ロンドン:歴史とモダンの交差点

ロンドンはイギリスの首都。数あるヨーロッパの中でも有数の、歴史が深い街だ。人口は700万人以上にも及び、飛び交う言語は300以上ともいわれるほど、多様性に満ちている。世界的に見てもその文化や経済、エンターテイメントの幅は広く、ロンドンに住む人はもちろん、世界中からの観光客も魅了し続けている。アメリカのニューヨークと並ぶ大都市、ロンドンの魅力を徹底的に紹介していこう。

歴史が残る街「ロンドン」

古くからの歴史が残るロンドンの街並み。ロンドンの歴史は2,000年以上といわれ、街の中には古くの名残を残した建造物が、数多く点在しています。大聖堂の荘厳な姿や宮殿、レンガ造りの古い建物。一方でその隣にはモダンな佇まいの、現代的な高層ビルが立ち並びます。歴史と今が織りなす姿こそがロンドンです。

その美しい街並みは、映画のシーンにも頻繁に登場しています。「シャーロック・ホームズ」や「007」など、ロンドンを舞台に撮影がおこなわれた映画は数多いです。ロンドンの街を散策していると、どこかで見た光景にたびたび遭遇することに驚かされることでしょう。

映画「ハリーポッター」で登場したキングス・クロス駅には「9と3/4番線」が、ありありと再現されています。懐の深さはロンドンの歴史の深さ。現在でもたくさんの人を魅了しているロンドンには、街中に訪れるべきスポットがいくつもあるのです。

ロンドンの歴史を知るために、博物館を覗(のぞ)いてみるのもよいでしょう。ロンドンには大英博物館をはじめとして、たくさんの博物館があります。しかもその多くの入場料は無料。入り口に寄付を募るボックスが用意されていますが、募金をしなくても博物館に入場することは可能です。歴史深いロンドンの中で触れる芸術作品や歴史的な発見に、心を動かされることは間違いないでしょう。

博物館でロンドンの歴史に触れたら、オープンテラスのカフェでのんびりと過ごすことをオススメします。夕焼けに染まる街並みを一望しながら、ゆっくりとコーヒーを嗜む(たしなむ)のも一興です。歴史と文化、そして芸術の街「ロンドン」。そんなロンドンで、必ずチェックしておきたいスポットを次章で紹介していきます。

ロンドンで抑えておきたい観光スポット

街の中にいくつもの歴史的な遺産を抱えるロンドン。ここではその中から、必ず抑えておきたい定番スポットをいくつかご紹介します。

1.バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)

バッキンガム宮殿は「女王の住まい」。現在イギリス君主のエリザベス女王が住んでいる場所です。余談ですが、エリザベス女王もロンドン生まれです。バッキンガム宮殿は女王の住まいとしての役割のほかにも「迎賓館」としての役割も備えています。世界中から訪れる賓客たちをもてなす場としても、使われているのですね。

バッキンガム宮殿の名前は、現在のバッキンガム宮殿の原型を建てたとされる「バッキンガム公」の名前から。宮殿内には郵便局や映画館、プールなどが備えられています。夏場限定で一般公開もされており、この期間は入場料を支払えば、中に入ることも可能です。

バッキンガム宮殿の見所は、なんといっても「衛兵交代式(Changing The Guard)」です。黒くモコモコとした帽子と、鮮やかな赤の制服を着た衛兵が、新しく業務を担当する衛兵に交代をするシーン。この衛兵交代式見たさに、世界中からたくさんの人が訪れます。

ピシッとした衛兵の迫力のあるマーチングバンド、美しく整った並列。目の前でおこなわれる圧倒的で美しい衛兵たちの姿に、きっと圧倒されてしまうことでしょう。

衛兵交代式は原則的に4月〜7月は毎日、それ以外の期間は隔日でおこなわれています。時間は11時30分から、所要時間は約40分です。この時間帯は、バッキンガム宮殿の周りにたくさんの人だかりができます。確実に見たい人は、早めの場所取りがオススメです。詳しい催行スケジュールは、バッキンガム宮殿のウェブサイトを参照するのが安心でしょう。

2.ロンドン塔(Tower of London)

ロンドン塔はロンドンの街中にある世界遺産。1078年から建築が始められ、20年の月日をかけて完成しました。ロンドン塔は過去に天文台や銀行として使われたほか、政治犯の幽閉や投獄、処刑にまで使われ、幅広い役割を担ってきました。ロンドン塔の中には過去に使われた拷問具や処刑具、鎧や剣などの展示もされています。

「反逆者の門」は、ロンドン塔から隣に流れるテムズ川へつながる通路に作られた門です。エリザベス1世が女王になる前、ロンドン塔に幽閉された際にもこの反逆者の門をくぐったとされています。深く暗い歴史のある建造物ロンドン塔は、ロンドンの歴史を知る上では欠かせない重要なスポットです。

3.タワーブリッジ(Tower Bridge)

タワーブリッジは、ロンドンを代表する建築物です。空に向かってそそり立つ2本の「尖塔」にかかった長い通路。映画のシーンにもよく登場するので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?タワーブリッジは現役の跳ね橋(可動橋)です。橋の間を大型の船が通るタイミングに遭遇すれば、ダイナミックに橋が開く光景を目にすることができるでしょう。

タワーブリッジの完成は1894年。尖塔の高さは65mもあります。途中40mの高さには展望用の通路が設置されており、通路からは眼下にロンドン市内の風景を見ることができます。橋の長さは244m。タワーブリッジの尖塔内には博物館も備えられています。タワーブリッジはロンドンを語るなら外せない、アイコニックな建造物の代表選手です。

4.ビッグ・ベン(Big Ben)

ビッグ・ベンは、「ウェストミンスター宮殿=ロンドンの国会議事堂」の横に鎮座するゴシック様式の時計台のこと。「ロンドンに来たらビック・ベンは外せない」といわれるくらいに、有名な観光スポットです。ビッグ・ベンは1867年に世界遺産に登録されています。現在も現役で時計として機能しており、ロンドン市内を見て回っている最中にも、ちらほらと目に入ることも多いでしょう。

ビッグ・ベンとは、時計台に付いている「鐘」の愛称です。塔の名前は「エリザベスタワー」が正式。とはいえ、ビッグ・ベンの名前の方が圧倒的に浸透しています。ビッグベンの鐘の音がなるのは1時間ごと。荘厳に鳴り響く鐘の音に、身も心もうっとりしてしまうでしょう。

時計塔「エリザベスタワー」の高さは96m、大鐘「ビッグベン」の直径は2.9mです。直径が2.9mということは、大人2人が肩車をしたときの高さです。想像するだけでもその大きさがおわかりになるでしょう。テムズ川沿いに悠然とそびえるその姿はまさしく「圧巻」の一言。ロンドンの曇り空に映える、美しいシルエット。ビッグベンの魅力を、ぜひその目でご覧いただきたいところです。

散策中の一休みには、ロンドンの自然を感じる

歴史的な建物に、見所が豊富なロンドン。そんなロンドンで時間を過ごすのなら、街に溢れる自然を楽しんでみるのもよいでしょう。ロンドンには8つの国立公園があります。そのどれもがロンドンの癒しとなり、訪れる人の目を歴史的な建造物同様に楽しませています。

散策の合間の休憩には、「ハイドパーク(Hyde Park)」や「セントジェームズパーク(St James Park」で、緑豊かな自然を満喫してみましょう。世界の大都市として知られる一方で、豊かな自然を持つロンドンは、公園もひとつの見所になっているのです。

ローカル色を楽しむロンドンのマーケット

ロンドンには、いくつもの「マーケット(Market)」が存在します。平日や週末など、開催される期間は場所ごとに異なります。いずれのマーケットも、それぞれの個性や特徴に溢れていて、訪れる人の目と好奇心を満たしてくれるでしょう。

ポードペロー・マーケット(Portobello Road Market)は、世界的な規模を誇る骨董品のマーケットで、土曜日に開催されています。陶磁器やアクセサリーなど、ロンドン土産やご自宅用に、アンティークの洒落た骨董品を購入してみるのはいかがでしょうか。

ポードペローには、観光客や地元民に混じってプロの目利きも顔を見せるといいます。ふと目に入ったアイテムが、じつは歴史的にも価値があるものだった、ということも十分にあり得ることでしょう。平日は毎日マーケットを開催、土曜日は骨董市。日曜日は基本的にお休みとなっています。

バラ・マーケット(Borough Market)は、ロンドン市民の台所です。開設されたのは1014年。現在その歴史は1,000年以上にも及びます。イギリス国内最規模の食品市場、チーズにパンに、さまざまな野菜まで、ディスプレイも鮮やかでバラエティに富み、お腹だけでなく見た目からも楽しむことができるでしょう。フィッシュ&チップスなど、ロンドンでは定番のローカルフードもリーズナブルに楽しめます。ロンドンの食事情を覗いてみるには、格好の場所といえるでしょう。

ブリックレーン(Brick Lane)はロンドンの東に位置するエリアで、ファッションに関心のある若者やアーティスト、デザイナーなどが多く訪れています。ブリックレーンの見所は、溢れるようなストリートアートと古着屋。壁一面に広がる芸術的なアートや、1920年代〜1980年代の古着を扱うお店が軒を連ねています。ロンドンの中でも一際光るオシャレなエリア。その雰囲気を味わいに、ブリックレーンに訪れてみる価値は大いにあるでしょう。日曜日はストリートに沿って、マーケットが開催されています。

上記のようにロンドンでは、いくつもの個性豊かなマーケットが開催されています。機会があればぜひ足を伸ばしてみてください。観光地巡りでは味わえない、よりディープなロンドンの姿を楽しむことができるでしょう。

お土産に観光に、ロンドンの誇る百貨店「ハロッズ」

ロンドンを出る前に、ぜひ訪れてもらいたいのが「ハロッズ(Harrods)」です。ハロッズはイギリスで最大の百貨店、1834年にチャールズ・ハロッズによって設立されました。可愛らしいクマのキャラクター「ハロッズ・ベア」を、ご存知の方もいるのではないでしょうか?世界中で有名なキャラクター「クマのプーさん」が生まれたキッカケになったのも、ハロッズで購入されたテディベアだといいます。

ハロッズの広大なフロアを散策して、ショッピングをするのもオススメ。中でも注目してもらいたいのが紅茶です。もともと紅茶の小売から始まったハロッズは、紅茶の品揃えが圧倒的に充実しています。豊かな香りに魅了されながら、自分に合った紅茶を探してみるのも面白いでしょう。ハロッズは夜になるとイルミネーションが輝くので、とても幻想的な外観に変化します。昼でも夜でも楽しめる、ハロッズは百貨店であると同時に、ロンドンの誇る観光スポットのひとつなのです。

過去と未来が交差する街、ロンドン

歴史のある建物から、新しくモダンな建造物まで。過去と現在が交差し、今なお大きく発展を続けている街、それがロンドンです。多様性に溢れる街の人々や文化が織りなす光景は、ほかの場所では体験することのできない、ロンドン独自のものといえるでしょう。

ロンドンの深い歴史の一端を知るために、ぜひ次の旅先はロンドンを選んでみてください。そして、ロンドンに到着したときには自分の五感を研ぎ澄まして、全身で空気を感じてみましょう。「なんだか、これまでの街と違う香りがする…。」きっとあなたもそう感じるはずです。人生の中の1ページに、ぜひロンドンでの時間を、刻み込んでみてください。

※本記事はコロナウイルス感染症拡大より以前に執筆・掲載された記事です。

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