アン・リー:『ブロークバック・マウンテン』『グリーン・ディスティニー』を手がけた映画監督

アン・リーは1954年10月23日台湾南部の屏東県に生まれた映画監督です。アメリカにわたって映画製作を学んだ後映画監督としてデビューし、代表作『グリーン・ディスティニー』はアカデミー外国語映画賞を受賞しました。そんなアン・リーの人生と作品について詳しく解説していきます。

■アン・リーとは

アン・リーは1954年10月23日台南南部の屏東県に生まれました。台湾の国立芸術大学を卒業したのち、1979年には渡米。イリノイ大学とニューヨーク大学で映画製作を学んだ後、1991年に映画監督としてデビューを飾ることになります。

その後は快進撃を続け、『ウェディング・バンケット』と『いつか晴れた日に』ではベルリン映画祭金熊賞を、また『グリーン・ディスティニー』ではアカデミー外国語映画賞を受賞し、世界的にその名前を知られるようになっていきました。その後『ブロークバック・マウンテン』では第78回アカデミー監督賞を受賞し、第64回ヴェネツィア国際映画祭に出品した『ラスト、コーション』では再び金獅子賞を受賞。名声を確固としたものにしました。

■アン・リーの作品

アン・リーの作品の特長は、さまざまなジャンルの作品を手がけながらも、どれも登場人物の内面を細かに描いている点でしょう。アジア映画やアメリカ映画、そしてヒーローものにいたるまで、質の高い作品を作り上げている点は、リーの監督としての力量といえるでしょう。

そんなアン・リーの作品には、どのような作品が含まれているのでしょうか。主要な作品についてご紹介します。

・『ウェディング・バンケット』 1993年

※画像はイメージです

本作品は1993年に制作された作品で、アン・リーの「父親三部作」の二作目にあたる作品です。第43回ベルリン国際映画祭では最高賞の金熊賞を受賞し、ゴールデングローブ賞外国語映画賞やアカデミー賞外国語映画賞にもノミネート。リーの名前を世界的に広めるきっかけにもなりました。

ウェイトンはマンハッタンで恋人のアメリカ人サイモンと暮らす台湾人。しかしウェイトンは自らがゲイであることを台湾で暮らす両親に告げられずにいました。そんなウェイトンの心中を知らない両親は、ウェイトンに早く結婚するように最速を繰り返していました。

そんな中ウェイトンの友人で芸術家のウェイウェイはお金がなく、アメリカ滞在のためのビザもまた切れようとしていました。そこでウェイトンとウェイウェイは偽装結婚することで、ウェイトンは両親を安心させ、ウェイウェイはグリーンカードを手に入れようと画策。結婚式は行わず、書類を提出する程度で済ませるつもりだった二人だったものの、ウェイトンの両親はわざわざ渡米してきて、台湾式のにぎやかな結婚式をするように言うのでした。

・『いつか晴れた日に』 1995年

※画像はイメージです

本作品は1995年に制作された作品で、ジェーン・オースティンの『分別と多感』を原作とする作品です。代68回アカデミー賞で脚色賞を受賞したことでも話題になりました。

貴族のダッシュウッド氏が亡くなり、残されたダッシュウッド夫人と3人の娘エリノア、マリアンヌ、マーガレットは年500ポンドの遺産しかないことに愕然。実はダッシュウッド氏は妻と娘たちのみを案じて先妻との息子ジョンに後見を頼んでいたのにもかかわらず、その妻ファニーがそれを阻止してしまったのでした。

ジョンとファニーは夫人と娘たちが住んでいたノーランド・パーク邸に乗り込み、彼らを邪険に扱うようになります。それに耐えられなくなった母娘はミドルトン卿の好意でバートン・コテージに移り住み、マリアンヌは青年貴族ウィロビーと恋仲に。しかしウィロビーは理由も告げずにロンドンを去ってしまいます。一方エリノアはファニーの弟エドワードと恋仲になっていたものの、秘密の婚約者ルーシーがいることを知り大きな衝撃を受けます。

失意のエリノアとマリアンヌ、そしてルーシーはジェニングス夫人の正体でロンドンを訪れることになるものの、そこには思いがけない結末が待っていました。

・『グリーン・ディスティニー』 2000年

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本作品は2000年に制作された作品で、王度廬の武俠小説『臥虎蔵龍』を原作とした武俠映画です。代73回アカデミー賞では外国語映画賞をはじめ4部門を受賞したことでも話題になりました。

剣の名手として名前が知られたリー・ムーバイは、争いを好まず、剣を捨てて引退することを決意。そして自分の名剣『グリーン・ディスティニー』を寄贈するためにひそかに恋心を抱いていたユー・シューリンに託したものの、その夜何者かに盗まれてしまいます。

・『ハルク』 2003年

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本作品は2003年に制作された作品で、マーベル・コミック『超人ハルク』を映画化した作品です。

遺伝子学舎ブルース・バナーはある実験で大量のガンマ線を全身に浴びるという事故に見舞われ、以降怒りの感情を抱いた時に強大なモンスター「ハルク」に変身してしまうようになってしまいます。ハルクは軍の最新兵器を搭載したヘリやジェット機の攻撃も抑え込んでしまうほどのパワーの持ち主であり、ブルースはもちろん誰にも止められなくなってしまいます。しかしブルースに思いを寄せる女性科学者ベティは何とかブルースを救うべく奮闘するのでした。

・『ブロークバック・マウンテン』 2005年

※画像はイメージです

本作品は2005年に制作された作品で、E・アニー・ブルーの同名小説を映画化した作品です。1963年から1983年の20年間にわたって惹かれ合う2人の男性の姿を描いた作品であり、2005年のヴェネツィア国際映画祭では金獅子賞を受賞。またゴールデングローブ賞では作品賞、監督賞、脚本賞、主題歌賞の4部門を受賞しました。

1963年の夏、ワイオミング州のブロークバック・マウンテン。羊の放牧を行う季節労働者としてやってきた牧場手伝いのイニスとロデオ乗りのジャックは、過酷な労働を通して友情を深めていき、やがて一線を越えてしまいます。

契約完了後、イニスは婚約者のアルマと結婚。やがて2人の娘に恵まれ幸せな生活を送るようになるも、ジャックは再会を期待して翌年もブロークバック・マウンテンに仕事を求めてやってきていました。そしてイニスがやってきていないことを知ったジャックはテキサスに流れ着き、ラリーンと結婚。ラリーンの父親の会社で働くようになります。

そうしてお互いに家庭を持った二人だったものの、そんなイニスとアルマに待っていたのは悲しい結末でした。

■おわりに

アン・リーは『グリーン・ディスティニー』や『ブロークバック・マウンテン』といった映画史に残る作品を制作したことで知られる映画監督であり、その繊細なストーリーの描写は国際的にも高く評価されています。これを機にぜひアン・リーの作品を鑑賞してみてはいかがでしょうか。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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