茯茶(フーチャ):遊牧民の健康を支えるために栽培される中国茶

茯茶(フーチャ)は、中国の湖南省益陽県(えきようけん)で栽培されている中国茶です。中国北西部に暮らしている遊牧民が愛飲する「国策茶」として国に守られています。ミネラル分が多く、飲み口のすっきりした癖のない味わいを持ったお茶です。そんな茯茶の歴史や特徴について詳しく解説していきます。

◆茯茶の産地について

茯茶は中国の湖南省益陽県で生産されており、傾斜のある地形は茶畑に最適で、昼夜の温度差と湿度の高さが良質な茶葉を育てます。また、独自の発酵方法が中国の「国家無形文化遺産」に指定されており、許可を受けた特定の工場のみで製造が行われています。

◆茯茶の歴史

茯茶は、古くから極寒や乾燥などの厳しい気候のなかで暮らす遊牧民に親しまれてきました。彼らの食生活は脂肪分の多い家畜(牛や羊など)が中心のため、野菜の栄養素が慢性的に不足しており、茯茶を飲むことでそれを補っているのです。遊牧民たちは「命の源」や「シルクロードの神秘の茶」と呼んでおり、健康維持に必要不可欠なお茶としています。現在は、遊牧民のために「国策茶」である茯茶の製造方法が守られるようになりました。

◆茯茶の特徴

茯茶は、湖南省益陽県のみで生産される中国茶で、独特の香ばしさと苦みの無いまろやかな味わいが特徴です。また、辺境の少数民族が飲むお茶のコンテストでは金賞を受賞しています。

茯茶の製造には独特の発酵が必要で、麹菌が黄色い粉を吹く「金の花」ができ、1年~1年半の期間で20数回もの工程を繰り返します。その結果、身体に必要な豊富な栄養素が含まれる茯茶が出来上がります。主な栄養はビタミンやアミノ酸、カテキン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄分などで、ダイエットをサポートする飲みものとしても注目を集めています。

<茯茶の分類>

茯茶は、中国茶の「黒茶(こくちゃ、くろちゃ)」に分類されます。黒茶は完成した茶葉に麹菌を植え付け、数か月以上かけて発酵するため、後発酵茶とも呼ばれています。淹れると濃いオレンジや赤の色が鮮やかで、渋みが少ないのが特徴です。また、長期保存も可能で、熟成が進むとともにまろやかで芳醇な味わいに変化します。製造から時間が経った茶葉ほど価値が高いとされ、ヴィンテージワインに似た楽しみがあります。

◆終わりに

茯茶は、中国の湖南省益陽県のみで生産されている中国茶です。豊富な栄養素が含まれているため、長年に渡って遊牧民たちの健康を担ってきました。興味がある方は一度購入してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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