ダニー・ボイル:『スラムドック$ミリオネア』『スティーブ・ジョブス』を制作した映画監督

ダニー・ボイルは1956年10月20日イングランドのグレーター・マンチェスター・ベリー・ラドクリフに生まれた映画監督です。1994年に監督デビューしたのち、『スラムドック$ミリオネア』や『スティーブ・ジョブス』などの話題作を制作。特に2012年ロンドンオリンピック開会式の芸術監督に選出されたことでも話題になりました。そんなダニー・ボイルの人生と作品について詳しく解説していきます。

■ダニー・ボイルとは

ダニー・ボイルは1956年10月20日イングランドのグレーター・マンチェスター・ベリー・ラドクリフに生まれました。ウェールズのウェールズ大学バンガー校を卒業したのちは、ジョイント・ストック・シアター・カンパニーの演出家としてキャリアをはじめ、またロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでの演出や『モース警部』をはじめとしたテレビ番組の演出も手掛けるようになっていきました。

1994年には初監督作品となる『シャロウ・グレイブ』を発表。また1996年には『トレインスポッティング』が大ヒットし、イギリス映画史上もっとも興行収入をあげた作品の一つとなりました。それまではイギリスを拠点として活動していたものの、1997年からはハリウッドに進出。2000年にはレオナルド・ディカプリオ主演の『ザ・ビーチ』を制作しています。

2008年には『スラムドッグ$ミリオネア』でインドのスラム街で育った無学の青年がクイズ$ミリオネアで勝ち抜いていくさまを描き、アカデミー監督賞をはじめとする多数の映画賞を受賞。また2010年には登山家アーロン・ラルストンの遭難体験を映画化した『127時間』で再びアカデミー賞にノミネートされました。こうした功績が評価され、2012年にはロンドンオリンピック開会式の芸術監督に選出され、式典演出を担当。今イギリスでもっとも注目されている映画監督の一人と言えます。

■ダニー・ボイルの作品

ダニー・ボイルの作品の特長はイギリス人らしいブラックユーモアや激しいカッティングによるスタイリッシュな映像といえます。またこうした演出によって登場人物の心に迫っていくストーリー展開もまた、ボイル作品の特長といえるでしょう。

そんなダニー・ボイルの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品についてご紹介します。

・『トレインスポッティング』 1996年

※画像はイメージです

本作品は1996年に制作された作品で、アーヴィン・ウェルシュの同名小説を映画化した作品です。ヘロイン中毒の若者の日常が生々しく描かれており、イギリスを中心とするヨーロッパはもちろん、アメリカ、日本でも大ヒット。当時無名だったユアン・マクレガーの出世作にもなりました。

レントンはスコットランド・エディンバラに住むヘロイン中毒の若者。同じくヘロイン中毒のシック・ボーイやスパッド、アルコール中毒のベグビー、そしてトミーの4人はよくつるむ仲間でした。そんな3人は麻薬をやめようと試み、レントンは一目ぼれした女性ダイアンに声をかけ、またスパッドは恋人との最初の夜を過ごそうとするもののうまくいかず、結局麻薬に逃げることになってしまいます。そしてトミーもまた失恋をきっかけに麻薬にのめりこんでいくのでした。

そんな4人は万引きなどの犯罪も躊躇しなくなり、レントンとスパッドは警察に逮捕。そしてレントンは執行猶予付きの判決、スパッドは6カ月の実刑を受けることになります。執行猶予の判決を受けたことをきっかけにレントンは薬物依存の治療を試みるものの、禁断症状に耐えられず再び麻薬に手を出してしまい、昏睡状態に。その事態を見たレントンの両親は自室に鍵をかける強引な方法で薬物依存の治療をほどこし、ようやく克服。しかしトミーは薬物依存が続き、また感染したエイズが原因で亡くなってしまいます。

・『ザ・ビーチ』 2000年

※ロケ地であるタイ・ピーピー諸島

本作品は2000年に制作された作品で、アレックス・ガーランドの小説を原作とした作品です。『タイタニック』で一躍スターの地位を手に入れたレオナルド・ディカプリオが100本以上のオファーを断ってまで出演を決めた作品として話題になりました。

一人旅でタイにやってきたリチャードは、カオサン通りの安宿でダフィという奇妙な男と知り合います。ダフィは「伝説のビーチ」について取りつかれたように語り、そこでは日常のすべてから解放されるのだと説くのでした。

しかしその翌日ビーチの場所を記した地図を残し、ダフィは変死。ビーチの存在には半信半疑なリチャードだったものの、フランス人のカップルフランソワーズとエティエンヌとともに楽園を探す旅に出かけることになります。旅の道中で知り合ったサミーとゼフもまた伝説のビーチの噂話に夢中になっており、ビーチは外界から完全に遮断された場所にあり、澄み切った海と大量の大麻が吸い放題だと語るのでした。リチャードはそんなふたりと別れる前に、こっそり楽園の生き方を記した地図を書き写し、その地図を残して旅だったものの、このことで思いがけない恐ろしい事態に巻き込まれることになります。

・『28日後…』 2002年

※画像はイメージです

本作品は2002年に制作された作品で、人を凶暴化させるウィルスが蔓延し壊滅状態に陥ったロンドンを舞台に描いた作品で、第30回サターン賞の最優秀ホラー映画賞を受賞しました。

動物愛護活動家が医療科学研究所を襲撃する事件が発生。研究員はチンパンジーが危険な感染症にかかっていると警告するものの、活動家はチンパンジーを檻から出してしまいます。その瞬間チンパンジーは活動家のひとりに襲い掛かり、負傷した活動家は凶暴化。そして仲間の活動家や研究員たちに襲い掛かるのでした。この感染症の正体は感染すると脳の精神を司る部分を破壊し、凶暴化させてしまうウィルスであり、ウィルスは瞬く間に蔓延。ロンドンはゴーストタウンと化してしまいます。

そんな中メッセンジャーのジムは病院で昏睡状態から目を覚まします。ジムは交通事故で病院に搬送され、感染が広まる中でも昏睡状態でいたのでした。ジムは感染から逃れていた人々を仲間に加え、生き延びるべく奮闘することになります。

■おわりに

ダニー・ボイルはイングランドのグレーター・マンチェスター・ベリー・ラドクリフに生まれた映画監督で、『スラムドッグ$ミリオネア』や『トレインスポッティング』といった話題作を制作した人物です。その作品はイギリス人らしいブラックユーモアにあふれる一方、登場人物たちの心情を見事に描き切っており、イギリスを代表する映画監督といえるでしょう。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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