ウォルター・ヒル:『ウォリアーズ』や『ストリート・オブ・ファイアー』を制作した映画監督

ウォルター・ヒルは1942年1月10日アメリカ合衆国カリフォルニア州ロングビーチに生まれた映画監督です。1975年にはチャールズ・ブロンソン主演の『ストリートファイター』で監督デビューし、以来男性的な作品を制作してきました。そんなウォルター・ヒルの人生と作品について詳しく解説していきます。

■ウォルター・ヒルとは

ウォルター・ヒルは1942年1月10日アメリカ合衆国カリフォルニア州ロングビーチで生まれました。幼いころは喘息もちだったものの、15歳の時には回復。イラストレーターになることを夢見てラスアメリカ大学で学んだこともあったものの、のちにミシガン州立大学に転向し歴史を専攻。卒業後はアメリカ陸軍に徴兵されたこともあったものの、その際喘息のため不適合となっています。この出来事はヒルに大きな影響を与え、人生について深く考えるきっかけとなりました。

その後ヒルはロサンゼルスに就職し、歴史的なドキュメンタリー作品を数多く鑑賞するようになります。もともと映画に関心を持っていたということもあり、映画業界にヒルが足を踏み入れるのにそう長い時間がかかることはありませんでした。ドキュメンタリー作品を制作する契約が完了すると、ヒルはしばらくユニバーサルで働いていたものの、1968年にはトーマス・クラウン・フェアのアシスタントディレクターに抜擢。またウディ・アレンの『テイク・ザ・マネー・アンド・ラン』のアシスタントディレクターを務めるなど、徐々にそのキャリアを重ねていきました。

こうした間ヒルは夜と週末に脚本を書いていました。最初に完成した脚本は制作されることはなかったものの、ワーナーブラザーズがヒルに注目するきっかけとなり、ました。その後も脚本家として活動したものの、ヒルは監督になりたいという思いを押さえることはできず、1975年には監督デビュー。以降『ザ・ドライバー』や『ウォリアーズ』、『ストリート・オブ・ファイアー』といった作品を制作しました。

■ウォルター・ヒルの作品

ウォルター・ヒルの作品の特長は、男性的でハードな描写を主としている点でしょう。特に『ストリートファイター』や『ザ・ドライバー』『ウォリアーズ』といった作品はその典型であり、ヒルらしい作品と言えます。

そんなウォルター・ヒルの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品についてご紹介します。

・『ストリートファイター』 1975年

※画像はイメージです

本作品は1975年に制作された作品で、ヒルの監督デビュー作にあたります。

貨物列車に乗ってある街にやってきたチェイニー。その町では素手で戦うボクシング大会が行われており、賭け試合が行われていました。試合に勝ったファイターが掛け金を全額もらえるという仕組みを知ったチェイニーは、試合に負けたファイターのマネージャー、スピードと話し、自分にかけるように提案。チェイニーは試合が始まった直後一発で間をダウンさせ、勝利してしまいます。

・『ウォリアーズ』 1979年

※画像はイメージです

本作品は1979年に制作された作品で、ソル・ユーリックの同名小説を原作とする作品です。ニューヨークのスラム街のストリートギャングたちがひたすら逃げる物語であり、10代のストリートギャングたちが映画に影響されて殺人事件までが起きる騒動に発展しました。

真夏の夜のニューヨークでは、ギャングたちがブロンクスの公園に集まり、大規模な集会を行おうとしていました。ブルックリン・コニーアイランドを拠点とする「ウォリアーズ」のメンバーもその集会に参加することになったものの、ギャングたちの集会は次第に苛烈なものになっていき、ついに闘争に発展してしまいます。

・『ストリート・オブ・ファイアー』 1984年

※ロケ地であるアメリカ・シカゴ

本作品は1984年に制作された作品で、高架と路地裏の町リッチモンドを舞台とした作品です。アクション映画としては人が一人も死なないという珍しいアクション映画であり、1984年の読者選出外国語映画ベスト・テンでは1位に選ばれました。

人気ロック歌手エレン・エイムが地元での凱旋ライブ中ストリートギャング「ボンバーズ」に拉致されるという事件が発生。彼女の大ファンであるリーヴァは弟トムに助けをもとめ、トムは偶然出会った陸軍上がりのマッコイを相棒にボンバーズのアジトを襲い、エレンを救い出します。

実はトムとエレンはかつて恋仲だったものの、エレンは歌手になるという夢を捨てきれず、別れた過去がありました。トムに救出されたことで再び心が揺れたものの、金のために自分を助け出したと誤解したエレンはトムと仲たがいしてしまいます。しかし実際にはトムが謝礼を受け取っておらず、2人はお互いを思い合うようになります。

その一方ボンバーズは町を襲撃する計画を練っていました。トムはその前に立ちはだかり、一騎打ちの末トムが勝利。住民の決起を見てボンバーズは引き上げ、街には平和が戻るのでした。エレンはトムに復縁を申し出るものの、それぞれの道を選ぶこととなり、トムはマッコイとともに街を去るのでした。

・『クロスロード』 1986年

※画像はイメージです

本作品は1986年に制作された作品で、十字架に現れる悪魔に魂を売りブルースの極意を得るという「クロスロード伝説」をモチーフとした作品です。

ジュリアード音楽院でクラシック・ギターを学ぶユジーンはそのテクニックで周囲から期待されていたものの、本当に奏でたいのはブルースであり、悶々とした日々を送っていました。ある日伝説のブルースマン「ブラインド・ドッグ・フルトン」ことウイリー・ブラウンが近所の病院にいることをしったユジーンはウイリーの元におしかけてしまいます。ウイリーは「ロバート・ジョンソンの30曲目」を知っていると語り、もしミシシッピ州ヤズーシティに連れて行ってくれるのならその歌を教えてくれるという約束。ふたりはミシシッピ州に向かうもののバス代が足りず、メンフィスからはさすらいの旅に出ることになります。

旅の中ふたりは家出少女のフランセスと出会い行動を共にすることになったものの、ユジーンはフランセスに惹かれるようになっていました。しかしある日フランセスはロサンゼルスに行くと言い残して去ってしまいます。悲しみに暮れるユジーンはかつてウイリーが悪魔と契約した十字路にたどり着き、「スクラッチ」という悪魔の手先であるジャックというギタリストと勝負し勝利。ウイリーの魂は解放されることになります。

■おわりに

ウォルター・ヒルは1942年1月10日にアメリカ合衆国カリフォルニア州ロングビーチに生まれた映画監督であり、男性的でハードなストーリーの作品を制作することで有名な映画監督です。70台も後半になった今も精力的に制作活動を続けており、今後が期待される映画監督の一人といえるでしょう。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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