ショーン・ペン:『インディアン・ランナー』、『イントゥ・ザ・ワイルド』を制作した映画監督

ショーン・ペンは1960年8月17日アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタモニカに生まれた映画監督です。父レオ・ペンが俳優兼映画監督であったこともあり、幼いころから映画に出演。その後監督業にも進出し、数々の作品を手がけていきました。そんなショーン・ペンの人生と作品について詳しく解説していきます。

■ショーン・ペンとは

ショーン・ペンは1960年8月17日アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタモニカで生まれました。父レオ・ペンは俳優兼映画監督、母アイリーン・ライアンは女優、また弟のクリス・ペンも俳優になるなど俳優一家であり、ペン自身も父レオが監督する大草原の小さな家で子役としてデビュー。1981年には『タップス』で映画デビューを飾るなど、幼いころからキャリアを積んでいきました。

俳優としては世界三大映画祭の主演男優賞をすべて受賞し、国際的にも高い評価を受けていたものの、1991年の『インディアン・ランナー』では映画監督にも進出。映画監督としても高い評価を得ている稀有な人物と言えます。

■ショーン・ペンの作品

ショーン・ペンの作品の特長は、登場人物の内面を細やかに描いている点でしょう。冒険家や救援医師、愛する娘を交通事故で亡くした父親など、登場人物のプロフィールは多岐にわたるものの、その喜び、悲しみは実に丁寧に描かれているといえます。それはハリウッドにおいても幼いころから多数の作品に出演してきたペンならではといえるのかもしれません。

そんなショーン・ペンの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品についてご紹介します。

・『インディアン・ランナー』 1991年

※画像はイメージです

本作品は1991年に制作された作品で、ペンの初監督作品となった作品です。

舞台は1968年のネブラスカ州プラッツマウス。パトロール警官であるジョー・ロバーツは正当防衛ではあったものの、抵抗する被疑者をハイウェイで射殺する事件を起こした過去があり、今も罪悪感に苛まれていました。ジョーの家にはメキシコ人の妻マリアと幼い子ども、そして近所には両親が住んでおり、穏やかな日々を過ごしていました。

しかしそんなジョーの家族にはフランクという性格粗暴な弟がおり、ベトナム戦争から3年ぶりに帰ってきたものの、またどこかへと去っていってしまい、その後消息は分からないままでいました。半年後フランクが刑務所に入っているのを知ったジョーは出所の日迎えに行ったものの、フランクを出迎えたのはドロシーという女性で、仲睦まじい様子から名乗ることができずにいたものの、ホテルの部屋を訪れ再会を果たすのでした。

しかし喜びもつかの間、母が亡くなり、そのショックで父も自殺。フランクの犯罪行為は止められず、ジョーは苦しむことになります。そんな中ドロシーがフランクの子どもを身ごもり、ささやかながら結婚式を挙げたことでフランクは落ち着くかと思われたものの、ドロシーが出産するという日になってフランクは泥酔してバーでバーテンダーを殺害してしまいます。そんな弟を逮捕することができないフランクは、闇の中に姿を消していくのでした。

・『クロッシング・ガード』 1995年

※画像はイメージです

本作品は1995年に制作された作品で、交通事故で娘を失った父親と加害者を描いた作品です。

フレディとメアリーの幼い娘エミリーは、ある日交通事故に巻き込まれて亡くなってしまいます。その事件の加害者であるジョンは6年後刑期を終えて出所。両親をはじめとした周囲の人々は暖かく迎え入れたものの、少女を殺害したという罪悪感はジョンを苛んでいました。一方愛する娘を失った絶望から立ち直れず、堕落し日々を送り続けていたフレディ。そんなフレディに愛想をつかしてメアリーは去ってしまい、やがてフレディはジョンに激しい憎しみを抱くようになっていました。

ある日ついにジョンに銃口を向けたフレディだったものの、未遂に終わってしまいます。フレディはジョンに「3日後にまた来る」という殺人予告を残して立ち去り、その言葉通りにジョンのもとに向かったものの、2人を待っていたのは思いがけない結末でした。

・『プレッジ』 2001年

※画像はイメージです

本作品は2001年に制作された作品で、ペンの監督3作目にあたります。自らの妄想に囚われた老刑事を描いた作品で、名優ジャック・ニコルソンを起用したことでも話題になりました。

長年刑事として務めたジェリーが定年退職する日、少女惨殺事件が発生。ジェリーは被害者の母親に必ず犯人を捕まえると固く誓い、捜査を行っていきます。その後すぐに容疑者が見つかり、取り調べ中に自殺したことで事件は解決したとされたものの、他に真犯人がいると考えたジェリーは退職後も事件を追い、やがてジェリーは妄想に囚われるようになっていきます。

・『イントゥ・ザ・ワイルド』 2007年

※画像はイメージです

本作品は2007年に制作された作品で、1992年に青年が放浪の末にアラスカで死体で発見された事件を描いたノンフィクション作品『荒野へ』を原作とする作品です。第80回アカデミー賞では助演男優賞と編集賞にノミネートされたことで話題になりました。

裕福な家庭に生まれたクリス・マッキャンドレスはエモリ―大学を優秀な成績で卒業。両親はハーバード大学のロースクールに進学することを望んでいたものの、クリスは学資預金を全額寄付しアラスカへと旅立ってしまいます。

クリスは自らをアレクザンダー・スーパートランプと名乗り、ヒッチハイクでヒッピーの夫婦と出会ったり、穀物倉庫で働いたりとさまざまな人々と出会いながら旅を進めていきました。そんな中ロン・フランツという老人と出会い、養子にならないかと誘われるものの、クリスはアラスカから帰ってきてからと言ってまた旅立ってしまいます。

アラスカを訪れたクリスは打ち捨てられたバスを発見し、そこを拠点としながら生活をしていたものの、食料は減っていきまた溶けた氷で川が増水していたことから街に戻ることもできず、閉じ込められてしまいます。衰弱しきったクリスは「幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合ったときだ」と本に書き込み、涙を流しながらバスの中で息絶えるのでした。

■おわりに

ショーン・ペンは俳優一家に生まれ、自らも幼いころから俳優としてキャリアを積み、また監督業に転身したのちも質の高い作品を発表し続けている人物です。その作品は娘を失った父親や粗暴な弟に悩まされる兄、アラスカを放浪する青年などさまざまな人物を描いており、長い俳優人生から裏付けされた表現豊かな作品に仕上がっています。今後ペンはどのような作品を私たちに届けてくれるのでしょうか。今後が期待されます。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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