ジュゼッペ・トルナトーレ:『ニュー・シネマ・マラダイス』を制作した映画監督

ジュゼッペ・トルナトーレは1956年5月27日にイタリアのバゲリーアで生まれた映画監督です。高校卒業後からドキュメンタリー制作に関わるようになり、1989年には『ニュー・シネマ・パラダイス』でアカデミー外国語映画賞を受賞。その後も『海の上のピアニスト』や『マレーナ』といった数多くの作品を制作しました。そんなジュゼッペ・トルナトーレの人生と作品について詳しく解説していきます。

■ジュゼッペ・トルナトーレとは

ジュゼッペ・トルナトーレは1956年5月27日イタリアのバゲリーアに生まれました。幼いころから舞台芸術に関心を示していたトルナトーレは、16歳のころから舞台に関わるようになり、高校卒業後はドキュメンタリー制作の仕事に携わるようになっていきました。その後1986年には長編映画デビューを果たし、1989年には『ニュー・シネマ・パラダイス』を発表。同作はアカデミー外国語映画賞やカンヌ国際映画祭審査委員特別グランプリを受賞し、イタリアはもちろん世界的にも知られる映画監督となっていきました。

その後も『海の上のピアニスト』や『マレーナ』など数多くの作品を手掛ける傍ら、イタリア古典映画の復興運動に関わるなど、イタリア映画界を牽引する活動も行っています。

■ジュゼッペ・トルナトーレの作品

ジュゼッペ・トルナトーレの作品の特長は、映画音楽で世界的に知られるエンニオ・モリコーネがその多くの作品の音楽を手がけている点でしょう。特に『ニュー・シネマ・パラダイス』の映画音楽は世界的ヒットの一因になったともいえます。

そんなジュゼッペ・トルナトーレの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品についてご紹介します.。

・『ニュー・シネマ・パラダイス』 1989年

(Public Domain/‘Salvatore Cascio in Nuovo Cinema paradiso (Tornatore, 1988)’ by francescosaverio50. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

本作品は1989年に制作された作品で、戦後間もないシチリアの小さな村の映画館をめぐって映画を愛する人々の姿を描いた作品です。1989年カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリやアカデミー外国語映画賞を受賞したことで話題になりました。

夜遅くに帰宅した映画監督のサルヴァトーレ・ディ・ヴィータは母から留守中にアルフレードが亡くなったという電話がかかってきたと知らされます。サルヴァトーレはその名前を聞いた途端、シチリアのジャンカルド村での少年時代の想い出が蘇ってくるのでした。

子どものころ母マリアと妹の三人暮らしだったサルヴァトーレは「トト」と呼ばれており、母親に買い物のために渡されたお金で映画を見るほどの映画好きでした。そんなトトが大好きだったのは映画館パラダイス座の映写室であり、そこでは映写技師のアルフレードが働いていました。当時パラダイス座では司祭による検問があり、村の人々はキスシーンさえ見たことがありませんでした。トトは日々映写室に忍び込もうとしてはアルフレードに追い返されるという日々を送っており、いつしかトトとアルフレードの間には友情が芽生え始めていました。

しかしある日フィルムに火が付き、パラダイス座はあっという間に燃え尽きてしまいます。火事のせいでアルフレードは失明。やがてパラダイス座は再建されたものの、アルフレードは仕事をすることは叶わず、トトが代わりに映写技師として働くことになります。その後成長したトトは銀行家の娘エレナと恋に落ちるもエレナの父親はトトを認めようとせず、トトは兵役に就くことになります。除隊したのちトトは村に戻ってきたものの、エレナがトトのもとに戻ることはありませんでした。

アルフレードの葬儀に出席するために30年ぶりにジャンカルド村に戻ってきたトトは、荒れ果てたパラダイス座でアルフレードの形見のフィルムを発見。それは検問でカットされたキスシーンを繋げたものであり、それを見るトトの目にはいつしか涙があふれるのでした。

※画像はイメージです

本作品は1999年に制作された作品で、豪華客船の上で生まれ育ち、一度も船を降りることのなかった天才ピアニストの一生を描いた作品です。

多くの移民たちをアメリカに運ぶ豪華客船ヴァージニアン号で働く黒人機関士ダニーは、ピアノの上に置き去りにされた赤ん坊を発見。ダニーはその子に「1900」という名前を付け、かわいがることにします。しかしダニーは事故で亡くなり、赤ん坊は船底で育てられることになります。ある日船内のダンスホールで奏でられる音楽に夢中になった彼は、ピアニストとしての天才的な才能を開花させます。バンドのトランぺッターとしてやってきたマックスもまたその美しい音楽に驚き、その評判は徐々に広まるようになっていきました。

そんな評判を聞きつけたレコード会社の男がその演奏をレコード録音するために乗船。彼はしぶしぶ引き始めたものの、ふと窓越しに見た美しい少女からインスピレーションを受けて感動的な音楽を演奏。彼はそのレコードを少女に渡そうとするものの、押し寄せた群衆に引き離されてしまいます。少女は「いつか訪ねてきて」と言い残したため、彼は船から降りる決心をしたものの、タラップの端まで下りたのにもかかわらず逆戻りしてしまいます。

時はたち、ヴァージニアン号は第二次世界大戦で酷使されたこともあって、沖で爆破されることになっていました。マックスは蓄音機と思い出のレコードを片手にさび付いたヴァージニアン号に乗り込み、そこで彼の姿を発見。船を降りるように説得するものの、彼はヴァージニアン号と運命を共にすることを選び、ついに船から一歩も降りることのないまま一生を終えることになります。

・『ある天文学者の恋文』 2016年

※画像はイメージです

本作品は2016年に制作された作品で、天文学者だった恋人を亡くし悲しみに暮れるヒロインが恋人が残した謎を解き明かそうとスコットランドのエディンバラやイタリアをめぐる姿を描いた作品です。

天文学者のエドと教え子のエイミーは周囲に秘密で交際していたものの、エドは突然亡くなりエイミーは悲しみに暮れることになります。エドの死を受け入れられないエイミーのもとにエドからやさしさやユーモアにあふれた手紙やメールが届くようになり、その不思議な出来事にエイミーは戸惑いを隠せずにいたものの、やがてエイミーはエドが残した謎を解こうとエディンバラやイタリアに向かうことになります。

■おわりに

ジュゼッペ・トルナトーレはイタリアのバゲリーアに生まれた映画監督であり、『ニュー・シネマ・パラダイス』や『海の上のピアニスト』、『マレーナ』といった作品を制作したことで知られています。その情感あふれる作品はエンニオ・モリコーネの映画音楽に彩られることにより、世界的な大ヒットを遂げ、トルナーレの名前を不動のものとしていきました。

イタリアの古典映画復興運動にも積極的に取り組むトルナーレですが、今後はどのような作品を私たちに届けてくれるのでしょうか。今後が期待されます。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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