ケヴィン・スミス:『クラークス』や『レッド・ステイト』を制作した映画監督

ケヴィン・スミスは、1970年8月2日にアメリカ合衆国のニュージャージー州レッドバンクで生まれました。
『クラークス』や『レッド・ステイト』の制作だけでなく、「サイレント・ボブ」としても多数の作品に出演しています。
そんな彼の人生と作品について詳しく解説していきましょう。

※ニュージャージー州レッドバンクの街並み

■ケヴィン・スミスとは

ケヴィン・スミスは、1970年8月2日アメリカ合衆国ニュージャージー州のレッドバンクで誕生。父親は、郵便局で働いていましたが、自身の仕事を嫌っていました。彼はそんな父親の姿を見て、自分は楽しいと感じられる仕事に就こうと決意したのです。その後、ヘンリー・ハドソン地域の高校を卒業し、ニューヨーク市のニュースクールに通いましたが、そこを卒業する事はありませんでした。

※リチャード・リンクレーター

しかし、そんな彼に転機が訪れます。それは21歳の誕生日、リチャード・リンクレーターのコメディ作品を観た事がきっかけでした。作品の舞台が大都市ではなく、テキサス州オースティンであるという事に衝撃を受け、映画制作者を夢見るようになります。その後、4カ月間バンクーバー・フィルム・スクールへ通い、映画監督のスコット・モシャーや撮影監督のデイブ・クラインと友人になりました。二人とは、その後も長きに渡って親交を深めていきます。しかし、スミスがスクールを卒業する事はありませんでした。なぜなら、その時点で映画制作についての知識が十分にあったため、学費を節約しようと考えたからです。

彼はニュージャージー州へ戻り、節約した分の学費などを使って『クラークス』を制作しました。ちなみに、作品の舞台となったコンビニエンス・ストアは、実際に彼が働いていた場所だと言われています。この作品は、サンダンス映画祭で注目を集めました。さらに、映画配給会社のミラマックスで公開された事により、彼の名前は広く知られるようになっていきました。

その後も、映画監督として数々の作品を制作します。一方、ほとんどセリフを話さない『サイレント・ボブ』として映画に出演するなど、俳優としても数々の作品に出演しました。

■ケヴィン・スミスの作品

ケヴィン・スミスが手がける作品の特長は、ベン・アフレックやジェイソン・リー、マット・デイモンといった俳優たちの起用だと言えるでしょう。常連の俳優たちを起用する事は、安定した作品制作に繋がり、ストーリーに安定感をもたらしています。

そんな彼の作品には、どのような物があるのでしょうか。主要な作品についてご紹介しましょう。

『クラークス』 1994年

本作品は、彼の監督デビュー作にあたります。

21歳のダンテ・ヒックスは、コンビニエンス・ストアの「クイック・ストップ」で働いていました。ある休みの日、朝6時に起こされたダンテは、折角の休みにも関わらず、働かされる事になります。さらに、高校時代に付き合っていた恋人の結婚や友人のお葬式、罰金騒ぎなど、続々とトラブルに見舞われていくのです。

『Clerks Official Trailer #1 – (1994) HD』

『チェイシング・エイミー』 1997年

本作品は、レズビアンの女性と漫画家の青年が恋に落ちる物語です。彼にとって、出世作となりました。

物語の舞台は、ニューヨーク。漫画家のホールデンは、コスプレを楽しむファンたちで賑わう「コミック・フェア」に参加しました。彼は、親友のバンキーと共に新作「ブライトマン&クロニック」を宣伝するために来たものの、ファンの一人と喧嘩を始めてしまいます。

気分を変えるため、会場内のパネル・ディスカッションへ赴くと、そこにはアリッサという新進気鋭の女流漫画家がいました。意気投合した彼らは、バーに繰り出します。次第に、ホールデンはアリッサに惹かれていきますが、彼女はレズビアンだったのです。それを知った彼は、意気消沈。しかし、同じ地域の出身である事をきっかけに、二人は友情を育むようになっていきました。

やがてホールデンは、アリッサへの想いを止める事が出来ずに告白。最初は拒否していた彼女ですが、結局一夜を共に過ごしてしまいます。一方、実はゲイであるバンキーは、ホールデンとアリッサに嫉妬心を募らせていきました。

『Chasing Amy Official Trailer #1 – (1997) HD』

『ドグマ』 1999年

本作品の主人公は、天界から地上へ追放された二人の天使。そんな二人が長い年月を経て、天国へ戻ろうと奮闘するコメディ作品です。

天使のロキとバートルビーは神の怒りを買い、地上へ追放されました。そんな二人は、ニュージャージーの教会で「全ての罪が許される」というキャンペーンがある事を知り、それを利用して天国へ戻ろうと画策します。しかし、二人の罪が許される事があれば、世の中に矛盾を生じさせ、全ての存在が無と化してしまうのです。そんな中、肝心の神は、お忍びで地上へ降りたまま行方不明になっていました。神に代わり、天使メタトロンはキリストの末裔ベサニーに二人が教会に入るのを阻止するよう、メッセージを送ります。

実は、二人にキャンペーンの存在を知らせたのは、同じく天国から地獄へ追放されて悪魔となったアズラエルだったのです。二人を利用し、神に復讐しようと目論んでいました。そのため、手下を使ってベサニーたちを襲いますが、失敗。ベサニーたちは、アズラエルを倒してなんとか教会に辿り着きました。しかし、そこで受けた神の仕打ちに怒りを覚えたバートルビーは、人間たちを大虐殺し、神と人間に復讐しようとするのです。

『Kevin Smith Explains Why ‘Dogma’ Isn’t Available Online』 

『世界で一番パパが好き』 2004年

本作品は、第25回ゴールデンラズベリー賞で最低主演男優賞、最低助演女優賞、最低スクリーン・カップル賞などにノミネートされ、話題になりました。

ニューヨーカーのオリバー・トリンキは、宣伝マンとして働いています。そんな彼は、ガードルード・ステイニーと結婚し、1年後には女の子を授かりました。しかし、ガードルードは、出産の際に動脈瘤破裂を発症。娘の出産と引き換えに帰らぬ人となりました。愛する人の死に衝撃を受けた彼は、ニュージャージーに住んでいる父バートに娘を預け、仕事に没頭していきます。そんな中、クライアントであるウィル・スミスの記者会見で、ウィル本人が遅刻。そんなウィルに悪口を言ってしまった事から、彼は解雇されてしまいます。仕方なく実家に戻った彼は、娘にとって最高の父親になるべく、努力を重ねていくのです。

『Jersey Girl (2004) Official Trailer – Ben Affleck, Liv Tyler Movie HD』

■おわりに

ケヴィン・スミスは、『クラークス』や『チェイシング・エイミー』といった作品を製作した映画監督です。そのコミカルな作品と常連の俳優陣によって描かれるストーリーは、多くのファンに愛されています。そんな彼の作品をぜひ一度、鑑賞してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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