キセリ:ベリー系のジュースにとろみをつけたゼリーのようなデザート・飲料

キセリとは、ロシアやポーランドなど東ヨーロッパ諸国で親しまれているデザートであり飲料です。寒い冬の時期の風物詩ともいえる存在で、地域によってはクリスマスのデザートとして知られています。

そんなキセリの歴史と特徴について詳しく解説していきます。

キセリの歴史

キセリの語源は、スラブ語の「キスリ=酸味」に由来しています。もともとは、カーシャ(穀物を柔らかく煮込んだ粥)やサワードウ(小麦やライ麦をベースにしたパン種)を指した言葉でした。

文献では13世紀に書かれた『ラジヴィウ年代記』に初めて登場します。『ラジヴィウ年代記』では、5~13世紀初頭までのキエフ大公国と周辺国の情勢が、600以上の挿絵と共に記録されていました。

キセリについては、997年に起こったキエフ大公国・ベルゴロド公と遊牧民族ペチェネグの戦いのなかで記述されています。ペチェネグに包囲された都市ベルゴロドでは飢餓が始まりました。そこで、住民はキセリとミード(ハチミツ酒)を偽の井戸に入れ、ペチェネグの使者を迎え入れます。すると、井戸からキセリとミードが湧き出ていると使者が勘違いし、「台地の恩恵を受ける民族」と恐れたペチェネグはベルゴロドの包囲網を解くことを決めました。この記録により、997年当時すでにキセリが作られていたことが推測できます。

キセリの特徴

キセリは、ベリー系の果物を使用したゼリーのようなとろみのついたデザート・飲料で、地域や家庭によって使用する果物は異なります。ポーランドではイチゴ・グースベリー、ロシアではクランベリー・サクランボが人気です。

近年は、果物をすりつぶす伝統的な製法ではなく、インスタントミックスを使用して手軽に作られています。

・キセリの主な材料

果物、またはジャム…イチゴ・ラズベリー・ブラックベリー・グースベリー・クランベリー・サクランボ・レッドカラント・プルーン・アンズなど

砂糖(ジャムを使用する場合は必要ありません)

片栗粉

付け合わせ…ライスプディング・サワークリーム・アイスクリームなど

・キセリの主な調理法

お好みの果物の皮をむき、きれいに洗って乾かします。

フードプロセッサーでピューレにしたら、漉して深めの鍋に入れます。

鍋に水と砂糖を加えよくかき混ぜて加熱します。

水全体が果物の色に変わったら、水溶き片栗粉を加えて混ぜます。

とろみがついたら少し冷まし、デザート皿やグラスに静かに注ぎます。

冷蔵庫で20分~1時間程度冷やします。

お好みで付け合わせを盛り付けたら完成です。

終わりに

キセリは、東ヨーロッパで親しまれているベリーを使用したゼリーです。甘酸っぱい味わいが特徴で、ベリーのきれいな色はクリスマスデザートにもぴったりです。興味のある方は自宅でも作れますので、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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