ポットパイ:サクサクのパイ生地が特別感を演出してくれる料理

普段の料理にパイ生地をかぶせるだけでいつもとは少し違った食事を楽しめる料理、ポットパイ。パーティーやおもてなしにも最適な特別感のある料理として、ヨーロッパをはじめ、広い地域で親しまれています。そんなポットパイの歴史と特徴について、解説していきます。

◆ポットパイの歴史

ポットパイには地域によって様々な種類のものがあります。アメリカでは、料理の入った器にパイ生地をかぶせてオーブンで焼いたものが主流です。それに対してイギリスなどでは器自体を生地で作り、底と側面は硬いビスケットの生地が使われることが多いです。

パイの起源は、古代ギリシャ・ローマ時代まで遡ります。もともとは、素材の旨味を逃がさないよう小麦粉と油脂を合わせた生地に包んで焼いたのが始まりです。そして14世紀のフランスでフイユタージュというパイ生地が登場し、肉や魚、野菜、果物など様々な食材を包んでオーブンで焼く「パテ」というパイ料理が流行しました。

また耐熱の容器がなかった時代には、パイ生地はフィリング(中身)を入れる器としてのためだけに用いられ、フィリングを食べ終えたら外見は捨てられていました。古くからパイを食していたイギリスのパイ皮は非常に硬くて厚みがあり、まさに器としての役割を強く感じさせるものでした。そしてオーブンの機能が進歩してゆくと同時に、具材と一緒に食べられる軽くて薄いパイのレシピが考案されるようになり、今ではそれが主流となっています。

◆ポットパイの特徴

耐熱容器の上にパイを重ねるタイプのポットパイのフィリングは、シチューやスープ、グラタン、カレーなどの煮込み料理が多いです。また、ポットパイは見た目がおしゃれであるだけでなく、こんがりと焼けたサクサクのパイ生地をスプーンで崩して食べる楽しさもあります。そのため、普段食べ慣れている料理にパイを加えてみるだけで、少し楽しい食事になること間違いなしです。

パイ生地のサクサクとした食感とフィリング味の2種類が楽しめるこの料理ですが、冷凍のパイシートを使えば意外と簡単に作れてしまいます。

◆冷凍パイシートを使ったポットパイの材料、作り方

シチューをフィリングにした、冷凍パイシートを使ったポットパイの作り方をご紹介します。

鶏ムネ肉:100グラム、タマネギ:半分、マッシュルーム:4個、しめじ:半株
バター:20グラム、小麦粉:大さじ1、生クリーム、牛乳、水:各100ミリリットル、白ワイン:大さじ1、コンソメ顆粒:小さじ半分
塩、コショウ、油:適量
溶き卵:1個分、冷凍パイシート:1枚

冷凍パイシートは冷凍庫から出して半解凍状態にし、オーブンを200度に予熱しておきましょう。バターを溶かしたフライパンで、一口大に切った鶏肉と薄いくし切りにしたタマネギ、スライスしたマッシュルーム、石づきを切り落としたしめじを炒めます。鶏肉に火が通り、玉ねぎがしんなりとしたら一度火を止めて、小麦粉をふり入れます。

弱火にして、小麦粉が焦げたりダマになったりしないように炒めたら、水と牛乳と生クリームを入れます。そして全体が馴染んだら白ワイン、コンソメ顆粒を加えます。とろみがつくまで優しく煮込み、お好みの粘度になったら火を止めます。最後に塩コショウで味を整えたらシチューの完成です。

出来上がったシチューを、耐熱容器に半分より少し多いくらいまで入れます。

冷凍パイシートは、使用する器の口の大きさよりも少し大きめに切りましょう。しっかりと縁に被せ、全体をフォークで刺して穴を開けます。溶き卵をぬり、予熱しておいたオーブンで焼いたら完成です。焼き時間は、パイシートの大きさにもよりますが一般的なマグカップくらいの大きさのものなら、15分程度でしょう。パイが膨らみ、焼き目がついたら完成です。

◆終わりに

こんがり焼けたサクサクのパイ生地をスプーンで一思いに破り中のスープと共に食べると、バターの香りが口いっぱいに広がります。冷凍のパイシートを利用すれば自宅でも簡単にできますし、フィリングも凝ったものを作らなくても美味しくできます。オーブンさえあれば手軽に楽しめるこの料理を是非、様々なフィリングで楽しんでみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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