クワス:ライ麦で作る東欧の伝統的な微アルコール飲料

クワスとは、ライ麦を発酵させて作る飲み物で、微発酵・微アルコールの甘い味わいが特徴です。ライ麦パンで手軽に作れるレシピは、ロシア・ウクライナ・ベルラーシなどでの一般家庭で親しまれています。そんなクワスの歴史と特徴について詳しく解説していきます。

クワスの歴史

クワスの語源は、スラブ祖語 の「kvasъ=パン種、発酵」に由来しています。

発祥地は2000年以上前の古代エジプトです。「ビールとクワスに似た飲料」が、古代ギリシアの医者・ヒポクラテスや古代ギリシアの歴史家・ヘロドトスの著作に登場しています。

スラブ人はこの飲料を気に入り、東スラブ(ベラルーシ・ロシア・ウクライナ)を中心に人気が高まりました。ロシアでは、989年にキエフ大公国のウラジーミル大公が民衆にクワスを振舞ったとの記述が残っています。

ロシアでのクワス人気のピークは15~16世紀頃で、国民1人あたりの年間消費量は200~250リットルでした。この頃になるとレシピも多様化しており、ハーブ・蜂蜜・ベリー・野菜など約500種のバリエーションがあったと伝えられています。

その後、ソビエト連邦が崩壊するとコカコーラやペプシなどの炭酸飲料の存在感が増し、クワスの人気は下降しました。しかし、2000年代に入るとペットボトル入りクワスが発売されるなど、根強い人気を誇っています。

クワスの特徴

クワスは、ライ麦を原料とする微アルコール飲料で、ロシアを中心とした東欧諸国で親しまれています。ほんのり甘くてシュワシュワする清涼感から、ロシアでは夏の風物詩として有名です。

以前はビールよりもアルコール度数が高いものが作られていましたが、現在はアルコール度数1~2.5%程度が主流です。

・クワスの主な材料

ライ麦パン、またはライ麦の麦芽

砂糖、またはハチミツ

ドライイースト

果物…レーズン、またはリンゴ

・クワスの主な調理法

乾燥させたライ麦パンを小さくちぎります。

オーブンやトースターでライ麦パンに軽く焦げ目がつくまで焼きます。

清潔な容器に、パンと残りの材料を入れます。

布で蓋をして、暖かいところで発酵させます。

1~3日発酵させ、炭酸ガスの細かい泡が上がり、パンが上下するのを確認したら発酵完了です。

鍋などに濾してパンを取り除きます。

味見をして、好みの甘さになるように砂糖やハチミツで調整します。

炭酸対応の容器へ詰めて冷蔵庫で保存します。

しっかり冷えたら完成です。

※冷蔵庫に入れないと発酵が進むため、必ず冷蔵庫保存してください。

終わりに

クワスは、砂糖やハチミツの甘みが印象的な微炭酸ジュースです。ライ麦パン・ドライイーストなど手に入りやすい材料なので、東欧では各家庭で作られています。興味のある方は是非一度作ってみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

関連記事一覧