アマンシオ・オルテガ:ZARAの創業者

アマンシオ・オルテガは1936年3月28日スペインのカスティーリャ・イ・レオン州レオン県ビジャマニンに生まれた起業家です。アパレルブランド「ZARA」を運営するインディテックス者の創業者として知られています。そんなアマンシオ・オルテガについて詳しく解説していきます。

■アマンシオ・オルテガの幼少期

※スペインのカスティーリャ・イ・レオン州レオン県ビジャマニン

アマンシオ・オルテガは1936年3月28日スペインのカスティーリャ・イ・レオン州レオン県ビジャマニンに生まれました。オルテガは4人兄弟の末っ子で、学校を卒業したのちは父親の仕事の都合でア・コルーニャに転居。その後地元のシャツメーカー「ガラ」の雑用係として雇われることとなります。その際さまざまな雑用をこなす傍ら、服の作り方を学んでいきます。

■アマンシオ・オルテガのビジネス

1972年にはバスローブの販売会社「Confecciones Goa, S.A.」を創業。1975年には妻のロザリー・雨らとともに最初の「ZARA」の店舗をオープンし、その安価でデザイン性の優れた商品がヒットし、世界的な成長を遂げました。2000年にはIPOを行い、スペインの金融メディアで大きな注目を集めたものの3人のジャーナリストにインタビューが許可されたのみで、大々的な宣伝がなされることはありませんでした。

2011年にはZARAの親会社にあたるインデックスから退職することを発表し、インディテックスの副社長であるパブロ・イスラが後任にあたることが発表されました。ただその後もインディテックスの株の約60%を所有しており、影響力を発揮し続けています。

■アマンシオ・オルテガの運営する団体・企業

アマンシオ・オルテガが運営する企業としてはZARAがあまりにも有名です。またオルテガは80歳を超えた今もZARAの運営会社であるインディテックスの運営に関わり続けており、生涯現役でビジネスに関わり続けているといえるでしょう。そんなオルテガが運営する団体・企業について詳しく解説します。

・ZARA

ZARAはインデックス社が展開するファッションブランドで、インディテックス社が経営していることで知られています。ファッション性に優れた衣服を手ごろな値段で提供しており、ファストファッションブランドのひとつとして、アメリカやヨーロッパ、アジアにも進出しています。

ZARAでは200人以上のデザイナーが3万以上のモデルをデザインしており、企画やデザイン、製造、販売にいたるまで自社で行っていることから徹底したコストダウンを実現。またユーザーのニーズに則った商品を展開することが可能になり、特にヨーロッパで人気を得ました。こうしたプロセスが成功した背景には、ZARAがデルやトヨタのようにサプライチェーン方式を投入している点が指摘されており、新商品が2週間で投入されるなどユーザーを飽きさせない仕組みを作り上げています。

また加えてパリのオペラ座やニューヨークのソーホー地区などの世界の主要都市の繁華街に大型店を出店し、店舗そのものを広告塔とすることで広告費を抑え、経営のスリム化を図ってきました。現在ではそれぞれの市場に合わせて広告戦略も変えており、戦略的な経営を行っている企業の一つと言えます。

しかしその一方で2007年にはナチスのハーケンクロイツがデザインされたハンドバッグを販売し、批判を受けて回収するなどの問題を起こしたこともありました。また2014年にはユダヤ人が強制収容所で着用した服を思わせる黄色の星型が就いたシャツを販売。こちらもまた撤回に追い込まれています。この点に関して2015年に社内弁護士を務めていたイアン・ジャック・ミラーは「企業風土に反ユダヤ主義が含まれている」として訴訟を起こしています。

・インディテックス 1985年設立

インディテックスは1985年に設立されたアパレルメーカーで、スペインのガリシア州ア・コルーニャ県アルティショに本社が置かれています。もともとはオルテガとその妻ロザリー・アメラとともに自宅で服を作り始めたことが始まりであり、1975年にはZARA1号店をオープン。翌年ZARAは法人化され、スペイン全土に店舗や工場をオープンしていきました。

1980年代には設計や製造、小売店までのプロセスを大幅に短縮したシステムを考案。このシステムは1984年にCEOとなったカスッテラーノによって設計され、世界中の企業が参考することになりました。また2001年にはマドリッド市場で最初のIPOが行われ、90億ユーロと評価されました。

1989年にはポルトガル市場参入を経て、アメリカ史上にも参入。また1990年にはフランス、1992年にメキシコ、1993年にはギリシャに店舗展開を広げていきました。1997年までにはマルタ、キプロス、ノルウェー、イスラエルに拡大。また1998年にはイギリス、トルコ、アルゼンチン、ベネゼエラ、中東、およびイスラエルに、また2016年までにはベトナム、ニュージーランド、パラグアイ、アルバ、ニカラグアに出店がなされました。

また2007年にはオンライン販売も開始し、2010年9月にはeコマースマーケットプレイスに参加。スペイン、イギリス、ポルトガル、イタリア、ドイツ、フランスでウェブサイトを立ち上げ、大きな話題となりました。

2015年の時点では全世界に6600店舗を展開しており、ZARAのほかにもベルシュカやマッシモ・ドゥッティ、オイショ、プル・アンド・ベア、ストラディバリウス、ザラホームなどのブランドを展開しており、世界中で愛されるブランドの一つとなっています。

■アマンシオ・オルテガの慈善活動

こうしてZARAを世界的なファッションブランドにまで押し上げたオルテガですが、慈善活動にも力を入れていることでも知られています。スペイン全土のがん研究のために3億ユーロを寄付し、寄付金はがんを検出するための機器440台導入のために用いられました。そのためスペインの公立病院でも定位放射線治療装置が行えることになり、設置されている公立病院の数は20から70までに増加しました。

加えてローマカトリックの支援団体であるカリタスインターナショナルに2000万ユーロの寄付を行うなど、様々な慈善活動を展開しています。

■おわりに

アマンシオ・オルテガは世界的なファッションブランドZARA、そしてZARAの運営会社であるインディテックスを創業した企業家です。その自宅での服作りから始まったZARAのブランドは、今や全世界に広まっており、身近なファストファッションブランドの一つになりつつあります。これはZARAの製造から店舗に届けるまでの時間を短縮するという画期的な対応の成果であり、全世界のビジネスにも影響を与えました。

80歳を超えた今もビジネス、そして慈善活動にと活動し続けるオルテガ。その力強さはビジネスパーソンの鏡といえるでしょう。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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