アストリッド・リンドグレーン:『長くつ下のピッピ』を執筆した児童文学作家

アストリッド・リンドグレーンは、1907年11月14日スウェーデン南東部のヴェンメルビューに生まれた児童文学作家です。特に『長くつ下のピッピ』や『ロッタちゃんシリーズ』といった作品を執筆したことで知られており、世界100か国以上の国々で読み継がれています。そんなアストリッド・リンドグレーンの人生と作品について詳しく解説していきます。

■アストリッド・リンドグレーンとは

アストリッド・リンドグレーンは1907年11月14日、スウェーデン南東部のヴェンメルビューに生まれました。両親と4人兄弟にかこまれて生まれ育ったリンドグレーンは、学校卒業後地元の新聞社に就職。その後教師や事務員などの仕事をする傍ら執筆活動を始めていきました。

1945年には『長くつ下のピッピ』を執筆。また1958年には『ロッタちゃんシリーズ』を発表し、スウェーデンの豊かな自然を舞台にした物語は大きな反響を呼びました。その後も執筆をつづけたほか、翻訳者としても活躍していたリンドグレーンだったものの、2002年1月28日にはストックホルムの自宅で死去。その葬儀は大聖堂で行われ、国王と王妃、そして王室メンバーに加え、首相ヨーラン・ぺーションも参列し、きわめて国葬に近いものとなりました。

■アストリッド・リンドグレーンの作品と作風

アストリッド・リンドグレーンの作品はスウェーデンの豊かな自然を舞台にし、子どもたちの冒険やファンタジーなどを描いているのが特長です。これは生家の小さな牧場で家族とともに過ごした幸せな子ども時代が下敷きになっていると言われています。またリンドグレーンは2度の結婚をし、2人の子どもにも恵まれました。リンドグレーンの作品はそうした子どもたちのために考え出されたものも多いといわれています。

そんなアストリッド・リンドグレーンの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品をご紹介いたします。

・『長くつ下のピッピ』 1945年

※画像はイメージです

本作は1945年に発表された作品で、リンドグレーンの代表作となった作品です。シリーズ化されたほか、テレビアニメーションや映画、ミュージカルになったことでも有名で、スウェーデンを代表する児童文学の一つと言えます。

トニーとアンニカは好奇心旺盛な兄妹。しかし毎日が退屈で、日々時間を持て余していました。そんな中街はずれの『ごたごた荘』に赤毛のツインテ―ルにそばかすだらけの女の子がやってきます。その少女「ピッピ」は9歳で、長靴下を履いているのがトレードマークになっていました。ピッピの父親エフライムはスクーナー船「ホッペトッサ号」の船長だったものの、嵐で海に落ちて行方不明になり、ピッピは以前の父親の言葉に従って別荘である「ごたごた荘」にやってきたのでした。

トニーとアンニカのセッターグレン兄妹はすぐにピッピと意気投合。ピッピは船を家として育ったことから町では見られないような自然児に育っており、怪力とほら吹きが得意な女の子でした。セッターグレン兄妹はそんなピッピに振り回されるものの、悪者を懲らしめたり、火事で逃げ遅れた子どもを助けたりするなど、徐々にその評判が高まっていきます。

そんなある日消息不明になっていたエフライムが、ピッピの元を訪れます。エフライムは海に落ちたおあと何とか南方の島にたどり着き、その島民たちの族長を務めていたのでした。その後なんとか娘に再会するためにヨットで海に出たところ偶然「ホッペトッサ号」に出会い、帰ってくることができたのでした。ピッピとの別れを惜しむ二人だったものの、ピッピは自分のために悲しむ人がいることは耐えられないとして街に残ることを宣言。セッターグレン兄妹とともにすごす毎日がまた始まるのでした。

・『やかまし村の子どもたち』 1986年

※画像はイメージです

本作は1986年に執筆された作品で、スウェーデンの片田舎の3世帯しかない「やかまし村」を舞台に繰り広げられる暮らしを描いた作品です。

スウェーデンの片田舎のやかまし村。そこではたった3件の家が隣り合って暮らしていました。それぞれは中屋敷、南屋敷、北屋敷と呼ばれており、中屋敷では主人公で7歳の女の子リーサが兄ラッセとボッセとともに暮らしていました。南屋敷に住むのはブリッタとアンナの姉妹。ブリッタは本を読むのが好きな女の子で、妹のアンナは芝居がかった物言いをする不思議な子どもでした。そして最後の北屋敷に住むのは人一倍心の優しいオッレ。3人の男の子と3人の女の子はそれぞれ毎日楽しく暮らしていました。

一作目の「やかまし村の子どもたち」では、子どもたちは家と家の間にある木を伝って子ども部屋を行き来したり、秘密基地を作ったりと子どもらしくも冒険あふれる毎日を過ごしていました。そんな子どもたちも学校に行く年齢になったものの、やかまし村はあまりにも田舎にあるため、学校に通うために何時間も歩いて帰らなくてはなりませんでした。しかしある日大雪が降って、子どもたちは家に帰れなくなってしまいます。そんな中そりを使ってお父さんが子どもたちを迎えに来てくれるのでした。

・『山賊の娘ローニャ』 1981年

※画像はイメージです

本作は1981年に発表された作品で、その後何度もテレビアニメーションや映画化がなされたことでも有名な作品です。

ローニャは山賊の統領マッティスの一人娘。雷が鳴り響く嵐の日に生まれ、毎日の山をはだしで駆け回る日々を送っていました。ローニャは両親や家族同然の父の子分たちからたくさんの愛情を受けたこともあり、明るく素直な娘に育ち、また仲間や森を愛する心も持ち合わせていました。

そんなある日ローニャはボルカ山賊の統領ボルカの息子、ビルクに会います。ビルクは思慮深く現実的な性格で、ローニャとは反対の気性を持っていました。ローニャははじめこそビルクを敵の子どもと嫌っていたものの、その人となりに次第に惹かれていくようになります。

■おわりに

アストリッド・リンドグレーンは1907年11月14日スウェーデンのヴェンメルビューに生まれた児童文学作家で、『長くつ下のピッピ』を執筆したことで有名な人物です。スウェーデンの豊かな自然を舞台に描かれたリンドグレーンの作品は、スウェーデンを代表する作品になったほか、世界70か国語以上に翻訳され、100以上の国で読み継がれています。

児童文学として紹介されることが多いリンドグレーンの作品ですが、大人になって読み返してみると思いがけない面白さを味わえることもあります。ぜひこれを機にリンドグレーンの作品を読み返してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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