トッド・ソロンズ:タブー視されるテーマを扱う映画監督

トッド・ソロンズは1959年10月15日にアメリカ合衆国ニュージャージー州ニューアークに生まれた映画監督です。『ウェルカム・ドールハウス』でサンダース映画祭のグランプリを受賞したことで高く評価されるようになり、以降はタブー視されることが多いテーマをもとにした作品を制作し続けています。そんなトッド・ソロンズの人生と作品について、詳しく解説していきます。

■トッド・ソロンズとは

※画像はイメージです

トッド・ソロンズは1959年10月15日アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューアークに生まれました。イェール大学を卒業したのち、ニューヨーク大学で映画製作について学び、その後は外国人向けの英語教師として働いてきました。

そんなソロンズがデビューするきっかけとなったのが、『ウェルカム・ドールハウス』です。同作はサンダース映画祭でグランプリを受賞し、徐々にその名前が知られるようになっていきました。またタブー視されるテーマを扱っていることからも注目度は高いものの、物議をかもすことが多いことから単館または少数の劇場で公開されることがほとんどとなっています。

■トッド・ソロンズの作品

トッド・ソロンズの作品は一見当たり障りのないホームドラマやコメディー作品であるのにもかかわらず、登場人物たちが人間の暗部をえぐるようなセリフを口にするのが特長です。またそうした作品のテーマは家庭内差別や未成年の妊娠、宗教といったタブー視されるテーマを扱うことが多く、発表のたびに物議をかもしてきました。

そんなトッド・ソロンズの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品についてご紹介します

・『ウェルカム・ドールハウス』 1995年

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本作品は1995年に制作された作品で、ソロンズの監督デビュー作にあたります。

中学生のドーンは学校で不細工だといじめられており、給食の時間には仲間外れにされ、集会でもクラスメイトからごみを投げつけられるひどい毎日を送っていました。その一方で幼い妹はドーンとは正反対に天使のようにかわいく、ドーンの両親は学校でドーンがいじめられていることには無関心で妹ばかりを機に書ける毎日を送っていました。

そんなドーンの楽しみは兄のマークが同級生と組んでいるバンドの練習を覗くことでした。ドーンはバンドメンバーのスティーブに恋をしており、マークにスティーブはどんな女の子と付き合っているのかと尋ねたものの、ドーンはスティーブが女ったらしの落ちこぼれであるとしか教えませんでした。

ドーンは日々ブランドンという同級生に標的にされており、レイプしてやるといって脅しをかけられていました。ブランドンはドーンを待ち伏せして空き地に連れていき、襲われることを覚悟したものの、ブランドンはただ優しくキスをするだけでした。それからドーンとブランドンの距離は縮まっていったものの、ブランドンはドーンから恋人にはなれないと告げられたため、怒って出て行ってしまいます。

・『ハピネス』 1998年

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本作品は1998年に制作された作品で、トリッシュ、ヘレン、ジョージの3人姉妹とその家族を描くブラックコメディ作品です。カンヌ国際映画祭で国際批評家賞を受賞したことでも話題になりました。また続編として『Life During Wartime』や『ダークホース 〜リア獣エイブの恋〜』が制作されています。

ヘレン・ジョーダンは成功した作家で回りがうらやむような生活を送っていました。しかし最近はスランプ気味であり、レイプされればもっとリアリティのある作品がかけると考え始めるようになっていました。その一方トリッシュは中産階級の主婦であり、精神科医の夫ビルと3人の子どもとともに幸せな毎日を送っていました。しかし夫のビルは実は小児性愛者であり、息子の友達ジョニーに執着していました。

・『ダークホース 〜リア獣エイブの恋〜』

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本作品は2011年に制作された作品で、2011年9月には第68回ヴェネツィア国際映画祭、第36回トロント国際映画祭で上映されたことでも話題になりました。

両親から甘やかされて育ったエイブは、自己中心的な性格のダメ人間になっており、両親も希望潰えていました。そんなある日エイブは知人の結婚披露パーティーでミランダという女性と会い、一目ぼれしてしまいます。積極的にアプローチをしてくるエイブをうっとおしく思っていたものの、実はミランダは失恋したばかりであり情緒不安定からリストカットを繰り返す日々を送っていました。そんな日々から抜け出したいと考えていたミランダは自暴自棄になってエイブのプロポーズを受けてしまいます。

しかし互いの両親を引き合わせた際、ミランダがB型肝炎を患っていることを知らされ、エイブは結婚を取りやめるべきか悩むようになっていきます。またその無能さから父ジャッキーから首を言い渡されてしまい、会社を飛び出し車を暴走させてしまいます。そこでさまざまな幻影を見たエイブは事故を起こし、2カ月の昏睡状態に陥ってしまいます。

目を覚ましたエイブは事故のため両足を失っており、余命いくばくもない状態でした。見舞いに来たミランダは肝炎が完治したことを報告すると、エイブを愛することはできないと涙ながらに告げて去ってしまいます。そこにエイブの相談相手の中で唯一の見方だった同僚の中年女性事務員マリーが現れ、熱いキスをするとエイブは亡くなってしまいます。

エイブの葬式には両親や弟リチャードだけでなく、マリーや従弟のジャスティン、そして生まれたばかりの赤ん坊を抱いているミランダが参列。その後徐々にニつ以上に戻っていき、ジャッキーとジャスティンが忙しく働いている職場で、マリーはエイブと抱き合いながらダンスをする姿を妄想するのでした。

・『トッド・ソロンズの子犬物語』 2015年

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本作品は2015年に制作された作品で、かわいいけれど問題ばかり起こす一匹のダックスフンドと飼い主たちの姿を通して描いたブラックコメディ作品です。

小児がんに侵され闘病中の少年レミは、父ダニーからメスのダックスフンドを買ってもらいます。大喜びのレミはダックスフンドに「ウィンナードッグ」という名前を付けて可愛がります。しかしある日両親が留守中にウィンナードッグに自分のおやつのグラノーラバーを与えてしまい、ウィンナードッグはたちまち下痢を起こしてしまいます。すっかり衰弱したウィンナードッグを見て、ダニーは安楽死を決意し動物病院に連れていきます。

■おわりに

トッド・ソロンズは1959年10月15日にニュージャージー州ニューアークに生まれた映画監督であり、ブラックユーモア作品を数多く制作したことで知られている映画監督です。その作品は過激な棒両区描写や性描写はなく、一見して当たり障りのないホームドラマに見えるものの、人間の暗部をえぐるようなセリフが作品の所々にちりばめられており、作品をより重厚なものにしています。

ブラックユーモア作品に関心がある方は、ぜひトッド・ソロンズの作品を鑑賞してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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