ウォルフガング・ピーターゼン:『Uボート』を制作した映画監督

ウォルフガング・ピーターゼンは1941年3月14日ドイツ・ニーダーザクセン州エムデンに生まれた映画監督です。『Uボート』の監督として成功したのち、アメリカに移住。その後は『エアフォースワン』や『アウトブレイク』、『トロイ』や『ポセイドン』などの大作を手掛け、ハリウッドでも注目を浴び続けている映画監督の一人と言えます。そんなウォルフガング・ピーターゼンの人生と作品について詳しく解説していきます。

■ウォルフガング・ピーターゼンとは

ウォルフガング・ピーターゼンは1941年3月14日ドイツ・ニーダーザクセン州エムデンに生まれました。ハンブルグにあるヨハネウム学院で学んだ後、1960年代にはエルンスト・ドイッチェ・シアターで舞台演出に関わり、その後ドイツ・テレビアカデミーに在籍。テレビドラマをはじめとした作品を手がけたのち、映画業界に進出しました。

1981年には代表作となる『Uボート』を制作したのち、アメリカに移住。1985年の『第5惑星』では批評的にも興行的にも評価を得ることはできなかったものの、1993年には『ザ・シークレット・サービス』で高い評価を得、その後は『アウトブレイク』や『エアフォースワン』といった大作を制作。ハリウッド屈指の名監督としてその存在感を示しています。

■ウォルフガング・ピーターゼンの作品

ウォルフガング・ピーターゼンの特長は、メジャー・スタジオの大作を手がけているという点でしょう。歴史や政治、戦争といった大きなテーマに取り組み、かつ壮大な演出を施すことによってダイナミックな作品を作り上げており、その傾向は初期の『Uボート』から『ポセイドン』にいたるまでみることができます。

そんなウォルフガング・ピーターゼンの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品についてご紹介します。

・『Uボート』 1981年

本作品は1981年に制作された作品で、第二次世界大戦中にドイツ海軍報道舞台の報道画家としてU-96に同乗した経験をもとに執筆した小説『Uボート』を原作とする作品です。当初はテレビシリーズとして制作が開始され、その後1981年に映画として公開。西ドイツで大ヒットを記録したほか、1982年にアメリカで公開されると、アカデミー賞6部門にノミネートされるなど国際的に高く評価され、ピーターゼンの名前が広く知れ渡るきっかけとなりました。

第二次世界大戦中の1941年秋。ナチスドイツの占領下にあったフランス大西洋岸のラ・ロシェル港から1隻の「Uボート」が出港。同乗する乗組員たちに与えられた任務は大西洋を航行する連合国護送船団への攻撃でした。乗組員たちは荒れ狂う北大西洋の中、敵船団への攻撃を開始し戦果を挙げたものの、海中で息をひそめながら敵駆逐艦のソナー音を聞き、爆雷の恐怖におびえる日々は乗組員たちを次第に疲弊させていきました。

乗組員たちはクリスマスに帰港することを望んでいたものの、母国からはイギリス軍の地中海要衝であるジブラルタル海峡を突破してイタリアに向かえという過酷な命令が届きます。中立国であるスペインから補給を受けたU96はジブラルタル海峡突破に臨むものの、乗組員たちには非情な運命が待っていました。

・『ザ・シークレット・サービス』 1993年

※画像はイメージです

本作品は1993年に制作された作品で、アメリカ大統領を暗殺から守ることができなかったシークレット・サービスと大統領暗殺をもくろむ殺し屋との対決を描いた作品です。

フランク・ホリガンは長年シークレット・サービスの仕事に就いていたものの、ダラスでのケネディ大統領暗殺事件で大統領を守ることができず後悔に苛まれ、酒におぼれるようになってしまいます。とうとう妻子からも見放されたフランクだったものの、調査によって大統領暗殺計画が練られていることを知った彼は警護チームに自分を編入するように頼み込み、精力的に警護に勤めるのでした。

・『アウトブレイク』 1995年

※画像はイメージです

本作品は1995年に制作された作品で、アフリカから持ち込まれた致死性の高いウィルスによるバイオハザードに立ち向かう人々の姿を描いた作品です。

ザイールのモターバ川流域で内戦に参加していた傭兵部隊に原因不明の出血熱が流行する事態が発生。調査のために現地を訪れたアメリカ陸軍は想像以上の感染速度とその致死性に驚き、感染者の血液を採取したのち隠ぺいのため舞台のキャンプを気化爆弾で壊滅させてしまいます。

しかし1990年になってまたもモターバ川の小さな村で出血熱が発生。医学防衛を任務とするアメリカ陸軍所属の研究機関に所属するサム・ダニエルズ軍医が赴くも、村は全滅状態となっていました。ダニエルズは検体を持ち帰り、警戒通達の発令を要請するものの、アメリカに蔓延する可能性は低いとみなされて却下されてしまいます。

そんな折アフリカから密輸入された一匹のサルからアウトブレイクが発生。軍上層部のドナルド・マクリントック少々とフォード准将は以前モターバ川流域で発生した伝染病と同じであることに気が付きはじめていました。持ち帰った血液は細菌兵器として保管されており、治療用の血清も作られていたものの、空気感染するウィルスに変異した伝染病には血清が効かず、どんどん感染は広まっていってしまいます。

そんななか感染源がアフリカから密輸入されたサルだとつきとめたダニエルズは、サルを捕獲。新しい血清を完成させるも、マクリントックたちは細菌兵器の存在を隠し通すためにまたも町を爆弾で焼き切ろうとしていました。しかし爆弾を運ぶ操縦士たちがその命令に反したことで、血清がいきわたる時間を稼ぐことができ、マクリントックは逮捕。ダニエルズは回復した元妻のロビーと共に新しい人生を歩みだすのでした。

・『エアフォースワン』 1997年

※画像はイメージです

本作品は1997年に制作された作品で、テロリストにハイジャックされたアメリカ合衆国大統領専用機「エアフォースワン」を取り戻すために戦う大統領を描いた作品です。

アメリカとロシアの合同特殊部隊はソ連復活をもくろむ独裁者イワン・ラデクを拘束。その3週間後にアメリカ合衆国大統領のジェームズ・マーシャルはスピーチを行い、エアフォースワンで帰路につくものの、その際乗り合わせたロシアのテレビクルーたちにエアフォースワンを占拠されてしまいます。実はテレビクルーたちはラデクの開放を望むテロリストたちであり、大統領を人質にラデクを開放させようとしていたのでした。

乗り合わせた人々は一室に集められるも、大統領がいないことに気が付いたテロリストのリーダー、イワン・コルシュノフは激怒。しかしそれは脱出ボットを用いた大統領の策略でした。そして孤独な大統領の戦いが始まります。

■おわりに

ウォルフガング・ピーターゼンは『Uボート』を皮切りに『エアフォースワン』や『ザ・シークレット・サービス』といった大作を制作したことで知られる映画監督です。その壮大なスケールの作品は、その後に続く映画監督たちに大きな影響を与えたといえるでしょう。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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