方は是非一度チャレンジしてみてくださいね。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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