アリアナ・ハフィントン:ハフィントン・ポストの共同創業者

アリアナ・ハフィントンは1950年7月15日アテネのギリシアに生まれたジャーナリストです。リベラル系ニュースサイト「ハフィントン・ポスト」の創設者として有名であり、フォーブズ誌による「メディア界で最も影響力のある女性」では12位に選出されました。そんなアリアナ・ハフィントンの人生について詳しく解説していきます。

■アリアナ・ハフィントンとは

アリアナ・ハフィントンは1950年7月15日アテネのギリシアに生まれました。16歳のときにはイギリスにわたることになり、ケンブリッジ大学ガートン・カレッジに入学。1971年には女性学生ではじめてケンブリッジ・ユニオン・ソサエティのプレジデントとなり、1972年には経済学学士号を取得して卒業。その後はインドに留学し、ヴィスババラティ大学で比較宗教学を学びました。

1970年代にはバーナード・レビンの助けを借りて本を書き始め、2人は恋人関係になったものの、レビン自身が結婚や子どもを望んでいなかったため、ハフィントンは1980年にニューヨークに居を移すことになります。その後は1970年代にイギリスBBCラジオ4の「何か質問は?」のパネリストにしばしば出演し、政治的な論議を重ねていきました。1980年代後半にはナショナル・デビューに記事を寄稿するようになり、1981年にはマリア・カラスの伝記を、1996年にはパブロ・ピカソの伝記を執筆し、作家として名前を知られるようになっていきます。

※画像はイメージです

また公共ラジオ放送である「左翼・右翼・中道」の共同司会をつとめ、2007年5月にはエア・アメリカ・ラジオにおいて「アメリカでの7日間」の共同司会をはじめるなど、テレビ媒体にも露出するようになっていきます。2007年11月17日にはレイチェル・マドーの代打として「レイチェル・マドー・ショー」の司会を務めることもありました。

2003年には独立候補者としてカリフォルニア州知事選に出馬。ハフィントンが環境志向のハイブリッド車プリウスを所有しているのに対し、ライバル候補だったアーノルド・シュワルツェネッガーが極度に燃費の悪いハマー車を所有していることに触れ、選挙戦において環境問題を争点としようとしました。しかし選挙アドバイザーの意見を受け、2003年9月30日には選挙から撤退しています。

■ハフィントン・ポストの設立

ハフィントン・ポストはハフィントンがカリフォルニア州知事選挙から撤退した2005年9月に開設されました。保守系ニュースサイトである「ドラッジ・レポート」に対するリベラルな意見の発表の場として開設されたニュースサイトです。

2008年には初の地方版であるハフポス・シカゴ、2009年6月にはハフポス・ニューヨーク、また9月15日にはハフポス・デンバーが開設され、その後2011年にはAOLによって大規模買収が行われ、3億15000万ドルで買収に合意したとされています。アメリカ版のほかにイギリス版、カナダ版、フランス版、スペイン版、イタリア版、日本版、マグリブ版、ドイツ版、ブラジル版、ギリシア版と次々と世界展開をしていき、テーマも政治、メディア、ビジネス、エンターテイメント、生活など幅広いものとなっています。

執筆者は編集長のアリアナ・ハフィントン、ハーリー・シーラー、ジョン・コニャーズ、ロージー・オドネルなどの執筆者に加え、政治家や有名人、ブロガーなど3000人以上が加わっており、その中にはバラク・オバマ、ヒラリー・クリントン、ジョン・ケリー、マイケル・ムーア、ニール・ヤング、エドワード・ケネディなどが含まれていました。

※画像はイメージです

また記事にコメント欄が付属しているのが特徴で、活発な議論が行われています。しかし書き込んだコメントは事前チェックの後にサイトに掲載される検閲製であり、掲載されるまでには承認待ちのためのタイムラグが生じることもあります。

ハフィントン・ポストはリベラル系ニュースメディアとして大きな影響力を持つようになったものの、代替医療の支持者やワクチン反対論者による記事を掲載して科学者から批判されたり、またナンシー・レーガン元大統領夫人がカリフォルニアの自宅で転倒した際に批判的な読者コメントが一般公開されていた状態を放置していたなど、さまざまな批判にさらされることもありました。

しかしその一方で2009年にはTimesによってベストブログ25に選出され、2009年にはハフィントンがガーディアン紙による「メディア界の100人」42位に選出されるなど、メディア業界において大きく評価されたこともまた事実です。こうしたウェブメディアはニュースの質や速報性などさまざまな点でまだまだ発展途上と言え、ハフィントン・ポストもまた折によって運営を考えていかなくてはならないとも言えるでしょう。

■ハフィントン・ポスト後

ハフィントンは2016年にAOLとハフィントン・ポストを退職し、ストレスや燃え尽き症候群などの解決方法を探る新しい会社「Thrive Global」を立ち上げました。

2017年には「Thrive Globalポッドキャスト」を展開。ハフィントンはホストを担当し、俳優のジェニファーアニストン、起業家のマークキューバン、歌手のケイティペリー、天体物理学者のニールデグラスタイソン、テレビジャーナリストのケイティクーリック、作家のマルコムグラッドウェルなどをゲストに迎えたポッドキャストを配信しました。

2019年には「Meditative Story ポッドキャスト」をリリース。これはストーリーと瞑想音楽を聴くことで、マインドフルネス体験を導くものでした。最初のリリースからピーター・セーガルや旅行作家のピコ・イヤー、LinkedInの共同設立者リード・ホフマン、俳優のジョシュ・ラドナー、天文学者のミッチェル・タラ―などを取り上げました。フォーブズではこれを「美しい音楽に包まれながら体験する全く新しいマインドフルネス」と絶賛しました。

■おわりに

アリアナ・ハフィントンは1950年7月15日ギリシアのアテネに生まれ、「ハフィントン・ポスト」を創業したことで知られる人物です。ケンブリッジ大学を卒業したのちメディア業界に進出し、イギリスBBC4の番組に出演したり、アメリカの公共ラジオ放送で共同司会を務めたのち、カリフォルニア州知事選にも出馬。政治的な場にも進出していきました。

そうしてメディア業界でキャリアを積み重ねていったハフィントンが創設した「ハフィントン・ポスト」は、現在では全世界を代表するリベラル系ニュースメディアとなっており、世界中の人々がハフィントン・ポストを読んでいます。これほどのニュースメディアを作り上げたという点では、アリアナ・ハフィントンはジャーナリスト、そして企業家として非常に先見の眼のある人物だったといえるでしょう。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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