アリソン・アトリー:イギリスを代表する童話作家

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アリソン・アトリーは1994年12月17日イギリスのダービーシャー、クロムフォードに生まれた童話作家です。本名はアリス・ジェーンといい、田舎の自然や故郷の想い出を作品に活かした作品を執筆しました。そんなアリソン・アトリーの人生と作品について詳しく解説していきます。

■アリソン・アトリーとは

※イギリスのダービーシャー、クロムフォード

アリソン・アトリーは1994年12月17日に生まれました。18歳まではクロムフォードの農園で過ごし、その後ダービーシャー、ベイクウェルのレディ・マナーズ・スクールの奨学生として進学。現在のマンチェスター大学にあたるオーエンズ・カレッジにダービーシャー州奨学金を得て進学し、物理学を専攻。1906年の開校以来2番目の女性の優等卒業生として卒業しています。

その後1908年にはロンドンのフラム女子中等学校に物理教師として就職し、教師として働きました。またその後ケンブリッジ大学に進学し、そこでであった科学者のジェイムズ・アトリーと結婚。しかし第一次世界大戦によって健康を害していたアトリーはうつ病を患い、1930年にはマージ―川で溺死してしまいます

※イギリスのダービーシャー

もともと小説を書くのが好きで1929年には本を出版したことがあったアリソンでしたが、夫を亡くし幼い息子を抱えたアリソンは生計を立てるために小説を書くことにし、幼いころを過ごしたダービーシャーの自然を題材にした物語を執筆していきました。その後息子のために執筆した「グレイラビット」シリーズや1939年に発表された『時の旅人』など100タイトルを越える物語を執筆し、イギリスを代表する小説家のひとりとなりました。

その後1970年にはマンチェスター大学によって名誉博士号を授与されるなど、児童文学の小説家として高い評価を得つつあったアトリーだったものの、1976年5月7日には91歳で死去。2009年にはアトリーの個人的な日記が出版されたことでも話題になりました。

■アリソン・アトリーの作品と作風

アリソン・アトリーの作風はなんといっても、田舎町ダービーシャーの自然を題材にし、美しくも心躍るような作品を執筆していることでしょう。また異界の存在との交流を描いている点も特徴の一つであり、その際の描写には高い評価がなされています。

そんなアリソン・アトリーの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品をご紹介いたします。

・『時の旅人』 1939年

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本作品は1939年に執筆された作品で、アトリーの少女時代の夢がもととなった作品です。故郷ダービーシャーを舞台に、スコットランド女王メアリ・スチュアートを救おうとする領主一族の館と現代の農家を行き来する少女の活躍を描いた作品であり、タイムトラベルもののさきがけといわれています。

ある冬、ペネロピ―はひどく体調を崩し、療養を必要としていました。そのためロンドンを離れて、農場を営む親戚の元に預けられることになります。そこは昔バビントン家の荘園の一部だったという歴史ある場所でした。サッカーズ農場は100年以上の道具類が残されており、ペネロピ―はおじさんやおばさんを手伝って動物の世話をしたり、こどもたちと散歩や探検をすることで徐々に元気を取り戻していきました。

ある日ペネロピ―は屋敷内で古風なドレス姿の貴婦人に出くわします。ペネロピの曾祖母は「透視力」を持ち合わせており、どうやらペネロピ―はその力を受け継いだようなのでした。そんな中ペネロピ―はあることがきっかけで1582年、エリザベス女王が収めるイングランドにタイムスリップしてしまいます。16世紀のサッカーズの人々は教養があり、美しいものを愛するペネロピ―を好意的に受け止め、ペネロピ―もまた16世紀のサッカーズの人々と楽しく交流するようになります。

しかしペネロピ―はサッカーズでこれから血なまぐさい事件が起きることを知っていました。メアリ・スチュアートの処刑の原因となったバビントン陰謀事件はまさに屋敷の主であるアンソニー・バビントンによって起こされたものであり、国内旧教徒やスペイン軍の尽力を得て女王を殺害し、代わりにメアリ・スチュアートを王位につけるという計画が進められていました。しかし、F・ウォルシンガムによって探知されたのち、一味は逮捕、処刑されることになっており、メアリー女王もまた翌年処刑されることになります。

アンソニーは女王への敬愛のあまり、女王のために命をささげる覚悟をしており、そんな夫に対して婦人は沈痛な面持ちで日々を過ごしていました。そんなアンソニーと会話していた際「メアリー女王は処刑された」と口走ったことで、物語は大きく動いていくことになります。

・『西風のくれた鍵』

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本作はアトリーの短編のひとつにあたり、アトリーらしい異国の存在とのふれあいを描いた作品として有名な作品の一つです。

幼いジョンは西風がしかけてくるなぞなぞを解いて、木の実の鍵を手に入れますかえでやとねりこの木を開けると、そこには長い時間をさかのぼったもう一つの世界が広がっていました。

・『リトル・グレイ・ラビット』シリーズ

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「リトル・グレイ・ラビット」はアトリーが息子ために綴った童話で、主人公のグレイラビットをはじめ、モグラのモールディさんやはりねずみのファジベック坊やなどが登場する物語です。1970年半ばまで40年間にわたって執筆されたシリーズで、2000年にはテレビアニメにもなりました。

■おわりに

アリソン・アトリーは1884年12月17日イギリスのダービーシャーに生まれた童話作家で、田舎の自然や故郷の想い出をもとに作品を発表し続けた作家です。もともとは物理を専攻していたものの、夫の死をきっかけに小説で生計を立てることとなり、代表作となる『時の旅人』や『リトル・グレイ・ラビット』シリーズは今ではイギリス文学の古典のひとつに数えられています。

アリソン・アトリーの作品の魅力は、なんといってもの自然の描写や異国の存在との出会い、思いがけない結末や歴史への深い洞察力などにあるといえるでしょう。児童文学のジャンルにはいるものが多いものの、その中には大人になってから読み返すと新しい魅力が発見できる作品もあります。アトリーの作品を幼いころに読んだことがあるという方は、ぜひまた読み返してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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