トム・ディチロ:インディペンデント映画界で活躍する映画監督

※画像はイメージです

トム・ディチロは1953年8月14日アメリカ合衆国ノースカロライナ州のキャンプルジューンに生まれた映画監督です。ニューヨークのフィルム・スクールで映画製作を学んだ後、映画製作の仕事に携わるようになり、『リアル・ブロンド』や『コーヒー&シガレッツ』といった作品を手がけたことで知られています。そんなトム・ディチロの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品についてご紹介します

■トム・ディチロとは

※ニューヨーク大学の校旗

トム・ディチロは1953年8月14日アメリカ合衆国ノースカロライナ州のキャンプルジューンに生まれました。バージニア州のオールドドミニオン大学で学んだのち、ニューヨーク大学のフィルム・スクールに進学。同窓生にはジム・ジャームッシュやハワード・ブルックナーなどが含まれていました。その後俳優として働いたのち、映画監督としてデビューすることになります。

最初の作品である『ジョニースエード』は、当時まだ無名だったブラッド・ピットとキャサリン・キーナーを配役したことで話題になり、サンダース映画祭では審査員グランプリにノミネート。また二番目の作品となる『リビング・イン・オビリオン/悪夢の撮影日誌』はインディペンデント映画らしい風刺がきいた作品であり、批評家からは高く評価されました。

■トム・ディチロの作品

トム・ディチロの作品の特長は、インディペンデント映画らしく大手スタジオで制作された作品とは異なる風刺のきいた作品を制作していることでしょう。その技法は高く評価されており、ディチロはインディペンデント映画界を代表する映画監督の一人といわれています。

そんなトム・ディチロの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品についてご紹介します

・『ジョニースエード』 1991年

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本作品は1991年に制作された作品で、ロカビリー歌手になることを夢見る青年の姿を描いた作品です

1991年のロカルノ映画祭ではグランプリを獲得しました。

マンハッタンの古アパートに暮らすジョニースエードはペンキ塗りのアルバイトをしながらレコード・出ヴューを夢見ていました。ニッキー・ネルソンのファンでもあるスエードは突然空から降ってきたスエードの靴を履き、奇妙なリーゼント・ヘアをして、そんな途方もない夢を見続けていました。

ある日ジョニーは変質者の恋人から逃げてきた少女ダーレットと出会い、一目ぼれ。ダーレットを自分の部屋に招待し、一夜をともにします。今度はジョニーがダーレットの部屋に招待され、レコード会社の重役である母親を照会されるものの、ダーレットは元の恋人の元に戻ってしまい、レコード契約の夢は絶たれてしまうのでした。

ジョニーはあきらめることなくバンド「ジョニー&ザ・パースエイダーズ」を結成。イヴォンヌと出会って同棲をはじめ、公私ともに順調な生活を送っていました。そんなある日ロック・スターのフリーク・ストームに出会ったジョニーは、デビューの手助けをしてもらおうと相談を持ち掛け、フリークも自主製作レコードができる知り合いを照会すると約束したものの、それはジョニーを体よくあしらうための嘘だったのでした。

・『リビング・イン・オブリビオン 悪夢の撮影日誌』 1994年

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本作品は1994年に制作された作品で、低予算映画の現場の悲喜こもごもをコミカルに描いた作品です。

映画監督ニック・レヴの「リビング・イン・オブリビオン」の撮影現場では、主演女優のニコルが少し神経質になってきていました。撮影現場ではマイクが映りこんだり、雑音が入ったり、カメラマンのウルフが腐った牛乳にあたってトイレで吐いているなど、まさに現場は悪夢のようでした。監督の忍耐も限界に達したとき、悪夢は空けます。すべては夢だったのです。

次のシーンはラブシーンで、ハリウッドで有名女優との共演が続くチャド・パロミノが出演することになっていたものの、すでにセットに来る直前までニコルとともにベッドをともにしていたのにもかかわらず、助監督のワンダにも誘いをかける始末。ワンダに片思いを抱いているウルフは、それを知って苛立ちを隠せずにいました。ニックはそんな事情も知らず、ひたすら撮影を進めるものの、チャドの度重なる我がままについに堪忍袋の緒が切れ、ニックとチャド、ニコルは取っ組み合いのけんかをはじめてしまいます。その時ニコルは目を覚まし、またも悪夢だったのだと気が付くことになります。

・『リアル・ブロンド』 1999年

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本作品は1999年に制作された作品で、倦怠期のカップルが2人の距離を取り戻すまでを描いたコメディ作品です。

つきあって6年経つ売れない役者ジョーとメイクアップ・アーティストのメアリーは最近セックスもご無沙汰で、倦怠期を迎えていました。ある日ジョーはマドンナのビデオクリップ出演の仕事を得て、そこでマドンナの吹き替えをしていたティナと出会います。しかし助監督にたてついたため現場から追い出されてしまします。その後映画のオーディションでティナと再会したジョーは張り切って迫真の演技を披露し、見事合格。その日ジョーとメアリーは暑い夜を過ごすことになります。

その一方でジョーの役者仲間ボブはテレビドラマの主役を射止め、気をよくしたボブは付き合っていたモデルのサハラを捨てて共演者のケリーを口説きベッドイン。しかしうまくいかず、ケリーに馬鹿にされてしまいます。自信を失ったボブはサハラを訪ね、ふたりはよりを戻して結婚することになるのでした。

・『ドアーズ/まぼろしの世界』 2009年

(Public Domain/‘Photo of the rock group The Doors. From left-Jim Morrison, John Densmore, Robby Krieger and seated, Ray Manzarek.’ by APA-Agency for the Performing Arts-management. Image via WIKIMEDIA COMMONS)

本作品は2009年に制作された作品で、ロックバンド「ドアーズ」を題材にしたバンド公認の長編ドキュメンタリー作品です。

レイ・マンザレクとジム・モリソンが大学で知り合った1964年ごろからモリソンが亡くなる1971年までが当時のオリジナル映像とジョニー・デップによるナレーションによって構成されており、2009年サンダンス映画祭、2009年ベルリン国際映画祭、2009年ドーヴィル映画祭、2009年サンセバスチャン国際映画祭、2009年ロンドン映画祭、2009年ウィーン国際映画祭、2009年リオデジャネイロ国際映画祭で上映され、2010年サンタバーバラ国際映画祭ではチケットが売れきれるほどの人気となりました。

■おわりに

トム・ディチロは1954年にアメリカ合衆国ノースカロライナ州のキャンプルジューンに生まれた映画監督で、インディペンデント映画界で活躍する映画監督の一人です。ディチロは『リビング・イン・オブリビオン/悪夢の撮影日誌』で高い評価を受け、国際的にも名前を知られるようになっていきますが、その風刺や表現技法が高く評価を受けたためと考えられます。

ディチロに関心のある方は、ぜひこれを機にディチロ作品を鑑賞してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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